医師・中村哲が遺した⽣涯の活動をテーマに、「⽣きること」の本質を問うオリジナル⾳楽劇『⽣きるということ 〜The Meaning of Life〜』が、`25年4⽉25⽇と26⽇に、吉祥寺 ROCK JOINT GBにて上演。
作品は中村医師の⼈⽣を凝縮した劇場版ドキュメンタリー『荒野に希望の灯をともす』(監督・撮影:⾕津賢⼆⽒)からインスピレーションを受け、中井智彦が脚本・演出・出演を⼿掛けるオリジナル新作音楽劇。
中村哲医師は、アフガニスタンで戦乱や干ばつに苦しむ人々を救うためには医療だけでは限界があると痛感し、誤解や障害に晒されながらも、水路を作り、土地を潤し、農作物を蘇らせ、多くの命を救った。戦争や干ばつに苦しむアフガニスタンの人々を救うために、中村医師は医療の枠を超えて水路建設というプロジェクトに挑み、多くの困難を乗り越えながらも土地を潤し命を懸け続けましたが、志半ばで凶弾に倒れた。
彼の行動が示した「平和」と「共存」の姿勢は私たちに「生きる」ということの本質を問いかけている。
本作では上野哲也・中井智彦・樋口祥久氏が、中村医師と彼を?えたアフガニスタンの人々、そして取り巻く社会情勢を演じ、シリアスかつユーモアが織りなすステージ構成で医師の想いに敬意を込めた舞台。
劇中歌「生きるということ」*LIVE 映像
上野哲也(出演:中村哲医師役)より
『荒野に希望の灯をともす』というドキュメンタリー映画で、スクリーンに映る中村哲さんの 眼差しを⾒た時「やっぱりこれでいいんだ」と⼼の声がしたのを覚えています。互いに信頼し あった中で⽣まれる⼼の交流を⼤切にしている中村哲さんの姿に、とても共感しました。そし て、⾃分もそんな⼈⽣を送ろうと映画を観て思っていた時に、この作品の出演のお話を頂きました。いざ⾃分が演じるとなるとプレッシャーを感じますが、⼀つ⼀つのことを本番までやる ことに集中したいと思っています。演じるにあたっては、等⾝⼤を⼤切にしたいと思っていま す。今や誰もが認める偉⼈ですが、ご本⼈にとってアフガニスタンでの⽇々は楽しいこともあったかと思いますが、苦しいことの多い⽇々でもあったと思います。投げ出したくなるようなことからも逃げずにやり抜くことができた核みたいなものを⾒つけて、演じることができたら良 いなと思っています。
中井智彦(脚本・演出・出演)より
なぜ、中村哲さんを題材にした作品を作ろうと思ったのか?その説明のために、まず僕が好きな舞台作品を並べさせてください。『RENT』『Come from Away』『American Utopia』などなど…、⽣きている時代そのものを切り取って⼈間の尊さを訴えかけるような作品です。そんな作品を作りたいと思い続けていたところで出会ったのが、中村哲医師を題材にした映画『荒野に希望の灯をともす』でした。鑑賞後に僕の⼼に強く刻まれた「⽣きるということ」の尊さを台詞と歌、そしてダンスという僕の⼤好きなフィールドで表現したい。この想いをカタチにしないと、僕は表現者として⼀⽣後悔すると感じ、脚本を書き進めました。側にいるその⼈と向き合って話し合い、尊重し合う事を⼤切にし、どんなに困難な状況下でも平和への意思を曲げずにとつとつと貫き続ける姿の尊さ。間違った⾒解であっても、「みんなが⾔っている」という理由で意⾒が過⼤評価されたり、SNS で炎上してしまう今の世の中に、僕が⼀番叫びたい事を中村哲医師の平和への祈りと共に、敬意を込めて舞台にします。沢⼭の⽅に僕が感じた⼈間の尊さをお届けできるように全力で挑みます。
樋⼝祥久(振付・出演)より
ミュージカル『ナイツ・テイル〜騎⼠物語〜』の初演で中井智彦さんと知り合ってから表現者として交流をし続けています。中井さんオリジナルのミュージカル『ワタシノコト』の創作は本当に楽しくて刺激的で、多くのことを学ばせていただきました。次の創作物は中村哲医師を題材とした作品と聞き、改めて中井さんの創作意欲の⾼さと、常にアンテナを張り巡らせている情報収集能⼒に圧倒されました。上野哲也さんを中村哲医師役にキャスティングされたと話を聞いた時は、ハマり役すぎてちょっと笑ってしまいました。今回のクリエイティブチームはワタシノコトのバンドメンバーに加えて、⾃分が尊敬するダンサーの⽶島史⼦さんも加わります。彼⼥とどんなムーブメントを作り出せるのでしょうか。中井さんがどのような役として⾳楽劇『⽣きるということ』の舞台に⽴ち、アーティストとして、どのように舞台をクリエイトしていくのか今から楽しみでなりません。
あらすじ
都内のとあるライブハウスで開かれている中井智彦のトーク&ライブにゲストとして招かれた友⼈の上野哲也。和やかな雰囲気で盛り上がる中、上野は「最近⼼が揺さぶられた出来事」として、中村哲医師について熱く語り始めます。そんなトーク&ライブから数⽇経ったある⽇、喫茶店で談笑する上野と中井。上野は思い⽴つように「中村哲医師の⽣涯を脚本として描いてみないか」と熱い視線で中井に持ちかけます。それをきっかけに中村哲医師の⽣涯を調べ始める中井。「平和」と「共存」を⽣涯かけて追求した中村哲医師の⾏動や⾔葉からは、今もなお戦争が続く世の中において、今、私たちどう⽣きていくべきなのかを、深く問いかけてきます。
概要
会期会場:2025年4月25日 26日. 吉祥寺 ROCK JOINT GB
出演:上野哲也/中井智彦/樋口祥久
演奏:長濱司(ピアノ)/成尾憲治(ギター)/西原史織(ヴァイオリン・ベース)
脚本・演出:中井智彦
音楽:長濱司
振付:樋口祥久/米島史子
音響・照明:吉祥寺ROCK JOINT GB
制作:upcoming