
ミュージカル『コレット』が東京・日本青年館ホールにて開幕。その後、大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演される。
20世紀初頭のパリを舞台に、信念を貫き、自らの道を切り開いた、シドニー=ガブリエル・コレットの物語。その波乱に満ちた人生をオリジナル・ミュージカルとして上演。
フランス文学界で最も高名な女性作家の一人、コレット。自著『ジジ』を舞台化する際に当時無名のオードリー・ヘプバーンを主役に抜擢し一躍スターにした立役者。コレットを演じるのは、同じくミュージカル界で道を切り開き、輝き続ける明日海りお。そのほか、様々な作品で存在感を放つ今井朋彦(ウィリー役)、舞台・映像で活躍し透明感で魅了するCLASS SEVENの大東立樹(ベルトラン役)、宝塚歌劇団宙組・星組男役スターとして活躍後、舞台や音楽活動で活躍する七海ひろき(ミッシー役)、数々のミュージカルで作品を高みに作り上げる吉野圭吾(アンリ役)、元宝塚歌劇団花組トップ娘役で、現在は舞台・テレビを中心に女優として活躍する花乃まりあ(メグ役)、そして、映画・TVに多数出演し第一線で活躍し続ける前田美波里(シド役)という、豪華面々の出演が決まった。 G2がオリジナル脚本・作詞・演出を手掛け、互いに信頼を寄せる荻野清子による音楽で物語を紡ぐ。

華やかなオープニング、1893年、コレットは年上のウィリーと結婚。この時点ではコレットは三つ編み、無垢で純粋、笑顔で結婚したが、夫は、とんだ食わせ者。スピーディーに場面は次から次へと。ウィリーはコレットの才能に気づく、金になると。処女出版された『クロディーヌ』シリーズは、夫の筆名ヴィリー名義で世に送り出された。創作する喜びを知るコレット。自由で自分の思うがままに考え、行動、心折れるような場面に遭遇しても、これをモノともせずに突き進んでいく様子は、なかなか痛快かつ清々しい。ベルトランは主に語り部役として物語を観客にわかりやすく提示する。ウィリーは眼光鋭い。金と名誉と地位、そのためにはなんでも利用できるものは利用する策士、さらに浮気者。コレットの”相手”、ミッシー、公爵夫人で男装の麗人、トランスジェンダー。


また、アンリとの出会い、これも彼女にとっては大きな出会い、結婚。時折、母親が登場するが、娘への深い愛、それに対して娘も母に温かい眼差しを向ける、親子の絆は深い。

起伏の激しい人生でもしっかりと歩くコレット、いわゆる『波瀾万丈の人生』だが、その一言では片付けられない。そして彼女を取り巻く人々もまた、個性的。肩書きは作家、舞台俳優、ジャーナリスト。多才で多彩なコレット。

