ヒラタオフィスとタカイアキフミが主宰をつとめる TAAC(ターク)がタッグを組む第 1 弾公演『not only you butalso me』のビジュアル、そして作・演出のタカイアキフミと伊藤歌歩、谷藤海咲ら出演者のコメントが公開された。
TAACは、テレビなどのメディアで取り上げられた出来事の「その後」に目を向けてきました。
今作ではヒラタオフィスとタッグを組み、飛び降り自殺の巻き添え事故の「それまで」と「その後」を描きます。また、言葉ばかりの「多様性」が謳われるこの世界に潜む、さまざまな『境界線』について考えていく。
ビジュアルには、学校の屋上で寄り添い合う女子高校生ふたり(伊藤歌歩、谷藤海咲)の姿が収められています。
公演ごとに同志の表現者たちに声を掛け、他では観ることができないような魅力的なキャスティングが毎回話題となる TAAC ですが、ヒラタオフィスとタッグを組む座組で届けられる。 『福田村事件』や『リボルバー・リリー』など話題の映画に出演する一方、劇団 papercraft などの舞台にも積極的に出演している伊藤歌歩。NHK 連続テレビ小説『おむすび』に博多ギャルメンバーの1人として出演する谷藤海咲。イキウメや大人計画、オフィスコットーネなどの公演に出演し、舞台を中心に活躍している川嶋由莉。今回100名近くのオーディション・ワークショップ参加者から選ばれた、おくだかずな。タカイアキフミ作品には3度目の出演で、二ノ宮隆太郎監督の『若武者』で主演を演じた髙橋里恩。バイプレイヤーとして数多くの映像作品に出演し、3年ぶりの舞台出演となる山田キヌヲ。
コメント
作・演出 タカイアキフミ
だれかの黒い部分を見つけて、さもすべてが真っ黒であるかのように断罪する昨今に気が滅入ります。生きやすさをもたらすはずの「多様性」という言葉が、分断を生む要因になりつつあります。もっと自由で、もっと曖昧で、もっとぐちゃぐちゃでいいのに、と感じることが最近多いです。さまざまな属性を持って生まれてきた1人の人間として、この世界の『境界線』について考えたいと思います。
伊藤歌歩
『境界線』 。みんなにとってこの言葉のイメージはどんなだろう。わたしにとって“境界線”は“区別”というより、安全に生きていくための“区分け”。生きていくには、どうしても他者との関わりがあって、そういう意味で独りで生きていくのは無理で。だから、どうしても、ひとと比べてしまったりして。でも、思っているよりも、世界はもっとどうでもいいし、思っているよりも、ひとはひとを思いあっている。もっと、どうでもいい世界になりますように。そう願って。
谷藤海咲
今回、この作品のテーマは私自身の挑戦でもあり自分自身と向き合うきっかけになる、そんな予感がしています。自分と向き合うことは怖いと感じることも多いですがどんな自分と出会えるのだろうととても楽しみでもあります。そして何より素敵な座組でこの作品を演じられる事を、それを待っていてくださるファンの方に見てもらえることすごく嬉しいです。全身全霊挑ませていただきます。よろしくお願いします。
川嶋由莉
タカイさんをはじめ、キャストの皆様が本当に面白くて素敵な方々で、まだ少しお話しただけですが既にかなり刺激をもらっています。個性豊かな皆様と一緒に稽古場で何を考え、どんなものが作り出されるのかとても楽しみです。
おくだかずな
このテーマは、無くなることのない社会問題の一つだと思います。そんな作品に携わらせて頂けることを有難く思う反面、とても覚悟が要ります。変わらない事実と確かにそこにあった真実。色んな目線から一つの事象に対して向き合い、その先に見える景色を、俳優としてだけではなくヒトとして、大切に生きていきたいです。
髙橋里恩
其々が培ってきた個性があるなかで、共感性だとかあの人は良くて私は駄目だとか。外に目を向け途方に暮れて夢想に耽り、生きている意味など考えている。諦められるまで考え、悩み続けた先の世界がある。希望を持って考え抜ける力を授けて卒業させたい。3 年間はすぐだから向き合いたい。そんな先生がいても良い。
山田キヌヲ
ブロック塀に登るのが好きだった。よく叱られた。人が大地に杭を打ち戦争が始まった…どこかで聞いたような話である。人間も動物も家族や己を守るため縄張り争いを繰り返す。私はと言えば守ることも越えることもしたくはない。そもそも私は喧嘩が弱い。「危ないから降りなさい」と何度叱られようがブロック塀の上からこの世界を眺めて生きていきたいと願っている。
イントロダクション
––– あなたと、わたしの、あいだ –––
ある高校で、女子生徒が屋上から飛び降りた。その時、下にいた別の女子生徒は巻き添えをくらった。ふたりは意識不明の状態で病院に運ばれた。学校では生徒の母親や教師たちが、責任の所在について本人不在のまま激論を交わしている。生徒/教師/親それぞれの目線で事故前後の日々を紐解く中で、思いもよらない事故の真相に辿り着くのだった–––。
言葉ばかりの「多様性」が謳われるこの世界に潜む、さまざまな『境界線』について考えます。
概要
日程・会場:2024年10月18日~10月27日 劇場 MOMO
作・演出 タカイアキフミ
出演 伊藤歌歩、谷藤海咲、川嶋由莉、おくだかずな、髙橋里恩、山田キヌヲ
舞台美術:福島奈央花
音響:谷井貞仁
照明:南香織
宣伝・舞台衣裳:藤崎コウイチ
舞台監督:井草佑一
演出助手:小関悠佳
宣伝美術:藤尾勘太郎
宣伝・舞台写真:引地信彦
宣伝ヘアメイク:鶴永チヒロ
WEB 制作:立花裕介
制作:コバルトピア プロデューサー:松本治朗
協力:Collage Sound、コバルトピア、STAND FLOWER、鈍牛倶楽部、ノックアウト、LICHT-ER[50 音順]
主催:ヒラタオフィス+TAAC