舞台「信長の野望・大志 -冬の陣-〜騎虎の白塩編〜」 製作発表会

歴史シミュレーションゲームのパイオニアにして今なお伝説をつくり続ける『信長の野望』。本年5月には 東京・渋谷のCBGK シブゲキ!!にて初めて舞台化し、好評のうちに終幕した。原作である、コーエーテク モゲームスより2017年に発売された最新タイトル「信長の野望・大志」との完全連動舞台で、本作の特徴であ る多元視点のWサイドストーリーはより作品の深みや面白みを増幅させ、ファン納得の舞台であった。そしてこの度、前作からの続編 にあたる「信長の野望•大志 -冬の陣-~騎虎の白塩編~」を、<SIDE織田・徳川>、<SIDE武田・上杉>の Wサイドストーリーで11月8日よりシアター1010(北千住)にて上演することに。

意欲的な作品、9月19日、製作発表会が執り行われた。まずは映像が流れ、それから壮大な音楽、キャスト3名、彦摩呂(今井宗久役)、田中 れいな(お市役)、鶏冠井 孝介(織田信長役)が舞台衣装で登壇した。着用の衣装について彦摩呂は「痩せたので衣装が大きい!」と笑わせた。鶏冠井 孝介は「前回は汗だくでした。衣装がグレードアップしました!」とコメント、確かに装飾が増えている!そして田中れいなに向かって「きれいですよ」と言い、田中れいなは「はいはい♪」と早くも息のあった掛け合い。田中れいなは「衣装が裾が長いので踏んじゃったりしてました」と着物ならではの苦労をコメント。

MCの笹木 香利(お橋役)から「前回公演の手応え」を聞かれて鶏冠井 孝介は「台本読むまでは想像できなくって・・・・・・平成の記憶を持っている織田信長、このゲームそのままで」とコメント。彦摩呂は「ゲームに登場させていただいて・・・・・しかもまるまる、この顔です!舞台では重要な脇役、ストーリーテラーという大任でした。なんか乗り切ったなという思い出を再演で!」と意気込んだ。田中れいなは「セリフの量がすごくあったわけじゃないのに覚えが悪くって(笑)、普段使わない言葉が多くって苦戦しました」といわゆる“時代劇”ならでは難しさを吐露した。

また前回公演についてさらに「殺陣のシーンが凄まじくって!迫力がやばくって!戦国時代の人がいるような・・・・・・感動するシーンがたくさんあった」と振り返る。彦摩呂は「れいなちゃんの歌!時はそよ風のように、「時は情熱的に・・・・・」とコメントし、それを受けて田中れいなは「同じ曲で『どうしよう』と思ったんですが、同じ歌でも最初は盛大に、友に向かって歌う時は『愛している』という気持ちで、エンディングも・・・・」と言い、今回は前回のその後なので「言ったもん勝ちなので!」と前置きし、「今回は兄上を応援する歌を歌いたいと思います!」と宣言(ちなみに現時点ではそういう予定はない)!さて本当に『言ったもん勝ち』になったかどうかは劇場で確かめる!より他にはない!歌ということで鶏冠井 孝介は「れいなちゃんの歌をバックに戦うシーンは!」かなり感動的な場面、きっと今回も!と期待。

それから映像で前回公演のダイジェストシーンが流れた。鶏冠井 孝介は「まだ4か月しか経ってないのに懐かしい・・・・・」としみじみ。

それから脚本・演出の久保田 唱からWサイドストーリーについて説明があった。ゲーム原作によくある『マルチエンディング』との相違点であるが、最後の結末が異なるのが『マルチエンディング』、ところがWサイドストーリーは「最初と最後は同じですが、“こちら側ではこうだったけど、裏側ではこういうことが起こっている”ということで、2つ観ると3つ知ったかのような感覚。台本は2冊あります。稽古も同じシーンをやっていてもページが違うので、各々2冊持っている状態」とコメント。つまり時系列は同じでも“こっち”で何かが起こっている時、同時に“そっち”ではこんなことになっている、という状態をWで見せる、ルートで見せる、ということ。そこで彦摩呂が「グルメ界ではWバーガーとかありますが(笑)、180ページある台本が2冊、全然違う、2つの目線っていうよりも、立体的!未だかつてないこと!」と言い、鶏冠井 孝介も「稽古も倍、結果も倍でやりがいがある。『片方見て、もう片方見ると3つ目が見える』と(観劇した方に)言われた」とコメント。彦摩呂も「友達が『あれ見たら反対も見たい!』って言って・・・・・」と補足説明。観劇する側にとってはなかなか魅力的なWサイドストーリーということ。田中れいなも「最初はちょっと混乱したんですが・・・・・織田SIDEはお兄ちゃんがいるので全然違うんです」とさらに補足説明。

それから鶏冠井 孝介は演出の久保田 唱と一緒に織田信長ゆかりの地に行ってきたそうで、そのVTRが披露された。神社に行きおみくじを引いたら・・・・・なんと大吉!それから清洲城に行くも・・・・・・・まさかの休館日!それから有名な桶狭間にも足を伸ばした模様だが、そこでVTRはぷっつりと終わり!「殿なのに休館日で入れなかった!」と笑いを誘った。しかし「織田信長と同じ道をたどったのは感慨深かった」とコメント。なお、桶狭間には今川義元の墓もあるそう。

