多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科の卒業生・在学生を中心として活動を広げる、創作カンパニー〈 人となり 〉。2024年秋に旗揚げ、全回満員御礼を賜り大成功を収めた第1回公演『番(つがい)』を経て、ニューメンバーを迎え入れる。没後100年の芥川龍之介「蜘蛛の糸」を原案とした舞踊と演劇を織り交ぜた作品3つのアンソロジーを全5回、キーノート・シアター(日暮里)にて上演。
2025年に没後100年、生誕135年を迎える芥川龍之介。その鋭い心理描写と独特の文体は、純文学を代表する文豪として知られている。本公演では芥川が1918年に描いた初の児童文学作品「蜘蛛の糸」を原案とする。�
「うてな」は植物の蕾、特に花が開く直前の状態を指す言葉である。また「まだ開かない・内に秘められた状態」をも象徴し、「蜘蛛の糸」の中では釈迦の前に現れる花のイメージとともに「うてな」が使われている。物語における「人の善行」や「救い」などの重要な意味を持つ。
2024年晩秋、旗揚げ公演を満員御礼に収めた創作カンパニー〈人となり〉。第2回公演では芥川龍之介の他、日本を代表する文豪たちに主眼を置く。彼らが短い生涯の中で向き合い続けた、人間の内面に宿る「生と死」「善と悪」「無常」というテーマを色濃く操り「蜘蛛の糸」に込められた仏教的な視点の道徳的ジレンマや心の葛藤を現代的に演劇+舞踊の世界に反映させ、〈人となり〉の芸術作品として落とし込んでいく。さらには観劇対象年齢を下げ、「蜘蛛の糸」「羅生門」をはじめとした芥川作品の履修にかかる小学校高学年〜中学生へ届ける作風とする。原案に描かれる精神的苦悩と人間の内面的な心の動きを新たな劇作品として描き直し、劇作を舞台照明の光と影の対比で視覚化する。観劇後も深い余韻が残るような音楽と音響、演出、美術、衣裳、宣伝美術で『蕚』を表現していく。
概要
人となり 第2回公演
『蕚(うてな)』
日程・会場:2025年2月22日(土)〜2月23日(日) 全5公演 キーノート・シアター
作:日髙来哉
演出:泉虎太郎
プロデュース:井上花音