
舞台「シーボルト父子伝~蒼い目のサムライ~」の最新作が7月10日より博品館劇場にて上演。
およそ200年前に長崎の出島に来航したフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトは有名であるが、その息子アレキサンデル、ハインリッヒのシーボルト兄弟が父の遺志を継いで日本政府に奉職し、幕末明治の志士たちと日本の未来の為に走したことは余り知られていない。
そんな実際にあった物語を 2020年、コロナウィルスという誰にも想像の付かない災厄の中で壊滅的な被害を受ける演劇界に光を残し、そして言い知れぬ不安を抱える日本人に演劇が希望を与えられる作品として、映画も大ヒットした<99.9刑事専門弁護士>シリーズやく任侠学園><民>など数々の映画、ドラマを世に送り出した木村ひさし監督を総合演出に、主人公の“ハインリッピ”を演じる2002準ミスインターナショナル日本代表でありつかこうへい門下の鳳恵弥、鳳の先輩であり日本を代表する名優渡辺裕之、主題歌&挿入歌、劇中音楽を担当する爆風スランプのパッパラー河合が選び、初演(2020)、再演(2021)、再々演(2022)、新作公演(2023、2024)と毎年公演を重ねてきた。
今年の新作公演はハインリッヒが西洋人として初めてアイヌ民族の集落に長期滞在した1878年の夏から白人社会による侵略と迫害に抗い奇跡の利を得た日露戦争までを中心に、父シーボルトの時代は来年200周年を迎える江戸参府とその際に起こった『いわゆるシーボルト事件』についても子孫の方と日本シーボルト協会を中心とした研究者の最新研究をもとにした新事実を描いていく。
鳳の演じる主人公ハインリッヒの幼年期を元AKB48の市川美織、初演再演でアレキサンデルを演じた塩谷瞬、再演で兄弟の強大なライバル、アーネスト・サトウを演じたパッファロー吾郎の竹若元博、更に渡辺裕之、辰巳琢郎、京本政樹と日本を代表する名優たちが繋いできた大役『シーボルト』役にはヨーロッパで生まれ日本に帰化、俳優としてはNHK朝ドラくカムカムエブリバディ>で主人公の恋人役、大河ドラマ<どうする家康>で三浦接針を演じたリアル『蒼い目のサムライ』村雨辰剛を迎える。
<2024年レポ記事>
<2022年レポ記事>
<2021年レポ記事>
シーボルト兄弟について
父の再来日に同行をしたアレキサンデルは、父の帰国後も日本に残りパリ万博の便節団に随行、その行程では渋沢栄一など後の明治政府を支える傑物たちに語学や西洋事情を教えるなど交友を深め、その帰路で弟ハインリッヒを連れて来日。その後にシーボルト兄弟は各国との条約改正やジュネーブ条約への調印を経た日本赤十字社の設立、大国ロシアとの緊張を高める中でヨーロッパ諸国でのロビイスト活動を展開し、戦費調達、そこからに繋がる大戦への勝利を得るなど外交面で大いに活躍をし、さらに研究分野においても父の跡を引き継いだハインリッヒは考古学者としては大森貝塚など様々な遺跡を発掘、著書『考古説略』において日本で初めて考古学という名称を用いた。また、2人の異母姉である楠本イネも姉を慕う兄弟の協力をもって築地にて日本人女性として初の産院を営み、宮内省御用掛となっている。医学、外交、民俗学、博物学など多くの分野に精通し活躍をしたシーボルトであったが、その血は子供たちに脈々と引き継がれ、父の愛した日本の為に生き抜いた。
概要
舞台「シーボルト父子伝~蒼い目のサムライ~」最新作公演
日程・会場:2025年7月10日~7月13日銀座博品館劇場
原案・企画/関口忠相(日本シーボルト協会会長/シーボルト子孫)
総監修/木村ひさし、
音楽&出演/パッパラー河合(爆風スランプ)
出演/鳳恵弥、市川美織、竹若元博、村雨辰剛、塩谷瞬 他
公式X:https://x.com/siebold_fushi