
東ちづるプロデュースの、義⾜、⾞イス、こびと、ダウン症、ろう、トランスジェンダー、ドラァグクイーンなど、ユニークな特性のプロパフォーマー集団「まぜこぜ⼀座」の記者会見が都内で行われた。
「まぜこぜ⼀座」の公演タイトルは“楽しい⽇本をめざす”という石破総理の年頭の施政⽅針演説も記憶に新しいところ。そこで誰もが楽しめる社会をめざして、「楽しい⽇本で SHOW!?」というサブタイトルを掲げることにしたそう。公演は7月27日。ゲストは、作家で「こわれ者の祭典」代表の⽉乃光司さん(20代半ばからアルコール依存症を患い死の淵を彷徨うが、精神科病院⼊院や⾃助グループへの参加により健康を回復し、社会⼈として⽣活を送る)。
また、映画「まぜこぜ⼀座殺⼈事件 ~まつりのあとのあとのまつり~」の配信も開始される。開始日は「まぜこぜ⼀座」公演の⽇。このコメディサスペンス映画は、北海道から宮古島まで約40劇場で上映。その反響のおかげで、U-NEXT などでの配信が決まった。
特性豊かなキャストは、『東京 2020 オリパラ』の開閉式や公式映像、『⼤阪・関⻄万博』などでも活躍。観てない人はもちろん、観た人も!
取材会に登壇したのは東ちづる(Get in touch 代表)、エスムラルダ(ドラァグクイーン・ライター・脚本家・歌⼿・俳優)、マメ山田(コメディアン、タレント、マジシャン、俳優)、⼤橋弘枝(ろうの俳優・演出家・デフリンピックセレモニー演出)、⼤前光市(義⾜のダンサー・⾝体表現者)、三ツ矢雄二(声優・マルチクリエイター)。
最初に代表の東ちづるの挨拶。旗揚げの経緯を説明、「まぜこぜの世界を目指して」、つまり、どんな人でも自由で平等、それをエンターテイメントに。「見せもの小屋のような、サーカスのような様々な人のパフォーマーを…毎年舞台公演をしています」と語る。
旗揚げは2017年。当時の公演ビデオが会場で流された。ほんの少しであったが、誰もが楽しめる舞台であることがよくわかる。そしてこの一座の目標が「解散すること」、”え?!”と思われるかもしれないが、つまり、全ての人、障害も何も関係なくフラットになった世界になったら、まぜこぜ一座の役割は終わる、という意味。「活動が要らなくなるまで」と東ちづる。
それから1人ずつ登壇者が舞台に。まずは三ツ矢雄二、自己紹介、「なんでもやってます」とのこと。それから、マメ山田、「マメちゃんでーす」と挨拶。それから登壇したのは大前光市。「24歳で交通事故に遭い、足を…」といい「その前はバレエダンサーを目指していました」とコメント、つまり元々はいわゆる”健常者”だったが事故で足を失い、義足となった。
そしてエスムラルダ、妖艶なドレス姿、映画の構成を手がけている。なぜ手がけたのか、というのは東曰く「当事者でないとわからないから」。
また、今回、昨年公開の映画が舞台公演日の27日に配信されるが、その背景がパラリンピック、高い評価、そして映画自体も北海道から沖縄まで公開され、多くの観客の注目を集めた。
少しずつ、確実に活動を認知させる努力が実を結んだ結果だ。東ちづるは「エンターテイメントはワクワクがないと…『頑張って』ってよく言われますが、頑張りたくないです」と言い、三ツ矢雄二は「舞台公演は一過性のものなので、ぜひ足を運んでいただいて、もっともっと応援してもらいたいです」と呼びかけ、マメ山田「27日、よろしくお願い致します!」、大前光市「楽しいのでぜひ!」、エスムラルダ「映画配信も舞台も!」と全力アピール。東ちづるは「朗読も楽しいので」と補足アピール。
楽しく、わいわいとフォトセッション、そのあと、三ツ矢雄二は「『LGBTQ+』、昔はそういう言葉もなく、隠していました。もっと『LGBTQ+』もストレートな方たちと同じように生活できたら…同性婚は誰にも迷惑はかけません」と言い、東ちづるは「健常者はいない、病気している、障がい者、カテコライズしていること自体はおかしいです。これをエンタメで伝えて行くしかないです」と締めくくって会見は終了した。
「まぜこぜ⼀座」とは
⽇本のエンターティンメントがアップデートすれば、「まぜこぜの社会」の実現をめざせると信じて、2017 年に品川プリンスホテルで旗揚げ。
私たちの社会は、すでに多様な特性の私たちで構成されているのに、「共⽣社会をめざす」とか、「多様性を理解」とか「受け⼊れる」って、おかしくない?というメッセージを投げ続けて8年⽬。
<映画『まぜこぜ一座殺人事件〜まつりのあとのあとのまつり〜』会見レポ>
映画「まぜこぜ⼀座殺⼈事件〜まつりのあとのあとのまつり〜」(字幕・⾳声ガイド対応作品)
予告編
映画 公式サイト:https://mazekoze-matsuri.com/
概要
日程・会場:2025年7月27日 渋谷文化総合センター
出演:まぜこぜ一座