染谷俊之,愛加あゆetc.出演 舞台『マリオネットホテル』開幕 コメントも_

初演から15周年を迎えた末満健一のライフワークとも呼べるTRUMPシリーズの最新作、舞台『マリオネットホテル』が開幕。

「だから約束だよ」「ずっとずっと待っているからね」意味ありげなモノローグ、一転して舞台上はホテル、物語の舞台となっているマリオネットホテルだ。「ようこそ!マリオネットホテルへ!」客人、それはダリ・デリコ(染谷俊之)、一通の手紙に誘われてやってきた。”マリオネット”フランス語、人形劇でよく使われる操り人形の意味。

従業員や宿泊客の全員が、何者かによってイニシアチブを掌握されている、「つまり、私たちはマリオネット、操り人形です」という。ここにはなぜか、名門デリコ家と何らかのつながりのある者たちが集まっていた。なぜ、皆ここにいるのか、密室で起こる奇妙な現象、自分の意思とは無関係にダリに襲いかかったり。ダリの父は15年前に他界、「ここにある秘密を根こそぎ暴いてやる!」とダリ。果たして、秘密を暴けることができるのか、というのが物語の流れ。

いわゆるクローズドサークルのミステリー、密室、外の世界から遮断された状況、自分たちで解決しなければいけない、閉じ込められた人物たちによる心理戦も展開されるのが、クローズドサークルのミステリーの醍醐味、代表的なのがアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』など。ここでは、ダリたちが秘密を少しずつ紐解いていくのだが、その過程で”過去”と対峙することになる。

エゴ・ヴェラキッカ(梅津瑞樹)。人形を手にしている、かなりインパクトあり。
フランチェスカ・フラ(川崎愛香里)。ツインテールがキュート。
モネ・スタンフィールド(瀬戸かずや)、スタイル抜群、ちょっとミステリアス。

ミステリーと聞くと、ドキドキや謎解きをイメージするが、もちろんその要素もあり、ちょっとした笑えるやり取り、また伏線も多い。過去作品を観劇していれば、ちょっと思い出して欲しいところ。ダンス、アクションシーンもあり、視覚的な動きも織り交ぜる。基本、ミステリーなので、会話劇の要素も。登場するキャラクターも個性的で曲者ぞろい、弟のエゴ・ヴェラキッカ(梅津瑞樹)かなりのインパクト、モネ・スタンフィールド(瀬戸かずや)、スラリとした風貌がかっこいいし、フランチェスカ・フラ(川崎愛香里)は大きな声で「ダリが好き!」と言う。

末満健一さん。強烈に爪痕を。

ホテルの支配人・ムンク・ミーラン(神農直隆)、クセ強め!染谷俊之のダリ・デリコは当たり役、ジョー・ヴェラキッカの愛加あゆはキュートな佇まい。

シックな色調の衣装、照明、音楽、ミュージカルではないが、歌、ジョー・ヴェラキッカ(愛加あゆ)とフランチェスカ・フラ(川崎愛香里)の二人が歌うシーンは聴きどころ。今、テレビアニメ『デリコズ・ナーサリー』に繋がる物語、アニメも視聴すれば、面白さ倍増。この物語の行き着く先は…そこは劇場で!公演は29日まで。

コメント

ーー初日を迎える今の気持ち

染谷:サンシャイン劇場というのは、本当にいろんな思い出が詰まっています。『グランギニョル』 もここから始まりましたし『COCOON~星ひとつ~』もここでした。それから月日が経っ て過去の『グランギニョル』の前日譚を『マリオネットホテル』としてまたこのサンシャイ ン劇場で迎えて、お客様に届けられるというのはすごく嬉しく思います。

愛加:約1か月間稽古をやってきて、いよいよ本番を迎えます。何作か出させていただいた大好きなTRUMP シリーズ、その中でも『グランギニョル』はとても思い出深くて大好きな作品なので、その前のお話を前日譚に出演させていただけるということがすごく嬉しいです。 参加させていただけることへの感謝の気持ちと共に、お客様がどんなご感想を持たれるの かドキドキしています。

おお〜!

ーー見どころ、注目ポイント。

染谷:あげたらキリがないのですが、伏線がいっぱい散りばめられてるので過去の作品を観てか ら伏線を楽しむのもいいと思いますし、このクローズドサークルというミステリーを純粋 に楽しんでいただくのもありなんじゃないかなと思います。

愛加:個人的には一緒に『グランギニョル』をやっていたダリ・デリコ、みんなの大好きなダリちゃんがまた帰ってくるぞというのが見どころです。もちろん他のみんな皆さまもとても個性的なのでそれぞれの生きざまもポイントかなと思います。

ーー観劇に来てくださる皆様へメッセージ

染谷:この『マリオネットホテル』は『グランギニョル』の前日譚で、過去にあった作品に繋げる というちょっと珍しい形の試みです。でも、今日までたくさん力を合わせて稽古してきまし たので、この『マリオネットホテル』単体でもきっと楽しんでいただけると思います。末満さんもとっても頑張っていますので(笑)、千穐楽までみなさん応援よろしくお願いします。

愛加:TRUMPシリーズは観れば観るほど奥深くて、色々発見のある作品だと思っているので何 度でも観に来ていただきたいところではありますが…有難いことにほぼ完売と聞いています。私たちは全力で毎公演努めますので、劇場や配信で楽しんでいただけたらとても嬉しい です。お待ちしております。

イントロダクション
すべてがイニシアチブの糸で支配された
奇妙奇天烈なホテルで巻き起こる《クローズド・サークル・ミステリー》

完全階級社会である吸血種の世界。特級貴族であるダリ・デリコ(染谷俊之)のもとに、差出人不明の一通の手紙が届く。手紙に誘われたダリが或る古びたホテルに赴くと、支配人ムンク・ミーラン(神農直隆)や従業員たちに歓迎される。
そのホテルは従業員や宿泊客の全員が、何者かによってイニシアチブを掌握されている《マリオネットホテル》であった。
そこにはダリと婚約破棄となったフリーダの妹であるジョー・ヴェラキッカ(愛加あゆ)と弟のエゴ・ヴェラキッカ(梅津瑞樹)、ダリの亡き父クロードの部下であったモネ・スタンフィールド(瀬戸かずや)、ダリの旧友であるゲルハルトの妹フランチェスカ・フラ(川崎愛香里)、他にも名門デリコ家に縁のある者たちが集められていた。
秘密を解き明かそうとするダリたち。
この状況を招いた黒幕である《人形使い》とは一体誰なのか? ダリはなぜ《マリオネットホテル》へと導かれたのか?
その秘密を解き明かそうとする時、過去の因縁が姿を現すこととなる。

概要
舞台『マリオネットホテル』
作・演出:末満健一
音楽:和田俊輔
出演:染谷俊之、愛加あゆ、梅津瑞樹、神農直隆、川崎愛香里、トヨザワトモコ、末満健一、瀬戸かずや、池之上頼嗣、井上望、貴田由佳子、小松育海、中道杏菜、真弓
スウィング:笠原希々花、中⼭脩悟
日程・会場:
東京
2024年9月14日(土)~29日(日) 東京・サンシャイン劇場
大阪
2024年10月3日(木)~10月6日(日) 大阪・サンケイホールブリーゼ
主催・企画・製作:ワタナベエンターテインメント

舞台『マリオネットホテル』公式HP:https://marionette-hotel.westage.jp

舞台『TRUMPシリーズ』公式HP:https://trump10th.jp/

舞台写真撮影:岩田えり(主催者提供)