開演前、ロビーは大賑わい。まるで年末の商店街のような賑わい。初日、客席はほぼ満席。
原作が落語なので、ハナシカ(岡森諦)が登場。落語らしいダジャレが随所に。歌を歌う、なんの歌かと思いきや「換気の歌」(笑)、客席は笑いに包まれ、”つかみはOK”。それから始まる。
12月、公民館で働く主任(高木トモユキ)と加藤(犬飼淳治)、どこにでもいそうな職員。2つのママさんコーラスグループ、名前が似てる!これを同じコーラスグループと勘違いしてやってはいけないダブルブッキング。名称は似てるが雰囲気は真逆(笑)。みたまコーラスガールズは”イケイケ”な雰囲気、対するみたまレディスコーラスはお行儀の良い感じ。二人は「一緒に出ればいい」、このいい加減な態度にマダムたちはご立腹。だが、このマダムたちと接しているうちに二人は少しずつ変わっていく、というのが大体の流れ。
原作が落語なので随所に細かい笑いや言葉遊びが散りばめられ、客席からは頻繁に笑いが起きる。コーラスを愛するマダムたち、音楽が生きる情熱。そんな彼女たちに触発されていく。彼らを取り巻く人々、みたま商店会(ネーミングがすごい)の面々、出前のシーンがあるが、本当にラーメンや餃子が出るので!また、時々登場するハナシカと得丸(鈴木利典)、この2キャラが登場するとファンタジックに。歌舞伎風なダンスも披露、これがなかなかに味があるので!岡森諦が鹿の精に扮するシーンがあるが、神様の使いとして縁起のいい動物。そんなところを頭に入れておくと俄然面白くなる。
もちろん、バッドエンドにはならないどころか、超大団円。年末の大合唱、タップダンスにふたつのコーラスグループのパフォーマンス、これが圧巻で、思わず聞き惚れてしまう。年末のすったもんだの大騒動は音楽の力で決着。年末は新宿のど真ん中で第九、公演は12月1日まで。
物語
年の瀬も押し迫る12月、冬休みも間近の公民館。そこで働く“主任”と“加藤”は、別々のママさんコーラスグループを同じグループと勘違いし、大晦日のコンサートホールをダブルブッキングしてしまう。 「どうせ素人のママさんコーラスだから」と2組のコーラスグループを同時に出演させようと交渉するが、そんな適当な態度にママさんたちは大激怒。どうしてそんなに怒るのかわからない2人は、その適当さがアダとなり、ほかにも次から次へと問題が発生。 しかし、問題に翻弄されながら、お金・家族・生活など、それぞれの理由を抱えながらもコーラスに情熱をかけるママさんたちの生き様を知っていく。そして、夢も希望もどこかにいってしまっていた2人も少しづつ、自分たちの業務の大切さに気付き始めるのだった・・・ 2人は、無事に“ママさん”たちの「歓喜の歌」を劇場に鳴り響かせることができるのか!? どこにでもいる、ごく普通に生きている人々の小さな夢を、劇作家・横内謙介氏が笑いと涙を交えて人情溢れる物語として描き下します。
<落語 歓喜の歌とは…>
ある年の大晦日に公民館で起きた一つの騒動を、志の輔流の切り口で笑えながらも人情味深く描かれた内容が反響を呼び、志の輔の新作落語の代表作として知られる。2004年の「志の輔らくご in パルコ vol.9」で初演された新作落語『歓喜の歌』では、落語演目が終わるとすぐに高座の後ろ幕が開き、雛壇に並んだ本物のママさんコーラスグループによって『歓喜の歌』が合唱された。
2004年 渋谷PARCO劇場「志の輔らくご in パルコ」にて新作落語として 初演
2008年 渋谷PARCO劇場「志の輔らくご in パルコ」上演
2008年2月 小林薫主演 松岡錠司監督で映画化
2008年9月 大泉洋主演 北海道テレビ放送製作でテレビドラマ化
概要
劇団扉座第78回公演『歓喜の歌』
日程・会場:
海老名
2024年11月24日(日)14:00 海老名市文化会館 大ホール ※公演終了
主催 海老名市文化会館/扉座
東京
紀伊國屋ホール開場60周年記念公演
2024年11月26日(火)~12月1日(日)新宿 紀伊國屋ホール
原作:立川志の輔
脚本・演出:横内謙介
出演
岡森 諦 有馬自由 犬飼淳治 累央 鈴木利典 上原健太 高木トモユキ 新原 武 松原海児 野田翔太 山川大貴 小川 蓮 翁長志樹 彌永拓志 執行巧真 土岐倫太郎 挽田悠誠 守 敦也 中原三千代 伴 美奈子 鈴木里沙 藤田直美 砂田桃子 小笠原 彩 北村由海 菊地 歩 佐々木このみ 大川亜耶 久我音寧
音楽監督・作曲:深沢桂子
編曲:村井一帆
扉座公式サイト:http://tobiraza.co.jp/