Shake&Speare!!Stage 宮川彬良×木村龍之介 『ナツユメ』開幕

Shake&Speare!!Stage 宮川彬良×木村龍之介『ナツユメ』が6月6日よりKAAT神奈川芸術劇場の大スタジオで開幕。
400年前にシェイクスピアが見たであろう世界とこれから訪れるであろう未来の世界を、最新のAI技術を用いて表現する全く新しい「夏の夜の夢」。
数々の演劇賞の栄冠を手にし、ミュージカル界の鬼才とうたわれる宮川彬良が音楽を担当。脚本・演出にはシェイクスピア作品を多く手掛ける木村龍之介。最新技術を駆使したAIアバターとして、作中に登場する白石加代子。演劇界のレジェンドが最新鋭のAIキャラクターと化した姿はみどころのひとつ。
始まる前から俳優が1人、ストレッチをしたり、ヨガのポーズをしたり。前説はパックの声、「皆さーん、聞こえてますか〜」と呼びかける。作品の説明、「みんなで一緒に旅をしましょう!」と語りかけ、そして…なんと…上演中のスマホOK、トイレも行きたくなったらOK、そして「夢と恋とロボットと演劇と!」「夢で会いましょう!」そして始まる。舞台上のセット、ベッド、冷蔵庫、カラフルな提灯、客席の壁面にも。POPで楽しそうな印象。

シャツにキャラクター名が書いてあるのでわかりやすい。

中央のベッドに寝ている人、目覚まし時計が鳴る、止める(誰もがやってる)、起きる。「人間が人間になったのはいつからか」「人間とロボットの違いは?」と問いかける。シャツには「ヘレナ」と書かれている、「私はアンドロイドのヘレナ!」「AI、エーアイ!愛!」「夢にdive!」

恋敵、ヘレナとハーミア、ベッドとソファ。

夏の夜の”夢”、シェイクスピアの「夏の夜の夢」に登場するキャラクター、シャツに名前が書いてあるのでわかりやすい、何より、今風な言葉に現代ならではの”モノ”、そもそもヘレナがアンドロイド、会話の中に「ネット依存リア充」「どうせ顔は加工するから」などなど。会話のテンポ感も早い、早い、トントンと進んでいく。そして…白石加代子が!なんとAIアバター出演!すっかり”キャラ”、パペットも出てきて賑やか、客席にも来るので、絡まれたら、素直に絡み返そう(笑)。展開もオチもわかっているはずなのに、ついつい引き込まれる”マジック”、わちゃわちゃ感が、もうカオスで、そこがなんとも言えず、面白く、笑える。ただ、原作の「夏の夜の夢」自体も妖精やら若い男女の恋のもつれやら職人、アテネの公爵にアマゾン国の女王とバラエティ豊かなキャラクターがわんさか、元々がカオス(笑)。

ベッドには…。頭上は…白石加代子さんのAIアバター

現代のテクノロジー、我々はそれを当たり前と思っている節もあるが、翻ってこのシェイクスピアの時代の人々はこの現代を創造し得ただろうか?もし、この時代の人が現代にタイムスリップしたら、現代のテクノロジーを”魔法”と思うだろう。シェイクスピアの登場人物をAIが演じる、これは近未来かもしれない。そして物語には魔法がわんさか、テクノロジーと魔法、「テクノロジーと魔法、そもそも違うだろう」という人もいるかもしれない。だが、見方を変えるとテクノロジーも魔法も一種の奇跡と言えるかもしれない。奇跡と魔法とテクノロジーがカオスになった時、喜劇が生まれる。

賑やか、ロボットも。

俳優陣がとにかく楽しそう。歌を歌ったり、右往左往したり、その様子だけでもシンプルに楽しい。またヘレナはアンドロイドなので、叩かれても、むしろ叩いた方が(笑)。演劇は究極のアナログ、その演劇でテクノロジーを描き、魔法を描く、だから面白い、だから想像力が広がる。シェイクスピアの時代、日本では関ヶ原の時代から江戸幕府へと時代が大きく変わるタイミング。そんな時代に書かれた戯曲、そこにテクノロジー、AI、最先端技術のことを盛り込む、全く真逆に感じるかもしれないが、実はそうでもない、そこに何か壁があるわけではない、実は壁も何もないかもしれない。だから自由、そしてカタカナで「ナツユメ」。
音楽は宮川彬良、舞台上にピアノ、俳優陣の動き、演技を見ながら弾くピアノ、楽曲もノンジャンル、阿吽の呼吸でピアノを弾く、音楽と芝居が一体化、その瞬間が心地よい。見終わったら、投稿しよう、#ナツユメ2025。
公演は6日からそして8日まで。劇場の近くは中華街、ここもカオス。

<木村龍之介インタビュー記事>

Shake&Speare!!Stage 宮川彬良×木村龍之介 『ナツユメ』脚本・演出:木村龍之介インタビュー

<イントロダクション>
人類という一夜の幻を、AIの少女は夢に見た
ロボットは、夢を見てはならない。
恋に堕ちてはならない。
芝居をしてはならない。
―――それでも、AIの少女は夢を見た。
恋に惑い、芝居に酔い、魔法にかけられた、ひとりの「少女」の物語。
シェイクスピアを演じるロボットが生まれたとき、人間も、妖精も、ロボットも踊り出す!―――
​テクノロジーと幻想の魔法が交差する、新たな『夏の夜の夢』。
シェイクスピア × AIが織りなす、『ナツユメ』、開幕。
この体験に、あなたは何を夢見る?

概要
日程・会場:2025年6月6日(金)~8日(日)KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ
原作:ウィリアム・シェイクスピア『夏の夜の夢』(松岡和子 訳)
音楽:宮川彬良
脚本・演出:木村龍之介
出演:
宮川安利 日下七海 沢栁優大 加藤ひろたか(劇団「柿喰う客」) 町田水城(はえぎわ)
宮川誠司 神谷敷樹麗 / 我膳導 / 白石加代子(AIアバター出演)
スタッフ
照明:根来直義(Top.gear) 音響:島貫聡 音響協力:大園康司 美術:松岡泉
舞台監督:株式会社URAK 映像収録:株式会社カラーズ
協力:劇団「柿喰う客」/はえぎわ/ワハハ本舗
当日運営:土屋竣暉 制作:八木井里緒/田村恭子 アシスタントプロデューサー:小野明日香
プロデューサー:木村龍之介/谷渕寿江

問合:『ナツユメ』制作:natsuyume2025@gmail.com

公式HP:https://www.natsuyume2025.com/ 

写真撮影:山田まり子