神野美伽主演 舞台「『SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE』~ハイヒールとつけまつげ~」開幕

神野美伽主演 舞台「『SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE』~ハイヒールとつけまつげ~」が開幕。
舞台中央に笠置シヅ子が所属していたレコード会社のレコード、まずはバンドが舞台上に、そして音合わせ、コンサートの始まり、演奏。それから戦後すぐのパンパン(戦後混乱期の日本で、主として在日米軍将兵を相手にした街娼)が登場、はすっぱなな印象、地味な服装の笠置シヅ子が登場し、パンパンに日劇のチケットを渡そうとするも、怪しまれる。無理もない、ガード下で子供をおぶっている女性がスーパースターとは普通思わない。それから、パッと衣装がかわり、華やかなステージ衣装に。

ガード下でパンパンに出会う笠置シヅ子。
日劇のチケットをパンパンに渡すが…。
シズ子、少女(笑)。帽子と三つ編みで。

笠置シヅ子の波瀾万丈の人生、歌が好き、ステージが好き、宝塚歌劇団を受験するも背が低すぎて落ちる。そして松竹歌劇団に入る。朝ドラを視聴していたなら、ここの流れはわかるだろう。昭和を代表する作曲家・服部良一との出会い、これがなかったら、これだけの数の名曲は生まれなかっただろう。

圧倒的な歌唱力と表現力、神野美伽が体現する。劇中コンサート、これが虚構なのかリアルなのか、この曖昧さが楽しい。クラップも自然に起こる、ここは昭和の日劇、ステージ全体が笠置シヅ子のワンマンショーの様相、そして芝居、1幕で笠置シヅ子の弟が登場、赤紙がくる。

ラスト、『大空の弟』歌唱、この曲は、長いこと、発見されていなかった。近年、この舞台を制作するために様々な資料を集めている時に偶然、見つかったという。ここは胸に響く。数々の笠置シヅ子と服部良一が生み出した楽曲の数々、ノスタルジックさと新しさと斬新さが同居する。
スクリーンに「昭和○○年」の文字、その時代の写真などが映し出され、笠置シヅ子が生きた時代に想いを馳せる。

軍部に見張られて歌う。

戦時中は軍に目をつけられ、歌唱するも、手振り身振りにいちいち文句をつける軍部、そういう時代でも心折れなかった笠置シヅ子。

また、吉本穎右(よしもとえいすけ)とのエピソード、歌手としてだけでなく、1人の女性としての恋愛もあり、その生き様は共感と感動を呼ぶ。披露される楽曲は全て名曲、名曲しか生み出さない服部良一の偉大さ。

加藤虎ノ介、福本雄樹、九条ジョー、鈴木杏樹は複数役を演じるが、皆、芸達者で観ていて楽しく、テンポも良い。神野美伽の歌唱力は言うまでもないが、芝居の方もしっかり。また、作品に、笠置シヅ子に惚れ込み、入れ込んでいるのもよくわかる、もう当たり役。

アンコール曲は『ラッパと娘』、朝ドラで聴いたことがある、と言う観客は多いと思うが、改めてそのメロディが染み渡る。公演は8月1日から11日までIMM THEATERにて上演。

神野美伽×マキノノゾミ クロストーク

神野美伽×マキノノゾミ 舞台「『SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE』~ハイヒールとつけまつげ~」クロストーク

概要
日程・会場:2025年8月1日〜8月11日 IMM THEATER(東京ドームシティ内)

アフタートーク スペシャル対談ゲスト
☆8月2日(土)18:00回終演後 ⟪マキノノゾミ(脚本家) × 白井晃(演出家)⟫
☆8月4日(月)18:30回終演後 ⟪白井晃(演出家) × 服部隆之(作曲家)⟫
☆8月5日(火)18:00回終演後 ⟪國村隼(俳優) × キムラ緑子(俳優)⟫
※8月7日(木)、9日(土) 各日18:00回終演後のアフタートークゲストは近日発表

脚本:マキノノゾミ
演出:白井晃
企画・プロデュース:尾中美紀子/オフィス100%
音楽監督:小原孝
出演:神野美伽
加藤虎ノ介 福本雄樹 九条ジョー 鈴木杏樹
〈ミュージシャン〉
小原孝 (Piano)
ASA-CHANG(Drums)
竹中俊二(Guitar)
小松悠人(Trumpet)※8/1~7出演
河原真彩(Trumpet)※8/8~11出演
宮崎佳彦(Saxophone)
西村健司(Trombone)
主催:LIVE FORWARD
企画・プロデュース:オフィス100%
制作:吉本興業/よしもとブロ-ドエンタテインメント

WEB:https://sizukoboogie.yoshimoto.co.jp
神野美伽公式サイト:https://shinno-mika.com