現代家族劇、日本代表!ともいうべき作品『て』が劇団20周年の節目に上演決定。
作家・岩井秀人の実の家族をモデルにしたこの作品は、岩井の家族が過去の関係を清算しきれず、お互いの分かり合えなさに沈んでいく様を壮絶に描いた、厚みある悲喜劇。次男と母、二つの目線で同じ時間を繰り返す構造が、「家族」という切っても切れないはずの関係を力づくでねじ切り、その傷跡を我々に見せつける。ハイバイ流の「笑うしかない」切実さと悲惨さのバランスは、この作品で形成された。
2008年の初演以来、再演を重ねるたびに当日券を求める観客が、劇場前に列をなしてきた本作を、「完全版」としてキャストを一新。
ハイバイ初の本多劇場公演に加え、富山オーバード・ホール、高知県立県民文化ホール、兵庫県立芸術文化センターでの全国ツアーも_
あらすじ
山田家の4人兄妹は、かつて自分たちに手を上げていた横暴な父の元を離れ暮らしていたが、祖母の認知症をきっかけに、実家に再集合した。
父の過去の暴力について騒ぐ次男。それについて一向に触れようとしない長男。
「家族をやりなおそう」と希望を見せる長女。
そして兄妹たち集まる。
酒に酔った父の発言を元に、山田家に再び、暗く熱を持った活気が蘇ってくる。
岩井秀人よりコメント
2008年に初演し、ハイバイとわたくし岩井のその先の方向を決定づけた作品『て』の再演となります。
ご覧いただいた方からは、「我が家の風景、なんで知ってんだあ!涙」と、ありがたい悲鳴をいただけるこの作品も、誕生から15年経ち、さすがに家族って進化したのかなと思いきや、全然世の中の家族問題、なくならないっすね。
「家族だから許せ」的な考え方をやめたらいいのに、と思いながらも、それでも最終的にこの作品が「願い」や「許し」について扱ってることに救いを感じつつ、またイチから作り直したいと思います。
「なんか面白いらしいけどどうなんだ」と思ってる方は、身近な人で見たことがある人に聞いてみてください。面白いぞと、説得されてください。
見たことない方は、とにかく見に来てください。後悔はさせません。させたらすみません。
僕自身が演出し、僕自身が出演するのはこれで最後にするので、見納めとしてもお勧めです。
お待ちしております!
岩井秀人
概要
ハイバイ20周年
『て』
作・演出:岩井秀人
出演: 大倉孝二 伊勢佳世 田村健太郎 後藤剛範 川上友里 藤谷理子 板垣雄亮 岡本昌也 梅里アーツ 乙木瓜広 / 岩井秀人 小松和重
日程・会場
東京:2024年12月19日(木)〜29日(日) 本多劇場
___主催:株式会社WARE、ハイバイ
富山:2025年1月8日(水)・9日(木) 富山オーバード・ホール 中ホール
___主催:株式会社WARE、ハイバイ、(公財)富山市民文化事業団、富山市
高知:2025年1月18日(土) 高知県立県民文化ホール グリーンホール
___助成:芸術文化振興基金助成事業 主催:高知県立県民文化ホール(高知県立県民文化ホール共同企業体)、KUTVテレビ高知
兵庫:2025年2月1日(土) 2日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
___主催:兵庫県、兵庫県立芸術文化センター
ハイバイ公式サイト:https://hi-bye.net