宮沢りえ, 佐藤二朗 登壇 『そのいのち』製作発表会 11月 世田谷パブリックシアター

『そのいのち』が、11月9日より世田谷パブリックシアターにて上演される。

宮沢りえ、佐藤二朗とともに、相馬花役(W キャスト)には佳山明と上甲にか。また、その他出演者に鈴木福の弟で、ドラマやバラエティなど益々活躍の場を広げる鈴木楽や今藤洋子、本間剛が出演。
佐藤二朗がミュージシャンの中村佳穂の楽曲「そのいのち」にインスパイアされ執筆したのがこの舞台『そのいのち』。介護ヘルパーとして働く山田里見と、彼女の雇い主で障がいを持った相馬花とその夫・和清の穏やかな日々、そして、あることをきっかけにその穏やかな関係が徐々に狂い始めていく。「持つ者」と「持たざる者」の間にある埋めようのない「溝」が描かれる。

製作発表会が都内で開催された。登壇したのは宮沢りえ、佐藤二朗。

会見のコメントより

宮沢りえ
「私は役者さんである佐藤二朗さんのお芝居がとても好きで、出られている映画を映画館に観に行って本当にお芝居に感動することが多くて、二朗さんのファンなんです。二朗さんが作られた映画だとか、もうとても好きです。その二朗さんが12年ぶりに書かれた台本が家に届いて、まず最初は、二朗さんがどんな本を書いたんだろうって心がわくわくしました。最初は会話のテンポが良くてユーモアもあったりして途中、読んでいて、鳥肌が立つシーンがあったんですね。その鳥肌が立った瞬間に、この芝居をやってみたいと、きっと大変だと思いますけど、その大変なことを乗り越えたいと思いました。舞台は、時間をかけて、深く掘り下げてその役と向き合える、それが私にとって舞台に出演する意義だと思います。
今、健常者と障害者の違いとはなんなんだろうなという、障害という言葉が好きじゃないなと、今のこの疑問という気持ちを明確にして、一緒に作品を作ることがでればと思います」

佐藤二朗
「今回、相馬花役には 健常者の女優さんにお願いしようと思つていました。だけど、何て言うか、もちろん映像でも大変だけど、舞台はさらにいわゆる障害のある方を見ていただくのはハードルが舞台でさらに高いっていうことは承知なんですけど、僕にとっては、負を力に変えることが生きること、自分の意思ではどうしようもないことが目の前にあったときに、それを何か生きる燃料にするというか、命を燃やす燃料にするということを、祈るような気持ちで信じているので、それを障害のあるお2人にキャスティングして、その負が力になるところをこの目で見たかった。車椅子の2人、座組一丸となって、本当にもう1ミリでも上を目指して、いい芝居を皆さんに届けたいと思います。」

「愛情」「情熱」「美」の花言葉の、真っ赤な薔薇のシャツで語る佐藤。その言葉もまさに「愛情」「情熱」「美」だった。

 

明るい笑顔と真剣な言葉が行き交う会見となった。
熱弁を振るい、一服する佐藤
今回の舞台への熱いお思いを掛けて挑むふたりの、気迫が充分に伝わる内容。お茶目なおふたりの心優しさに包まれながら、改めてこの舞台から発せられるだろう濃密な演劇世界を予感させる会見となった。

あらすじ
マンションのキッチンで煙草を吹かす至って平凡な女性、山田里見(56)。彼女は介護ヘルパーである。新たな雇い主である相馬花(24)は障がいを持っている。花は動物ライターの夫・和清(45)とペットのウサギ「スケキヨ」と一緒に暮らしていた。要介助の妻と歳の差夫の関係はどこか奇妙ながらも幸せそうに見えた。
ある日、花の母・瑠依(44)とその再婚相手の悟(42)、息子の圭祐(10)が訪ねてくる。上辺は取り繕っていても実の親からも、世間からも見放されている花にシンパシーを感じていく里見。優しい時間の中で、花も徐々に里見や和清に自分の気持ちを吐露していく。しかしある出来事をきっかけに、穏やかだった3人の関係が徐々に狂い始めていく。そしてその先にあった驚愕の秘密…。浮かび上がる「持つ者」と「持たざる者」の間にある埋めようのない「溝」。それを前にした時に、3人が選んだ衝撃の結末とは…。

概要
『そのいのち』
会期会場:
東京:2024年11月9日(土)~17日(日)世田谷パブリックシアター
兵庫:2024年11月22日(金)~24日(日)兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール
宮城:2024年11月28日(木)東京エレクトロンホール宮城
出演:宮沢りえ、佐藤二朗、佳山明(Wキャスト)、上甲にか(Wキャスト)、鈴木楽(Wキャスト)、工藤凌士(Wキャスト)、今藤洋子、本間剛 ほか
脚本:佐藤二朗
演出:堤泰之
東京公演チケット:一般発売日:2024年9月1日(日)

公式HP:https://www.ktv.jp/event/sonoinochi/