マキノノゾミ演出 舞台『いびしない愛』記者会見レポ

舞台『いびしない愛』の記者会見が可児市文化創造センターalaにて行われた。
登壇したのはマキノノゾミと出演者全員、南沢奈央、東風万智子、佐藤祐基、内藤裕志、長江英和。
コメントは以下の通り。

マキノノゾミ

「いびしない愛」の「いびしない」は高知県の土佐清水市の幡多弁で、「残念」という感じの意味だと思ってます。「汚い」「汚れている」「パッとしない」「さえない」といった、あまりいいイメージの言葉ではないんです。
かつお節のふしを作っている「ふし工場」の事務所が舞台になっています。
工場全体が、薄汚れて「いびしない」。僕の中では、「いびしない愛」は、ちょっと残念な感じの愛と思っています。
コロナのちょうど最初の頃、非常事態宣言 が出て、オリンピックが中止になって、世の中が完全に止まって、その後、非常事態宣言が解除されて、世の中が少し動き出した頃が、物語の設定となっていて、二人の姉妹の葛藤のお話しです。
竹田モモコさんはこの作品で、劇作家協会新人戯曲賞を受賞しました。戯曲としても大変優れています。僕は最終審査員だったので、この作品を読んで、もう本当に笑い転げました。ユーモラスなだけではなく、「人が生きるってどういうことだろう」とか、「もっと楽に生きてもいいんじゃないか」と、観た後に明るい気持ちになれる作品だと思います。可児に滞在してお芝居を作るのは、今回で3回目です。 毎回来るたびに満喫して帰っております。演劇の稽古に集中できる状況は、とてもありがたく、これ以上望めないくらいコンディションの良い環境の中で稽古させていただいています。


南沢奈央

富田喜美子役を演じます南沢奈央と申します。 
私は地方に滞在しながら舞台を制作、そして公演を行うという、こういった形の作品は初めてなので、この土地に来るまでは、正直、馴染めるかなとドキドキしながら来ましたが、今は本当に毎日楽しく過ごさせていただいております。そして大変驚いたのは、可児での、ala Collectionの知名度の高さです。皆さんが演劇自体に興味を持ってくださってることが本当に嬉しく思ってます。街全体で皆さんが応援してくださるんだなっていうのを感じながら、日々稽古を行うことができています。
この作品を観終わった後に、「いびしない愛」というタイトルの意味したものはなんだったんだろうと、それぞれの解釈で 楽しんでいただけたらいいなと思っております。

東風 万智子

富田しおり役の東風万智子です。よろしくお願いいたします。 可児を本当に楽しんでおります。こんなに贅沢な時間を過ごしていいのかっていうぐらい、 自転車でいろんなところに行って、美味しいお野菜に毎日出会い、市民サポーターの皆様もとても美味しいものを教えてくださったりして、 内側から健康になって、元気になっていく感じがしていています。この素敵な作品をじっくり、素敵なキャストの皆さんとスタッフの皆さんと作っている感じです。 演劇にこんなに贅沢に向き合える時間っていうのは、本当になかなかないので、すごくありがたく、可児を楽しみながら作っております。


佐藤 祐基


諌山圭吾役の佐藤祐基と申します。僕自身は東京育ちで、方言が何もない人間で、慣れない幡多弁は、出演者の中で断トツ方言の劣等生でございます(笑)。稽古の度に、方言を録音したものを竹田さんにお渡しして、チェックしていただいています。自分の身体の中に幡多弁というものをどんどん入れていかなきゃなと思っています。諌山という役が翻弄される役なので、演出のマキノさんに「バカだね~」と言われていて、これはマキノさんの最大の「誉め言葉」なんですけれども、この「バカだね~」をたくさんお客様に届けられたらと思っています。

内藤 裕志


皆様はじめまして、内藤 裕志です。よろしくお願いします。
私は岐阜県出身で、岐阜の言葉は幡多弁と似ていると個人的に思っています。岐阜に帰って来て、岐阜の方言を聞くと本当にほっとします。18歳まで岐阜に暮らしていたので、僕の中にこのDNAがあって、ホッとするんだなと思っています。お芝居の冒頭からバンバン方言が出てくるんですが、皆様もそれをお聞きになるとたぶんホッとすると思います。そのくらい方言には魔力があるなって思ってます。
「いびしない愛」の愛は、姉妹の葛藤を軸に作家の竹田さんは描かれたと思いますが、個人的には、僕の役と長江さんが演じられるヨロさんが劇中では仲が良いという設定ですので、二人の関係をどう演じたらお客様に面白く伝わるかな、ホッとされるかな、というのを日々考えながら、お稽古をしています。すごく素晴らしい作品だと自信を持って言えます。よろしくお願いいたします。

長江英和

ヨロ、吉田喜八郎役の長江英和と申します。よろしくお願いします。僕は愛知県出身です。 
岐阜県-愛知県、仲良くやりましょう。(内藤さんと握手)先役の神戸浩さんの後を引き継ぐのが、実は今回2回目でして。見た目とかも違うんですけれども、不思議な巡り合わせかなと 思いました。昨日、台本を急遽いただきまして、 読ませていただきました。 登場人物は私が演じるヨロを含めて、とても残念な感じなんですけれども、とても愛される存在だと思います。神戸さんもとても愛される方なので、僕もこの中に加わって、愛されるようにやっていきたいと思います。どうぞ迎え入れてやってください。よろしくお願いします。

概要
ala Collectionシリーズ vol.15『いびしない愛』
日程・会場
可児公演 2024年10月9日(水)〜10月14日(月・祝) 可児市文化創造センターala・小劇場
東京公演 2024年10月25日(金)〜10月31日(木) 吉祥寺シアター
※長岡、宇都宮、枚方、丸亀 公演有り
作:竹田モモコ
演出:マキノノゾミ
出演
南沢奈央
東風万智子
佐藤祐基
内藤裕志
長江英和

公式ホームページ:https://kpac.or.jp/collection15/

企画・制作:公益財団法人可児市文化芸術振興財団