ヒトハダ公演「旅芸人の記録」開幕! ヒトハダ番外「杏仁豆腐のココロ」24年12月上演

ヒトハダ第2回公演「旅芸人の記録」が下北沢ザ・スズナリにて9月5日に開幕。

本作は、太平洋戦争中、関西の地方都市にある小さな大衆演劇の劇場で女剣劇を看板に芝居をする家族の物語。複雑な家族関係の中でのすれ違いや、戦争に翻弄される市井の人々が描かれる。

旗揚げ公演では、進駐軍のコーラスグループの友情を描いたヒトハダが、今回は大衆演劇に挑戦。人情あり・笑いあり・涙あり・歌あり・踊りありの大衆演劇エンターテインメント。

また、年末にはヒトハダ番外公演「杏仁豆腐のココロ」が上演。
こちらは、クリスマスにとある夫婦が別れを前に想いを巡らせるという男女2人芝居。

鄭義信自身が演出を手掛けるのは約9年ぶり、劇団員からは、浅野雅博と尾上寛之が出演し、客演として、村岡希美さん・高畑こと美さんを迎え、今男女それぞれダブルキャストの、2チーム制で上演。

コメント
旅芸人の記録 脚本・演出 鄭義信

今年の春、生まれて初めて大衆演劇の演出をさせていただいた。同じ演劇と言えど、今まで経験したことのない世界である。
昼夜公演が終わった夜十時過ぎに、明日の舞台稽古が始まる。舞台の隅にテーブルが置かれ、鮨やお菓子が並べられている。座員たちは、それをちょこちょこつまみながら、台本片手に台詞合わせをする。
朝十時に劇場に伺うと、真っ暗でな舞台の上に布団を敷いて、座員たちが眠っていた。大衆演劇の座員達は、昔も今も、舞台上に布団を敷いて寝ている。舞台の上が、まさに彼らの職場であり、生活空間でもあるのだ。
なんだか怖ろしくかけ離れた世界でありながら、その舞台の上で演じられるのは、やはり人間の変わらぬ業であり、義理人情であり、愛であり、営みである。
いつの時代であれ、とりまく状況が変わったとしても、変わることのない人の思いを、今回の作品を上演することで、ほんの少しでも掬いとれることができたなら、作家、演出家として、これほどの喜びはない。

旅芸人の記録 座長・大鶴佐助
実家の廊下の先は稽古場だった。いつも台詞が飛び交い劇中歌が響いていた。
それが僕の日常で、気づけば自分も役者になっていた。
今回の「旅芸人の記録」は家族の物語だ、誰の記憶にも残らなかったかもしれないし、誰かの記憶に残ったかもしれない旅芸人一座の日常を、おあつらえ向きに降る雪の合間から覗いてみてください。
あらすじ
太平洋戦争まっただ中、大衆演劇の劇場、映画館は、大勢の観客で賑わっていた。劇場の外は戦火、けれど、中は笑いと涙が渦巻いていた。人々は演芸に興じることで、ひととき、暗い世相を忘れようとしたのだ。
一九四四年(昭和一九年)、関西の地方都市にある小さな大衆演劇の劇場。女剣劇を看板にする二見劇団が、十八番の「ヤクザ忠臣蔵」を上演している。
主役の藏造を演じるのは、座長の二見蝶子(梅沢昌代)。その子分を、蝶子の息子の夏生(尾上寛之)と、中堅の山本(丸山英彦)、亀蔵(櫻井章喜)が演じている。台本を書いたのは、蝶子の再婚相手、清治(浅野雅博)の連れ子である冬生(大鶴佐助)。音響係を、蝶子の娘の秋子(山村涼子)。蝶子の夫、清治は喘息持ちということで、舞台には立たず、炊事を担当している。それぞれが、一座の仕事を分担して、家族で支えていた。
ある日、夏生が役者を辞めて、川西飛行機工場で働きたいと、宣言する。清治の反対にもかかわらず、夏生は一座を離れ、一人暮らしを始める。そして、秋子も婚礼をあげ、山本も徴兵され、一座から、次々、人がいなくなってしまう。
そんな折、冬生の書いた台本が検閲に引っかかり、上演できなくなってしまう…



概要
会期会場:2024年12月12日(木)~12月22日(日) 浅草九劇
脚本・演出:鄭義信
出演:大鶴佐助、浅野雅博、尾上寛之、櫻井章喜、梅沢昌代
山村涼子、丸山英彦
東京:2024年9月5日(木)~22日(日) 下北沢 ザ・スズナリ
大阪:2024年9月26日(木)~29日(日) 扇町ミュージアムキューブCUBE01
チケット料金:全席指定 6,500円(東京、大阪共通)

問合:hitohada.info@gmail.com

公式HP: https://hitohada-offical.bitfan.id/