アートなダンスや目眩く楽曲、時代の空気感も舞台上で醸し出され、彼女の人生を観るだけでなく、そこから見える作品テーマは観客の心に刺さる。2幕もので、上演時間は約2時間50分。東京は17日まで。大阪は21日から24日まで。
ゲネプロ前に取材会が行われた。
登壇したのは、明日海りお、今井朋彦、大東立樹 (CLASS SEVEN)、七海ひろき、前田美波里。
まずは挨拶。
明日海りお「新作のオリジナルミュージカル、もう0から…段取りもそうですが、いただいた曲を自分たちの世界観の中にに落とし込んで、どう広げていくか…1から作り上げたものがようやく皆様に観ていただけるのが、楽しみです。でもその前に、まずは安全確認しながら、的確に自分のやりたいことを…頑張りたいと思います」
今井朋彦「もう楽しみしかありません。このカンパニーは、この先を良くするためにどうすればいいか自分が何ができるか。ということを本当に全員が常に考えている。常に自分の意見を持ち寄ってもっとこうした方がいいんじゃないかした方がいいんじゃないかってことをみんなで言い合える。そういう稽古期間を過ごしてまいりました。今日のゲネプロそして明日の本番とみんなで意見を出し合ってみんなで作り上げた、その作品の成果が現れる。信じてます。その中に自分がいられることがとても楽しみにしています」
前田美波里「日本が誇る創作ミュージカルができました…外国のことだから難しいところがたくさんございますが、その日本語の良さ、外国の方が『日本で見てるんです』っていうぐらい、凝った作品ではないかなと思いました」
大東立樹「スタッフさんもキャストの皆さんも素敵な方々なので、身を委ねる気持ちで。身を委ねて頑張りたい一心です。お芝居のことは今井さんが全部教えてくださいました(そういう嘘はいけません。by今井)お楽しみください」
七海ひろき「早くお届けしたいなという気持ちでいっぱいです。ミュージカル曲、フランスの雰囲気、おしゃれ。ぜひお芝居もミュージカルも楽しんでいただけたら」
役作りで苦労したことを聞かれて明日海りおは「ほぼ実話なんですけど、信じられないことばっかりの連続。その半生をギュッと2時間半にしているので、展開がとにかく早い。気持ちの高まりみたいなものは、いつも舞台に立つものの、3倍ぐらいの気持ちでやらないといけないなと思ってそこは苦労してます」と言い、今井朋彦は「(舞台は)自分1人で作るものではないので、僕が関わる舞台上に関わる方と半分ずつ共同で役を作るというんでしょうか。逆に僕の役はどういうふうに見えるのかなという感想を聞くのが今は楽しいなと」とコメント。前田美波里は「そのまま生きていきたいと思うような人、あの時代にこういうことをした、でもそれが本当にあった…最先端をいってる作品なのではないかなと思います」と語る。大東立樹は「実は三役させていただくんですが、それぞれキャラクターがすごく濃いので、同じ人だってならないように。ベルトランに関しては、その語ってる最中の感情もしっかり」とコメント。
七海ひろきは「私の演じるミッシー、コレットを支えて愛している役。(明日海りおとは)同期なので、それが舞台上に出ないように、『初めまして』の感じをちゃんと出すように」と語り、それに対して明日海りおも「同期の方と同じ舞台に立つっていうのも、貴重な体験。若い時から知ってる絶対的な安心感。何か困ったことがあれば相談いつでもし合えるし、頼れる人がいる、すごく心強いです。お互い思ったこと、指摘しあったり。カイちゃん(七海)の芝居の熱量がすごく刺さる、毎回涙してしまうシーンがあります」
大東立樹は明日海りおの『エリザベート』のルドルフを観ていたそう「初めてお会いした時は”ガクブル”しちゃって(笑)変な接し方をしてしまって…。でも本当に優しく接してくださって。年下の僕に対しても、すごいフランクに接してくださって」と感激を。それに対して明日海りおは「こちらこそです。知っててくださってたんだっていうことにもびっくりしました。大人たちにすごく気を遣ってくれるのがものすごく上手で、会話の広げ方、愛され方がすごく上手、見習いたいなと(大東立樹、恐縮)」
最後にPR。
明日海りお「ミュージカルコレットもG2さんが書き上げられて、素敵なミュージカルに、清子さんがすごく素敵な音楽をつけてくださいました。振り付けも藤林美沙さんが1人で全部つけてくださって。みんなで意見を出し合い、心を込めて作ってきたミュージカルです。『コレット』の世界をお楽しみいただければと思います。劇場にいらしてください」と呼びかけて会見は終了した。
あらすじ
19世紀末、ベル・エポックのパリ。田舎町で育ったコレットは、14歳年上の人気作家ウィリーと結婚し、華やかな社交界に足を踏み入れる。彼女の才能に気づいたウィリーはゴーストライターとして小説を書かせ、「クロディーヌ」シリーズは大ヒット。しかし、著者名は夫のもの。創作の歓びと葛藤に苦しみながらも、コレットは自らの道を切り開いていく――
概要
タイトル: ミュージカル『コレット』
会期会場:
東京:2025年8月6日(水)~ 8月17日(日) 日本青年館ホール
大阪:2025年8月21日(木)~ 8月24日(日) 梅田芸術劇場メインホール
脚本・作詞・演出: G2
音楽: 荻野清子
出演者:
明日海りお
今井朋彦 大東立樹 (CLASS SEVEN) 七海ひろき
吉野圭吾 花乃まりあ
前田美波里
大月さゆ 可知寛子 中西勝之
辰巳智秋 小林遼介 コイタ奈央美 りんたろう 伊宮理恵 ユーリック武蔵 蛭薙ありさ
スタッフ:振付:藤林美沙 美術:伊藤雅子 照明:倉本泰史 音響:秋山正大 衣裳:生澤美子 ヘアメイク:富岡克之 歌唱指導:高城奈月子、吉田華奈 稽古ピアノ:長谷部美紗 演出助手:福原麻衣 舞台監督:八木 智 宣伝美術:植田麗子 宣伝写真:輿石真由美 宣伝衣裳:生澤美子 宣伝ヘアメイク:富岡克之、山下景子(明日海りお)
企画・製作・主催:ミュージカル『コレット』製作委員会