「シアターシャイニング」舞台化始動!劇団シャイニング from うたの☆プリンスさまっ♪『ポラリス』開幕レポート

2018年9月13日(木)に「劇団シャイニング from うたの☆プリンスさまっ♪『ポラリス』」がAiiA 2.5 Theater Tokyoにて開幕した。

女性向けコンテンツ「うたの☆プリンスさまっ♪」(通称:うた☆プリ)が“劇団”をテーマに展開する舞台公演プロジェクト「劇団シャイニング」。2017年からの公演で大きな話題を呼んだ劇団シャイニングが、新たに“映画”をテーマとした「シアターシャイニング」シリーズ4作を舞台化する。本作はその第1弾作品。

遠い未来。地球は宇宙からの侵略者・エネミーにより滅亡の危機に晒されていた。人類は、エネミーから地球を守るため、人型兵器「ヒューマノイドアームズ」を生み出し、搭乗するパイロットを育成すべく、地球防衛組織「シャイニングユニバース」を設立した。「シャイニングユニバース」のトップチームに所属するパイロット候補生、トキヤ・イチノセ(松村龍之介)、ナツキ・シノミヤ(山川宗一郎)、セシル・アイジマ(横井翔二郎)。

ゲネプロは、鳴り響くエマージェンシー・コールの中、SF感ある操縦席からトキヤ、ナツキ、セシルの登場よりスタート。洗練されたフォルムのヒューマノイドアームズの映像とともに、緊迫感のある展開が繰り広げられる。そして、流れるようにオープニングへと入ると、ミュージックをバックに次々とキャラクターが登場し、パイロットスーツに身を包んだ3人が三者三様の武器を手にエネミーとの殺陣を披露。“映画”のオープニングを彷彿させるシーンの連続が、これから始まる激闘を予感させる。

物語は、トキヤたち3人が総司令官エンゲルバーグ・イチノセ(和泉宗兵)の指導のもと、共に訓練を重ねながらも、ぶつかり合い、協調がとれずにいた彼らのチームにある日、新人パイロット候補生、ヒロ・サニーライン(安里勇哉)が配属されることから始まる。ヒロの加入をきっかけに、3人はそれぞれに抱えていた思いや葛藤と正面から向かい合うことになる。時を同じくして、レグスター・サクラバ(柏木佑介)が率いる二番手チームにも、新人パイロット候補生、ラプラス・カールソン(石渡真修)が配属される。そんな中、学園の片隅では、人知れずある異変がおこりはじめる……。

自分に厳しく、他人にも厳しいストイックなトキヤ・イチノセ、心優しい天才パイロット候補生のナツキ・シノミヤ、平和主義でムードメーカーのセシル・アイジマ。ナツキはシンパシー率が高く、セシルはプレコグニション値という数値が高いという特殊な力を持つ2人に対して、特殊な能力を持たない努力の天才であるトキヤ。それもあり、厳しいからこそ不器用なトキヤは友好的なナツキとセシルにも、ぶつかり合ってしまう。

松村はキリッとした険しい表情を見せながらも、心の奥底に秘めた思いから素直になれないトキヤを演じきる。柔和で真面目らしい姿の山川はその所作からも優しさがあふれ出ており、横井はムードメーカーらしく魅力的な笑顔の数々で魅せる。彼ら3人の関係が新人パイロット候補生の加入により、どう変わっていくのかというのが、本作の見どころの一つとなっている。

トキヤたち3人の関係のキーパーソンとなるヒロ。真っ直ぐな性格のヒロを演じる安里は物語に明るさをもたらしているが、終盤にかけて見せる彼の覚悟は必見だ。さらに、トキヤの性格を形成した一因でもある総司令官エンゲルバーグを演じる和泉は、若手中心の本作をキリリと締めるダンディーで頼れる存在となっている。

そして、二番手チームにも見どころ満載。リーダーのレグスターを演じる柏木はコミカルでありながら熱い男を好演。ラプラス演じる石渡は女性ファンが黄色い声をあげそうな登場シーンで笑いを誘い、飄々とした演技を見せる。2人はシリアスなドラマの中にも笑いをもたらしているが、物語中盤からの予想外の展開により、彼らにも熱く悲しいドラマが待っている。

本作では、パイロットスーツ、武器、小道具などSF作品らしい世界観の表現についても、細部へのこだわりを感じる。斜幕に映し出される数々の映像の中でも、トキヤたち3人とリンクした動きをするヒューマノイドアームズの映像は、SFロボット作品とも思える格好良さがある。

また、ナツキとセシルの能力は物語上、重要なポイントとなっていることにもぜひ注目して欲しい。2人の能力名など難解とも思えるSF用語ではあるが、劇中内でちゃんと説明があるため、初めて本作を観るという方にも心配はないので安心して観に行って欲しい。

舞台の最後はもちろんレビューコーナー。山川のレビュー初登場や、3人構成によるレビューが初めての松村と横井。今までの公演におけるレビューとはまた違った面を出しながらも、劇団シャイニングファンなら盛り上がること間違いなしのレビューとなっている。

なお、ゲネプロ前の囲み会見には松村、山川、横井の3名が登壇して挨拶を行った。

松村:「うたの☆プリンスさまっ♪」というコンテンツを含めて、すごく楽しみにされている方が多いと思います。それは出演している僕たちもそうですし、この作品をやると決まった時から、楽しみにしていた作品でもあります。より多くの期待と楽しみにしている気持ちを、良い意味で裏切るようなお芝居をしたいと思っています。アクション、映像、照明と五感で楽しめる作品となっていて、エンターテインメントとしてすごく素敵な作品になっています。最後まで楽しんで頂けたらと思いますし、必ず満足させます!

山川:今日、初日を迎えてすごいドキドキしています。SF作品ではありますが人間ドラマとしても楽しめる作品だと思います。お客様も、仲間とか家族、恋人や友達だったり、そういう自分が感情移入できる部分があると思うので、そこを見ていただきたいです。

横井:劇団シャイニングを今まで応援してくださったおかげで、シアターシャイニングの舞台化というところまで、たどり着くことができました。それは本当にこの作品を愛し、支えてくださった皆様のおかげだと思っています。皆様の期待を遙かに上回るようなものを作れるよう稽古してきましたので、本当に心の底から全開で楽しむ用意と、ペンライトを忘れずに劇場にいらして頂ければと思います。

また、本公演のBru-ray&DVDが2019年5月25日(土)に発売決定。また、発売を記念し、松村、山川、横井が出演するイベントも開催される予定となっている。

【公演概要】
タイトル:劇団シャイニング from うたの☆プリンスさまっ♪『ポラリス』
東京公演:2018年9月13日(木)~9月23日(日)
会場:AiiA 2.5 Theater Tokyo
大阪公演:2018年10月5日(金)~10月8日(月・祝)
会場:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
出演:トキヤ・イチノセ:松村龍之介、ナツキ・シノミヤ:山川宗一郎、セシル・アイジマ:横井翔二郎
ラプラス・カールソン:石渡真修、エンゲルバーグ・イチノセ:和泉宗兵、レグスター・サクラバ:柏木佑介 / ヒロ・サニーライン:安里勇哉 ほか
原案:「うたの☆プリンスさまっ♪ シアターシャイニング『ポラリス』」
演出・脚本:ほさかよう(空想組曲)/音楽:Elements Garden
主催:劇団シャイニング
<チケット取り扱い>
イープラス: http://eplus.jp/gs-polaris
<公式ホームページ>
URL:http://gs-polaris.com/  公式Twitter:@gekidan_shining

(c)劇団シャイニング

取材・文:櫻井宏充