清水邦夫の名作『雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた』10月 上演

『雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた』リーデイングが10月1日・2日に上演。
戦争で溢れた現世を憂い、畏れ、藻掻き…突破への一筋の光を求め続ける清々しさに満ちた登場人物たちのセリフを劇作家・清水邦夫は遺した。

本作は、清水邦夫 1982年、盟友:蜷川幸雄と清水の〝再会の作品′′として記録される名作で、北陸の廃墟となった百貨店で繰り広げられる愛憎劇。 人間の狂気と正気、家族とは何か、そして戦争に傾く現代への危機感。清水邦夫がこだわり続けた故郷・新潟県長岡での大空襲が作品の重要なモチーフとなって いることに注目し、朗読劇としての磁力を最大限に生かした作品創りを行う。
清水作品の魅力を熟知しそれを体現する俳優が集結!! 劇団・木冬社(清水邦夫主宰)への出演も多かった中島久之(大河ドラマや山口百恵の「赤い シリーズ」等出演)と、磯部勉(ロバートデニーロ・メルギブソン・ハリソンフォード等の 吹替声優)。
文学座から劇団四季を経て活躍中、ジブリ声優でもある都築香弥子。 幅広い喜劇役者里村孝雄、劇団四季を経て日本語の美しさに拘り続ける大島宇三郎(NHK大河ドラマ・連続テレビ小説はじめ数々の作品に出演)。 木冬社出身の東憲司率いる劇団桟敷童子の原口健太郎、木冬社出身の新井理恵ほか、魅力的な役者が揃った。

NANYA-SHIP 主宰の南谷朝子は劇団木冬社在籍中、清水邦夫から劇中音楽の相談をうけることが多く、アトリエ公演の音楽や、本公演『哄笑』(1991年初演~各地旅公演)では、作品のキーワードとなる音楽「心のバンドネオン」を清水邦夫に紹介、インスパイアされた 清水が劇中歌として曲を使用、“実子”(初演は南谷朝子)が、クライマックスでその歌を 歌唱するという戯曲が誕生。
「清水邦夫が作ろうとした音楽劇とはどんなものだったのか・・・」
清水作品上演への永遠の宿題を胸に南谷が劇中音楽を創作。
20世紀と共に閉鎖された劇場、渋谷ジァンジァンを目標に進化するライブハウス「南青山 MANDALA」にて公演。

物語
とある百貨店、真夜中。突如、音楽が響き、闇を切り裂いて大階段が現れる。夜な夜な、女装をして「ロミオとジュリエット」の稽古に励んでいるのは、新村久をはじめとする壮年の男性たち。かつてこの百貨店に創立された石楠花少女歌劇団の熱狂的ファンであった“バラ戦士の会”の面々である。ジュリエットを演じるのは歌劇団の名花と呼ばれた風吹景子。三十年以上前、空襲により歌劇団が消滅した事実を受け入れられず、未だゴールデンコンビといわれた相手役、男役スターの弥生俊(鳳蘭)を待ち続けている。新村たちは、景子の少女のような危うい精神をなんとか守ろうと、歌劇団再結成を呼び掛ける新聞広告を出し、稽古につきあっているのだった。新村たちの奮闘を冷ややかに見つめる新村の義妹・加納夏子や北村次郎など若い世代も、次第に彼らの不思議な情熱に取り付かれていく。歌劇団の歌姫であった直江津沙織をはじめ、メンバーたちが集まり始め、華やぐ百貨店。妹の理恵の手にすがりつつ、ついに俊がその姿を現した。謎めいた瞳をサングラスで隠して・・・。

概要
日程・会場:2024年10月1日(火)・2日(水)  南青山 MANDALA
作:清水邦夫
演出:富澤正幸
音楽:南谷朝子
出演:
都築香弥子 / 中島久之 / 磯部勉 / 里村孝雄 / 大島宇三郎 / 浅地直樹 / 原口健太郎 / 新井理恵 / 彩萌 / 太田知子 / 関谷道子 / 髄 / 落司さとこ / 芳尾孝子 / 南谷朝子

MANDALA公式サイト:https://mandala.gr.jp/aoyama/schedule/20241001/