成河,木村了etc.出演『ピローマン』』開幕@新国立劇場 コメントも_

『ピローマン』が開幕した。
映画「スリー・ビルボード」「イニシェリン島の精霊」など、新作が公開されるたびにアカデミー賞を賑わせる、イギリス出身の鬼才、マーティン・マクドナー。劇作家としてキャリアをスタートさせ、演劇界・映画界の2つのジャンルで活躍する彼の代表作の一つ。

架空の”独裁国家”で生活している兄と弟。作家である弟が書いたおとぎ話がやがて彼らの現実を侵食していく…。理不尽な体制の中で「物語」が存在する意義とは何かを問いかける作品。

新国立劇場2024/2025シーズンのオープニングは、2004年のローレンス・オリヴィエ賞、04-05年のニューヨーク演劇批評家協会賞を受賞した、このマクドナーの傑作を、新国立劇場演劇芸術監督の小川絵梨子の翻訳・演出で上演。作家カトゥリアンを成河、その兄ミハエルに木村了。兄弟を尋問する二人の刑事、トゥポルスキを斉藤直樹、アリエルに松田慎也。そして兄弟の父母を大滝寛と那須佐代子が担う。

架空の独裁国家で「ある事件」が起き、ふたりの刑事・トゥポルスキとアリエルが作家のカトゥリアンを取り調べている。事件の内容がカトゥリアンが書いた物語と酷似していることから彼の犯行を疑っているのだ。さらに隣室にはカトゥリアンの兄・ミハエルも連行されており、刑事たちはさまざまな手を使って自白を引き出そうとする。次第に明らかになる兄弟の凄惨な過去。そして物語と事件との本当の関係とはーー。

小川絵梨子(翻訳・演出)コメント
プレビュー公演を経て、初日を無事開けることができました。プレビューにお越しくださった皆様、本当にありがとうございました!『ピローマン』は物語についての物語になります。ぜひ、劇場にて、この物語を楽しんで頂けましたら幸いです。

成河(カトゥリアン役)コメント
マクドナーの紡ぐ言葉の森を彷徨い続けてきました。絵梨子さんと共に目指す俳優の真髄、といいますか真に俳優芸術と呼べるものは遥か高みにあります。それでも、荷物を捨てて、身を投げ出してその壁を登ることで、少しずつ森の全容が見えてくる。すると、言葉の森というのはこんなにも豊かで、優れた戯曲というのは本当に人類の宝なのだという事が分かります。このマクドナーの奇跡のように美しい森を、皆さまに安心して隅々まで散策して頂けるよう、チーム一丸となって、最後まで壁を登り続けたいと思います。

木村了(ミハエル役)コメント
初日の幕が開きました。無事に初日を迎えられた事にホッと胸を撫でおろすと同時に、この『ピローマン』という作品を「物語」として立ち上げ続けていくことへの緊張感で背筋が伸びる思いです。常に出会って発見し、手放して、許す。これが出来ることの喜びを噛み締めながらミハエルを務めさせていただきます。劇場でお待ちしています。

<開幕直前座談会>

成河, 木村了, 斉藤直樹, 松田慎也, 大滝寛, 那須佐代子 舞台『ピローマン』座談会 「観終わった後に誰かと語り合いたくなる作品」

あらすじ
──むかしむかし、ある 所に普通の人とはちょっと違う人がいました。
身長 は3メートル ぐらいで、体は、ピンク色 の ふわふわした 枕 でできていました。
作家のカトゥリアン(成河)はある日、「ある事件」の容疑者として警察に連行されるが、彼にはまったく身に覚えがない。二人の刑事トゥポルスキ(斉藤直樹)とアリエル(松田慎也)は、その事件の内容とカトゥリアンが書いた作品の内容が酷似していることから、カトゥリアンの犯行を疑っていた。刑事たちはカトゥリアンの愛する兄ミハエル(亀田佳明)も密かに隣の取調室に連行しており、兄を人質にしてカトゥリアンに自白を迫る。カトゥリアンが無罪を主張する中、ミハエルが犯行を自白してしまう。自白の強要だと疑うカトゥリアンは兄に真相を問いただすが、それはやがて兄弟の凄惨な過去を明らかにしていく……。

概要
日程・会場:2024年10月8日(火)~27日(日) 新国立劇場 小劇場
作:マーティン・マクドナー
翻訳・演出:小川絵梨子
出演:成河、木村了、斉藤直樹、松田慎也、大滝 寛、那須佐代子
美術:小倉奈穂
照明:松本大介
音響:加藤 温
衣裳:前田文子
ヘアメイク:高村マドカ
演出助手:渡邊千穂
舞台監督:下柳田龍太郎
主催:新国立劇場

※観劇前に確認ください:トリガーアラート:本作には、フラッシュバックに繋がる/ショックを受ける懸念のある場面・表現が含まれます。児童虐待、性的虐待、暴力、殺人、流血、銃声、差別的な表現

公式WEBサイト:https://www.nntt.jac.go.jp/play/the-pillowman/

撮影:宮川舞子