主演は小西遼生&EXILE NESMITH、髙橋颯&島太星の2チーム W主演リーディング・ミュージカル「アンドレ・デジール 最後の作品」開幕

2023年9月に初演を上演したミュージカル「アンドレ・デジール 最後の作品」は、日本のミュージカル界を牽引する脚本家の高橋亜子と演出家の鈴木裕美が、5年以上の年月を費やしてストーリーを練り、そこに気鋭の作曲家・清塚信也が加わり、創り上げたオリジナルミュージカル。

物語の出だしは現代のパリの美術館。歌、「美術館はまるでタイムマシン」と歌う。美術館の展示、絵画、彫刻、その時代や作者の息遣い、しばし、立ち止まる瞬間もある、それが美術館。一人の老人、杖をついており、かなりの高齢者。

ある絵画、ニット帽を被った若者が「アンドレ・デジール!すごい値段で落札されたんだ」と言う。老人は呟く「ジャン、本当に…俺たち二人で…」。
時は遡り、1960年。父は息子に言う「なぜ、自分の絵を描かない?才能はある。エミール、ただ、お前は弱すぎる」と。

父と息子。父は息子の才能を認めているが「お前は弱い」と言う。

エミール(小西遼生、髙橋颯(Wキャスト))絵の才能は目を見張るものがあるが、自分だけの絵はまだ描いていない。悩むエミール、彼は新しいことを求めていた、新しい場所、出会い、こと。場面変わり、別の青年が歌う、「命は流れ」と歌う。彼の名前はジャン(EXILE NESMITH 島太星(Wキャスト))、大画家アンドレ・デジールについて説明、アップテンポな楽曲で。

ジャンは、この大画家アンドレ・デジールを信奉していた、知識はすごい。そこへエミールがやってくる。彼はジャンの言葉に大興奮。「話を聞いて絵を描く気持ちが湧いてくる」と言う。そんな二人は意気投合する。ともに大画家アンドレ・デジールを信奉している、意見はぴったり。

そして彼が最後に描いた絵、事故で燃えたとされている幻の絵。「見てみたいな、最後の絵」、当然な欲求、希望。
ある日、エミールは触発されて踊り子の絵を描く。それはかの有名なドガの「踊り子」だ。いわゆる”贋作”、これがびっくりするくらいによく描けている。その絵に感銘を受けたジャンは、その絵を…これまたびっくりするくらいの高い高い値段で取引成功「3ヶ月分の稼ぎだ!」。

この1枚の絵から、波乱含みのストーリーが展開する、と言うのが大体の流れ。
二人の出会い、共通の”推し”、そしてビッグナンバーも多数。とりわけ「二人なら♪」と歌うあげる楽曲は共感を呼び、しかもメロディもキャッチーで覚えやすい。「二人なら描ける」「分かち合える、世界の美しさを」と歌う姿は明るく、希望に満ち溢れている。

そして、彼らの”推し”の画家、アンドレ・デジールの最後の絵、事故で燃えてしまった、誰も見ていない絵、これを描こうとする二人。時間が遡り、アンドレ・デジールのシーン、恋人と歌う、「二人なら」と。見えてくる彼らの愛と実像、観客の心にじんわり響く。そしてエミールとジャンの関係に変化が訪れる。天才画家、エミール、いや天才なだけではない、内なるエネルギーと想像力。その才能に惚れ込んだジャンの気持ち。己の存在を認めて共に過ごせたら思っているエミール、その才能をいかんなく発揮してほしいと願うジャンのすれ違い。そして”二人”、それはエミールとジャンだったり、アンドレ・デジールと恋人のマルセリーナだったりetc.繋がり方は違えど、ベースにあるのは”愛”と”思いやり”。

え?デジールの最後の絵が?!

また、ところどころに散りばめられたセリフや歌詞、哲学的だったり。”世界は騙されたがっている”、騙された方が幸せだったりすることもある。贋作をありがたいと思う人がいる、現実が見えない方がハッピーだったりする、ふと立ち止まって考えてしまう言葉。
人生は出会い、愛、テーマ曲とも言える楽曲、様々な場面で登場する、魂で繋がる関係、そして芸術、作品は作者の魂を感じる存在、だから感銘を受ける、だから後世まで残される。俳優陣は実力のある面々が揃い、その歌声がエモーショナル、セットは最小限、リーディングではあるが、スタンドマイクの前に立って、という形ではなく、アクティヴな”朗読”。

アンドレ・デジールの娘となのる人物がやってきて…。
若き日のアンドレ・デジールと恋人。幸せの絶頂の二人。

物語もフィクションのはずなのに、本当にそういう画家がいたかも?と思わせる。出だしと最後は現代。

絵を描きたいという衝動が抑えきれなくなって…。

すっかり高齢者(多分、後期高齢者)になったエミール、ラストはまばゆいばかりの光が見える終わり方、見応えのあるステージ、休憩なしの濃密な2時間15分。こぶりなミュージカルだが、グランドミュージカル並みの圧倒性を感じる出来栄え、公演は24日まで。

INTRODUCTION
20世紀初頭に不慮の死を遂げた大画家アンドレ・デジール。共にデジールを信奉していたエミールとジャンは、運命に導かれるように出会い、二人で一緒に絵を描くようになる。二人の魂は共鳴し合い、一人では到達できない芸術の高みへ登っていくことができた。
だがその絵の素晴らしさゆえに、二人は巧妙な贋作ビジネスに巻き込まれる。アンドレ・デジールが不慮の事故死の直前に描いたであろう「最後の作品」。それは事故で燃えてしまっており、絵画ファンの間で永遠の幻とされていた。その「最後の作品」を描くように依頼されたのだ。
アンドレ・デジールの「最後の作品」を巡り、別の時代に生きるデジールとエミールの人生が交差した時、思いも寄らない愛と真実が浮かび上がる。そしてエミールとジャンの関係は大きく変わっていく――

概要
公演名:リーディング・ミュージカル「アンドレ・デジール 最後の作品」
日程・会場:2024年11月20日(水)~11月24日(日) シアターH
スタッフ
脚本・作詞:高橋亜子
音楽:清塚信也
演出:鈴木裕美

キャスト
エミール:小西遼生 髙橋颯(Wキャスト)
ジャン:EXILE NESMITH 島太星(Wキャスト)
マルセリーナ 他:音くり寿 山口乃々華(Wキャスト)
ペイネ 他   :丸山龍星
ボードリエ 他 :柴一平
ルビエ 他   :坂元健児
オリアンヌ 他 :一路真輝
寺島レオン、ミファ

主催:World Code

公式HP:https://worldcode.co.jp/andredesir_rm/