
三宅裕司を座長とした、「熱海五郎一座 新橋演舞場シリーズ第 11 弾 東京喜劇『黄昏のリストランテ〜復讐はラストオーダーのあとで〜』」が開幕。ゲストは羽田美智子&剛力彩芽。いつものメンバー、座長の三宅裕司をはじめ、コント赤信号の渡辺正行、ラサール石井、三宅の盟友・小倉久寛、落語芸術協会会長で『笑点』司会の春風亭昇太、東京の喜劇人のDNAを受け継ぐ東貴博と相方の深沢邦之が交互出演とまさに東京喜劇のオールスターズが集結。
東京の笑いである“軽演劇”を上演すべく、2004 年に旗揚げしたのが「伊東四朗一座」。その東京喜劇を伝承すべく、三宅が中心となって 2006 年に旗揚げしたのが“伊東”ならぬ“熱海” “四朗”ならぬ“五郎”で「熱海五郎一座」。これまでアドリブや一発ギャグなどの瞬間芸ではなく、練り上げられた台本とその設定の中でそれぞれが役柄をきちんと演じることで生まれる笑いを作り上げてきた。
2014年に新橋演舞場へ進出し、毎年多くのお客様を大爆笑の渦に巻き込んできたが、昨年演舞場シリーズ10回目の記念公演に伊東四朗と松下由樹を迎え、全公演満席大盛況で終幕。今年は一座旗揚げから21年目、演舞場シリーズ 11回目、心あらたに例年以上にパワーアップした抱腹絶倒の東京喜劇!
公演の前に簡単な会見とフォトコールが行われた。
まず、三宅裕司から見どころなどの解説。「作家とも相談して、全員の見どころが均等にあるというふうに作っておりますので、見どころは順番に出てくるという感じになってます」とコメントし、続けて「羽田さんの天然ボケ…そういう役作りがどこまですごいものになっているのか、それから剛力さんのクールでありながら、突然素晴らしいダンスを見せてくれたりとか、アクションシーンあったりとか、その辺がこの2人が中心に見どころになっています」と語った。フォトコール、冒頭部分だったが、早くもキャラクター炸裂。
また、今の心境を聞かれて羽田美智子は「毎日この日本の喜劇界のレジェンド、本当に人間国宝のような皆様と一緒に稽古をしていただいて、毎日が本当楽しくて、笑い砕けそうな日々を過ごしておりました。こうやって話題に真摯に向き合って、お客さんを笑顔にするって最高の仕事じゃないかなっていうことを考えながら過ごした1ヶ月でした。すごく楽しい世界、その中の一員になるのがとっても幸せだと思って、今日初日を迎えさせていただきます。」と語る。
剛力彩芽も「稽古期間中もすごい楽しくて、ただやっぱり笑いっていうものって本当に改めて難しいなって」と喜劇の難しさを語り、「本当に皆さんそれぞれの個性があってエネルギーがあって、ただ稽古場でもそれだけエネルギーがあるってことはちょっと不安だと言っておきながら、さらに笑い声だったりとか…皆様の笑顔を見たら、皆さんと連携パワーアップするんだろうって…ドキドキ感もありますが、今回は私もしっかり踊らせていただきますので、そこは私なりにうまく見せられたらいいなと思います。楽しさや温かさをお届けできるように頑張りたいです」と抱負を。
それから質疑応答、今回、ゲストが女優2名ということについて三宅裕司は「羽田さんがボケであったとしたら、もう1人はシャープなツッコミという形で…この2人の空気感というのは物すごく面白いなとという形にしたかった、笑顔の素敵な2人の女優さん、そして今言った対照的なボケとツッコミじゃありませんのでクールな感じのお2人ということで、2人にしました、笑顔の素敵な2人の女優さんです」と語る。
さらに鋭い質問、セリフについては三宅裕司は「アドリブはほとんどありませんが、年齢的にもかなり高齢になっておりまして、どうしてもセリフが出てないとき…もう全員で助け合い」とコメント、セリフが出てこない時こそ”助け合い”の精神。
また、羽田美智子はこの熱海五郎一座の観劇が好きで毎年観ていたそう、「ずっと客席から見るものだと思っていて、もう本当楽しくて、1年に一度笑い吹き飛ばして何かこれからも頑張ろうと思わせてもらえる舞台だっていう位置づけだったんですけど」と言い、先の伊東四朗ゲスト出演の時ももちろん観劇。「椅子から立ち上げないぐらい感動してしまってもうなんか笑わせてくれて泣かせてくれてなんて最高!」とコメント。そんな羽田美智子のところへ出演オファー、「椅子からひっくり返るぐらいにびっくりした」といい、「すごく怖かったです、尊敬する伊東四朗さんに相談したら『あの舞台に立つといい、みんなすごくいいメンバーだからここでみっちゃんの姿も早く見たかった』と言ってくださり、援護射撃なので、勇気を振り絞って挑戦してよかったなって」とオファー当時を振り返った。剛力彩芽も「喜劇は一番難しい」と言いつつ「人を楽しませるのが前提、とにかく難しい、私自身も挑戦っていう感覚です」と決意を新たに。