それから今回の公演で重要な役を演じる3人が登場、根本 正勝(上杉謙信役)、友常 勇気(武田勝頼役)、竹石 悟朗(徳川家康役)。オファーされた時の感想を聞かれて友常 勇気は「歴史ある作品で光栄」とコメント、根本 正勝は「上杉謙信という役は一度はやってみたいと思っていました。それで縁を感じています」と語る。竹石 悟朗は「家康という役は名優と呼ばれる人が演じていますので、プレッシャーも」とコメント。それからVTRで登壇できなかったキャストからのコメントが流れた。武田信玄役の堀川りょうは「ゲームの中のオリジナルな武田信玄、自然体で臨みたい」と抱負を語る。浪(なみ)役の仙石みなみは「戦国時代に憧れてて、出させていただき、この上なく幸せ。素敵な戦国の世を一致団結して!」とコメント。船(せん)役の根岸愛は「(オファーされた時は)着物着れるんだ!ハキハキした女性なので、ハキハキ頑張っていきたい!」と元気良く。VTRが終わり、友常 勇気は「堀川さんの信玄、僕の勝頼、親子関係を表現できたら」とコメント、演出家から補足説明があり、浪(なみ)という女性は侍女で近くで信玄を支えた女性でお仙の方の姉に当たり、信玄を愛した女性と言われているそう。この解説に対して根本正勝は「すごくためになるお話」と語る。さらに「(仙石みなみが)憧れの武将は伊達、織田と言ってたので、上杉の魅力を知ってもらおうと(笑)」と笑わせた。最後に締めの意気込み「『もし、あの時』の『もし』があります。その『もし』を体現できるのが『信長の野望』です」(鶏冠井 孝介)「お市に負けないようにブロマイドでたくさん武器、持ってます(笑)、皆さんに来てよかったなと思える舞台に!新曲、楽しみです!」(田中れいな)「『ピタゴラスや!!!!』とハマっている役になっていると思います!『平成の記憶を持った』信長、さじ加減一つでうまく演じています!」(彦摩呂)また演出家から「(彦摩呂さんが)階段、登りやすいようにしています」と追加コメント。それから鶏冠井 孝介が締めで「皆の者、出陣じゃー!!!!!」全員で「オー!!!!」と元気良く締めて会見は終了し、和やかなフォトセッション。その後に簡単な囲み会見も執り行われた。

鶏冠井 孝介は「原作の人気も高く、その舞台化、素晴らしいメンバー、脚本、演出」とコメント。前回公演も好評のうちに終了したので、この第2弾に対するファンの期待値も大きいことであろう。初参加の友常 勇気は「諸先輩の胸を借りるつもりで」と言い根本正勝も「1作目あっての2作目」と言う。竹石吾朗は「2つのストーリーってなかなかない。もっと深く掘り下げて」と言い演出の久保田唱も「いろいろなものを作り込んで」とかなりボリューム感のある舞台になりそう。彦摩呂は「昼公演、夜公演、間違わないように、その緊張感が・・・・」と語る。それから、今回の公演中に田中れいなはなんと誕生日を迎えるそうで今から「よろしくお願いしまーーす♪」と笑いを。最後に鶏冠井 孝介は「たくさんのお客様に観ていただきた!」と締めてくれた。公演は11月8日から、『信長の野望』の舞台版、新たな幕が上がる!

<キャスト> ★=新キャスト

[織田家]
織田信長 鶏冠井孝介
お市 田中れいな
明智光秀 谷佳樹
木下秀吉 後藤健流
ねね 大鳥れい
前田利家 八巻貴紀
竹中半兵衛 黒貴
柴田勝家 鵜飼主水
佐久間信盛 岡田隆之介
丹羽長秀 中村ヒロユキ
★森長可 竹内寿
★前野長康 矢野たけし
帰蝶 高宗歩未
★茶々 橋本瑠果

[徳川家]
徳川家康 竹石悟朗
井伊直虎 緒月遠麻
酒井忠次 大海将一郎
石川数正 石渡真修
★本多忠勝 川上将大
★榊原康政 霜月紫
瞼(まぶた) 香音有希

[武田家]
★武田勝頼 友常勇気
★おりゑの方 小嶋菜月
★真田昌幸 菊田大輔
★真田信綱 山本誠大
★山県昌景 神坐慶
★穴山信君 辻畑利紀
★源兵衛 千葉瑞己
★武田信玄 堀川りょう

[上杉家]
★上杉謙信 根本正勝
★浪(なみ) 仙石みなみ
★樋口(直江)兼続 宮澤佑
★直江信綱 高﨑俊吾
★船(せん) 根岸愛

[その他の勢力]
足利義昭 加藤凛太郎

★本願寺顕如 吉田宗洋

今井宗久 彦摩呂
お橋 笹木香利
お焦 荒澤守

【公演概要】

『信長の野望・大志 -冬の陣-王道執行 ~騎虎の白塩編~』

日程:
2018年11月8日(木)~11月12日(月)
場所:
シアター1010
公式サイト:http://www.nobunaga-stage.com
公式ツイッター:@nobunagastage

取材・文:Hiromi Koh