作・演出 田村孝裕 ONEOR8「誕生の日」上演中

ONEOR8「誕生の日」が好評上演中だ。
「誕生の日」は、2020年に初演。自己肯定感が低く、女性としての生き方を諦めた木村加寿美が主人公。その生活や生き様を描く。

作・演出の田村よりコメントが到着。
「人間関係の中に潜む無意識や無自覚、その残酷さをどうにか言葉に、台詞に、物語に、と挑んだ作品…初演の時からつい先日までそう思っていました。しかし稽古が始まり、芝居のアップデートを試みているうちに、人間関係よりも”個“としての生き方や自意識に焦点が当たるようになっていきました。人は誰しもコンプレックスを持っています。それとどう向き合い、どう折り合いをつけるのか…そんな物語になりました。登場人物たちはそれぞれのコンプレックスに蓋をしながら社会生活や友人関係を築いています。その蓋が外れてしまったとき、どんな選択をするのか。特に主人公である加寿美がアップデートする瞬間をぜひ劇場でご覧いただければと思います。下北沢ザ・スズナリでお待ちしています。」

あらすじ
木村加寿美、39歳、独身、恋愛経験なし。幼い頃から男の子に見間違われ、母が着せるかわいい服を拒むようになった。思春期に女性としての自我が芽生えるものの、いつしか自分を押し殺し、友人たちに合わせる性格に。クラスメイトである秋山に恋をしたが、もちろんその気持ちは押し殺した。人生で恋をしたのはこの一度きりである。社会に出ると、性別を超えた存在として男女問わず友達が増え、その容姿は完全なおっさんになった。女性としての生き方を諦めたこと以外は順風満帆と言える人生で、30歳のとき、加寿美は念願であった自分の店(バー)を開店。友人たちの計らいで店の10周年と加寿美の40歳を記念してパーティが開かれることとなると、そこへ秋山もやってくる。久々の再会に、昔の想いが沸々と湧き上がる加寿美。物語は高校時代の淡い恋とパーティが同時進行し、加寿美が今まで押し殺してきた“本当の自分”が顔を出す。新たな木村加寿美の、誕生の瞬間。

概要
日程・会場:2025 年 1 月 23 日(木)〜2 月 2 日(日) 下北沢ザ・スズナリ
作・演出:田村孝裕
出演:恩田隆一 冨田直美 山口森広 / 矢部太郎 /
西山竜一 平塚真介 罍陽子 根本大介 鶴町憲 工藤さや 篠原彩
(スウィング公演キャスト 服部容子/水野創平)
劇団サイト: https://wp.oneor8.net/

撮影:保坂萌