原作『嫌われる勇気』は、心理学者で知られるアルフレッド・アドラーの思想を物語にした一冊を、和田憲明が戯曲化し、2015年に初演。作品にブラッシュアップし再構築して9月23日より上演。
只今、稽古真っ最中!!
原作は「青年」と「哲人」の会話で成り立っているが、舞台化にあたってそのまま舞台にのせるのではなく、”戯曲”として成立させているところがポイント。舞台の上手には研究室、下手の一段高いところに取調室。出だしは「殺人」、衝撃的、これは”プロローグ”にすぎない。原作と離れている印象があるが、原作を読んでいれば、進行するに従って「合点」がいくはず。そして原作を読んでない観客は原作を紐解き、「アドラーの心理学」についてもっと知ってみたいと思えるようになる。殺人者の動機、取り調べにあたっている刑事らの会話、研究室でのやりとり。サスペンス仕立て、彼らの会話に注目してほしい。なお、アフタートークも決定。
プロデュース:石井久美子より
舞台『嫌われる勇気』は2015年にレッドシアターで上演した作品で、9年ぶりの再演になります。
今回の大きなポイントは、やはりあの紀伊国屋ホール、書店の中にある劇場、そこが大きいことだなと私は思っています。初演時はレッドシアターという小劇場でしたが、この9年間に原作の『嫌われる勇気』が今年5月に300万部突破、偶然にも良い機会に、記念すべき年に公演する、ということになったので、紀伊国屋ホールは書店内であることで、書籍と演劇とのコラボ感がより増していくのではないかなと思っています。
原作ファンの方にも、原作を読んでいない方にも、この演劇を見ていただいてアドラー心理学にもっと興味を持っていただき、更に原作にも興味を持っていただける…橋渡しになればなと思っています。書店でやるということを含めて『嫌われる勇気』に注目していただければと思います。
脚本・演出:和田憲明より
先生方の許可をいただきまして、原作のファンの方に怒られるかもしれませんが、原作と離れた物語として作らせていただきました。それは、あの本をそのまま内容が伝わるように…ただ舞台という形にするだけでは、自分があの本を読んで感じたことや、実はこの本はこういうことを伝えようとしてるのかなと思ったこと、それを反映させるのが難しいと考えたからなんです。結果的に作品の出来が、先生方が気に入ってくださったことで、考えたこともそんなに外れてなかったのかなと…ほっとしたような次第です。それに加えて、初演時に制作過程で先生方と話す時間を作っていただいたのがすごく大きくて、結構突っ込んだお話ができたんですが、そのときの先生方の人柄とか哲学についてどう考えてるのかということ、こういう話がとても刺激的でした。実を言うと、原作以上にそのときの印象が反映された作品だと思ってるんですよ。そのことが観ていただく方に少しでも伝わって楽しんでいただければ、自分としてはこれを原作に作品を作った意味があるのかなと思えておりますので、ぜひとも皆さんに観ていただきたいなと思ってます。
原作について
『嫌われる勇気』は 2013年12月に刊行。それまで日本では無名に近い存在だった「アドラー心理学」を対話篇形式で解説し発売直後から大反響、「人生を一変させる劇薬」と言われるほど話題に。
その後も“自己啓発書”の象徴として売れ続け、年間ベストセラーランキング(ビジネス書、トーハン調べ)では、2014年から2023年まで史上初の10年連続でトップ 10 入りを果たしました。
「自由とは、他者から嫌われることである」「世界はシンプルであり、人生もまたシンプルである」「人はいま、この瞬間から幸せになることができる」など本書が伝える言葉の数々は、SNS などで紹介・拡散されることが多く、世代を問わず、対人関係やコミュニケーションに悩む人々に勇気を与え続けています。そして、刊行から 10 年以上が経った現在も新しい読者が増え続け、現在では国内 300 万部を突破しています。
また、本書は世界40以上の国・地域・言語で翻訳され、世界累計部数は 1000 万部を突破。日本そして世界に『嫌われる勇気』の読者が広がり続けています。
あらすじ
その刑事は信念の人だった。彼は仕事の合間をぬい、とある大学の教授に会いに来た。2年前に交通事故で死んだ彼の娘が、その教授の熱心な生徒だったという。彼は娘が自分の意思で車の前に飛び出したのではと疑っていた。大学に早めに着いた彼は、教室の片隅で、教授の講義を聞いてみた。
『世界はどこまでもシンプルである』 『人は変わることができる』 『人は誰でも幸福になれる』彼は苛立った。長年、犯罪の捜査を通じて犯人と関わってきた彼には、その一つ一つの言葉が受け入れがたいものだった。
彼は一人の女のことを思う。彼女は彼がまさに今担当している事件の容疑者だ。実の母親とその再婚相手である義理の父親を惨殺し、自殺を図ったが死に損ない逮捕された。彼女は犯行を認めたが、それっきり何も話さなくなった。
彼女の人生に何があったのか?そして娘は何故死なねばならなかったのか?
娘の死をキッカケに頑なに守ってきた彼のルールがしだいに狂い始め、彼はもう一度教授を訪ね、教授の説くアドラーの教えについて語り合うことになる。かつて、彼の娘がそうしたように。2 人の会話はいったいどこに行き着くのだろうか・・
アフタートーク登壇者
*敬称略 *9月27(金)のみ調整中 *当日のチケットをお持ちの方のみご参加いただけます。
9月24日(火)19:00開演 加藤良輔 辻千恵 小島藤子
9月25日(水)14:00開演 岸見一郎(原作) 和田憲明 ほか
9月26日(木)14:00開演 大鷹明良 山田純大 辻千恵 加藤良輔 小島藤子
9月27日(金)19:00開演 調整中
概要
ウォーキング・スタッフ プロデュース
舞台版 嫌われる勇気
日程・会場:2024年9月23日(月)~9月29日(日). 紀伊國屋ホール
原作:岸見一郎・古賀史健 (「嫌われる勇気」ダイヤモンド社)
脚本・演出:和田憲明
出演:大鷹明良・山田純大・辻千恵・加藤良輔・小島藤子
問合:03-5797-5502(平日12:00~18:00)
公式サイト:https://walking-staff.net
© 舞台「嫌われる勇気」 2024