
「日本の演劇人を育てるプロジェクト」新進劇団育成公演寺山修司生誕90年記念認定事業PSYCHOSIS『盲人書簡◉上海篇』が7月24日から30日までザムザ阿佐谷にて上演される。
「日本の演劇人を育てるプロジェクト」新進劇団育成公演とは、演劇界を牽引すると期待される劇団(結成15年以内)を育成する事業。
2025年はオルタナ系演劇部PSYCHOSISが選出、過去には幻魔怪奇劇『DGURA MAGRA-ドグラ・マグラ-』を始め、津山三十人殺しをモデルにした『TSUYAMA30』、葛飾北斎がナチスと戦う『HOKUSAI And The Dr.Caligari』など、アバンギャルドな作品を上演し続けており、今回の『盲人書簡◉上海篇』は2023年に上演した『疫病流行記』に次ぐ2回目の寺山修司作品となる。
『疫病流行記』に続き漫画家の上野顕太郎がイラストを担当し、演出の森永理科が大胆にデザインした不穏さ満点のフライヤーは話題となっている。
今回も全ての配役をオープンオーディションで決め、個性的で様々な世代のキャストが集結した。
江戸川乱歩作品のキャラクターが登場し、現実と虚構の境界線が曖昧となる今作の主演はPSYCHOSIS國崎馨。盲目となって上海租界を彷徨う「少年探偵団」小林芳雄役だ。謎の女賊・黒蜥蜴役に永野希。小林を翻弄する身許引受人・明智小五郎役に福地教光。家庭教師役に脚本家でもある麻草郁が登場する。
PSYCHOSISの特徴のひとつが徹底した音楽と演劇との融合であるが、今回音楽を担当するのは、予てよりPSYCHOSISの音像空間劇の音楽を担当している長嶌寛幸と自身が所属するバンドDowser。テクノ、ジャズ、アンビエント、ロック、アシッドハウスなどなど、様々な登場人物と共に音楽も縦横無尽に舞台を駆け巡るだろう。演出の森永は「インダストリアルな舞台空間に暗闇と光を駆使した演出を目指しています。環境、親、性、友、未来から目を瞑り続ける少年の物語を見届けてください。」とコメントした。
チケットはカンフェティにて発売中。
なお、来場者特典として黒服で来場の際にはキャストのヴィジュアルが並んだランダムポストカードが配布される予定。
PSYCHOSISについて
PSYCHOSIS= サイコシス。
2020年12月森永理科を中心に、高田ゆか、國崎馨と結成。
2021年7月旗揚げ公演 幻魔怪奇劇『DGURA MAGRA―ドグラ・マグラ―』を上演。
80年代小劇場ブームの中、過激さとロマンチシズム溢れる異端の詩劇を次々に発表した、高取英の戯曲を現代にも残す事を目的とする他、寺山修司、夢野久作、谷崎潤一郎作品にも取り組んでいる。
アンダーグラウンドの精神を背骨に入れつつ、壊して回るオルタナ系演劇部。
コンセプトは『See the Darkness, to know the Darkness(闇を知るために闇をのぞく)』
現在メンバーは元気な6人。
演出:森永理科
演出家・俳優・歌手・声優・デザイナー
Ex.月蝕歌劇団。2018年高取英逝去後、月蝕歌劇団にて演劇実験室◉万有引力J・A・シーザーの師事の下、演出を始める。その後、劇団PSYCHOSISを旗揚げ。
声優やバンド活動の他、デザイナーとしても活動。ネビュラエンタープライズ主催『おちらしさんアワード2023 舞台版』で第一位を獲得。
音楽:長嶌寛幸
東京藝術大学大学院映像研究科 映画専攻 サウンドデザイン領域 教授。
主な映画作品には石井聰亙『エンジェル・ダスト』、大友克洋『メモリーズ エピソード3~大砲の街』、青山真治『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』、万田邦敏『接吻』、篠崎誠『SHARING』、高橋洋『恐怖』、濱口竜介『The Depths』、『2018年平昌パラリンピック公式映画』などがある。また、『Dowser』としての活動も行っている。
イントロダクション
目かくしすれば誰でも王国に行くことができました。
この劇は、「見えない演劇」であり、半分は真暗闇で上演される。闇が観客から「光を奪う」のであっては無意味である。われわれは観客に「闇を与える」ことによって、もう一つの世界状態を生成するのである。
概要
「日本の演劇人を育てるプロジェクト」新進劇団育成公演
寺山修司生誕90年記念認定事業
PSYCHOSIS『盲人書簡◉上海篇』
言葉:寺山修司
日程・会場:2025年7月24日(木)~7月30日(水)
ザムザ阿佐谷
構成・演出:森永理科(PSYCHOSIS)
音楽:長嶌寛幸/Dowser
絵:上野顕太郎
出演
高田ゆか/國崎馨/小坂知子/南雲美香/嬉野ゆう/大島朋恵(りくろあれ)/永野希/油絵博士/福地教光/武田治香(深海洋燈)/麻草郁/仲良挨拶/鳥居志歩/松永彩羽/斎藤ゆう(劇団ペトリコール社)/るい乃あゆ/高橋弘幸/大津澄怜(八角家)/三坂知絵子/森永理科
(出演決まった順)
スタッフ
音響プラン:大貫誉(SE SYSTEM)
音響オペ:加藤一博(深海洋燈)
音響監修:國崎晋(RITTOR BASE)
照明:松田桂一
写真:イマイトシヒロ
舞台美術:深海洋燈
制作部:高田ゆか/嬉野ゆう
撮影・編集:studioGIFT
衣装:Praesepe/りくろあれ
演出助手:國崎馨
MERCH:小坂知子
劇場協力:ザムザ阿佐谷
広告デザイン:森永理科
アシスタントプロデューサー:イビケイコ
プロデューサー:森永理科
スーパーバイザー:流山児祥(流山児★事務所)
制作協力:PSYCHOSIS
主催・制作:公益社団法人日本劇団協議会
助成:文化庁芸術文化振興費補助金(舞台等総合支援事業(芸術家等人材育成))|独立行政法人日本芸術文化振興会