マキノノゾミ演出 舞台『いびしない愛』開幕 コメントも_

舞台『いびしない愛』が可児市文化創造センターala・小劇場にて開幕した。東京は10月25日より吉祥寺シアターにて開幕する。

マキノノゾミ
「ala Collectionシリーズ」は準備のための時間をふんだんに使える恵まれた環境のため、今日の初日は比較的余裕をもって迎えることができました。大抵の演劇はギリギリで幕を開けることが常ですのでありがたいことです。
この作品は、作家の竹田モモコさんがコロナ禍の頃にご自分の公演が中止になるなど苦労されている時期に書かれた作品です。あの頃は、僕らの仕事は「不要不急」の最たるものだと考える向きもあり「人と近づいてはいけない」「しゃべってはいけない」ということで、演劇は八方塞がりの状態でした。ですがそんな時期に竹田さんは今回書かれたことを考え作品に昇華させたわけで、そのことにも感動しております。
わたしにとって8年ぶり、3回目の「ala Collection」ですが、アーティスト側からしても本当に贅沢な環境を与えていただき、全国的に見てかなり貴重な場所であることは間違いありません。たとえば東京ですと稽古場まで1時間以上かかることも珍しくありませんが、ここはすぐそこに稽古場があり、しかも潤沢な時間がある。居心地のいい、空気のいい、空が広い環境の中で、ものを作ったり考えたりできるというのは本当に贅沢な時間であり、素晴らしい試みだと思っております。

南沢奈央(富田喜美子役)
稽古場で稽古していたものを大勢のお客様に観ていただいて、リアクションもありましたので、いつもより温度感が上がったような感覚がありました。この姉妹は結構対照的で、お姉ちゃんはなんでも出来て、妹の自分にはそういう部分がなくて、ちょっと劣等感を感じたり、お姉ちゃんは障がいがあるから周りから特別に扱われていることを卑屈に思っていたりしています。でもそんな姉妹の役ですが、お芝居を離れたプライベートのオフの時間では、とても仲良くさせていただいてます。幡多弁は、最初に台本を読んだ時に、どういう意味?という言葉がいっぱいありましたが、まずは体に馴染ませることから入りました。普段のお芝居の作り方とは違って、音からまず入った感覚がありました。自然に出来るようになるには、苦戦しましたが、体に入って来るとどんどんグルーブ感が出て来て、今は楽しんで出来てます。地域に滞在しながら、生活しながら作品を作っていくのは初めてでした。こんなにも充実した時間になり、心置きなくお芝居に集中出来るのかと思い、東京に帰れるかなって思っています。

東風万智子(富田しおり役)
お客様のパワーをいただいて、作品が育ちより深くなる感じがあって、とても楽しく素敵な初日だったと思っております。私の役は、「障害を抱えながらも常に妹より優秀な姉」という役ですので、すごくプレッシャーを感じています。その役をどう演じ、どう表現しようということを常に考えて稽古をしていました。
喜美子とは対照的にいなきゃいけないという役割も大切ですが、しおりの気持ちを表現することもとても大切だと思っていて、また方言についても試行錯誤の毎日でした。たとえば、私の台詞で「やめて~」という台詞があって、とてもイントネーションが難しいんです。その幡多弁での言い方を竹田さんに稽古場で伺って、スマホで録音させていただき、何度も聴いていました。方言を大切にしつつ、気持ちも乗せたいので、そのバランスを取るのはすごく難しかったです。
可児は本当に過ごしやすく素敵なところで、美味しい食べ物がたくさんあって、パワーをいただいて元気になり、作品に集中することが出来ました。素敵な環境下で丁寧な作品作りができ、楽しく貴重な日々を過ごさせていただきました。

<記者会見レポ>

マキノノゾミ演出 舞台『いびしない愛』記者会見レポ

概要
ala Collectionシリーズ vol.15『いびしない愛』
日程・会場
可児公演 2024年10月9日(水)〜10月14日(月・祝) 可児市文化創造センターala・小劇場
東京公演 2024年10月25日(金)〜10月31日(木) 吉祥寺シアター
※長岡、宇都宮、枚方、丸亀 公演有り
作:竹田モモコ
演出:マキノノゾミ
出演
南沢奈央
東風万智子
佐藤祐基
内藤裕志
長江英和

公式ホームページ:https://kpac.or.jp/collection15/

企画・制作:公益財団法人可児市文化芸術振興財団