また、羽田美智子は「もうちょっと嘘でしょってセリフがいろいろあって、これはどうしようも真面目に言えないと思って(笑)」とコメント、どんなセリフが飛び出すのかは劇場で。また、東貴博が羽田の言い間違いを暴露「一座」を「一味」と言い間違いしていた様子で、これには一同、大笑い。さらに「悪い人たちみたい。そういうことをずっとおっしゃってましたよね(笑)」と東が言えば、羽田は「みなさんもちょいちょいありますよね?」と言ったところ、東から「飛び抜けてますよ」と言われ、さらに大きな笑いが起こった。取材会だけでも面白い、本番はどうなることやら。
最後に意気込み
深沢邦之「個人的にそんな意気込みがあるかって言われると別に普通に淡々と楽しいです。世相が閉塞的だったり、個人主義だったり、いろんなつらい状況がある中で、ちょっとした失敗が糾弾されて立場を失ったり、そういう世の中ですけども、この座組は失敗することで、三宅座長を始め一丸となって、何か違うものに変化していくというそういう楽しさがあるので、ぜひそこら辺も見ていただきたいなと思っております」
東貴博「毎年といいますか私の課題、もうこの座組始まってからずっともう20何年も前説を担当してまして。今日特に初日なので、ここでちょっとお客さんに乗っていただいて、役者も乗れるように…」
春風亭昇太「僕自身がもう歳をとってきてる…最近ちょっとした時間があるとすぐ寝てしまう…気張らずやっていきたいな思ってます」
小倉久寛「楽しくて、本番もうどんだけパワーアップするんだろう。パワーアップできればそう思っております」
ラサール石井「私は昨日ですね前歯が突然欠けてしまいました。今朝、銀座の歯医者さんに入れていただいて、まだ麻酔がとけてないのですが、本番までには大丈夫かと」
渡辺正行「老人ホームのお話を聞いてるようで…。初日を控えまして、わくわくドキドキという雰囲気でございます。剛力さん、大変しっかりしてらっしゃいまして、セリフを忘れたときは必ずきちっと教えてくれる(笑)。羽田さんはもう面白いですね」
剛力彩芽「皆様に来て直接観ていただいけるっていうのは何よりも幸せなことだなって思いますまず。物語はもちろん観て欲しいんですけど、ただ純粋に見に来ていただけるだけで楽しめる作品になってると思いますし、まずは本当に素直に笑っていただいて。さらにいろんな視点から見ていただいて、本当にいろんな形でいろんな楽しめるだけになっているんじゃないかなと思います。皆様に来てくださる皆様が上がってくださると、きっとカンパニーのみんなもメンバーもさらに、よりハッピーで幸せに。皆さんいっぱいぜひ足を運んでいただけたらと思います」
羽田美智子「何か宝船に乗ってる気がするんですね。大きな船ではなく宝船。レストランの舞台なんですけど三ツ星を取るかどうかという部分で、とにかくその料理は1個1個美味しい、アペタイザーから始まって、食前酒も全て全て美味しくてデザートまで美味しい舞台なので、ぜひ劇場に来てフルコースを、満足して帰っていただけたらなっていう思い私も一生懸命準備しますので、ぜひ!」
三宅裕司「新橋演舞場シリーズ第10回記念公演(熱海五郎一座 新橋演舞場シリーズ第10回記念公演 東京喜劇「スマイル フォーエバー ~ちょいワル淑女と愛の魔法~」)、伊東四朗さんと松下由樹さんがゲストででも大変たくさんのお客様に見ていただいて。何か去年で一座は終わったんだって思ってる方がですね、結構多くて、またやってくれるんですか。すごく嬉しいですという声がたくさん寄せられたというのを劇場の方から伺いまして。終わってないよというのをね、伝えなきゃいけないなと。ぜひたくさんの人に見ていただきたい、ぜひたくさんの人に伝えていただきたいと思います」


会見の後はフォトコール、冒頭部分が公開された。回り舞台でホール(客席)と厨房の場面がスピーディーに展開。

厨房の様子はストンプとタップシューズの音でリズミカルに表現。そして物語の発端の部分、ソムリエ(春風亭昇太)が可笑しい、大丈夫なのか?!と言いたくなる(笑)。そして飲食店であってはならないことが起こる!!さあ、大変。そこへ農林水産省のお役人が、花道から迫り上がって!カッコつけて登場、拍手。そして事の真相を確かめるべく乗り込む。

渡辺正行のセリフが!最近TVを賑わせている、あのお米問題、すっかり有名になった失言も飛び出し!さあ、どうする?!その先は劇場で、公演は27日まで新橋演舞場にて。

<製作発表会レポ>
概要
会期会場:2025年6月2日(月)~27日(金) 新橋演舞場
作:吉高寿男
出演・構成・演出:三宅裕司
出演:渡辺正行、ラサール石井、小倉久寛、春風亭昇太、東 貴博(交互出演)、深沢邦之(交互出演)
ゲスト出演:羽田美智子、剛力彩芽