
佐東利穂⼦は⼤学時代の 1995年に KARAS ワークショップに参加、それ以前にバレエの経験はなく、その全てを勅使川原三郎のダンスメソッドから学びつづけ、2009年に勅使川原ディレクションによる「SHE」にて初めてのソロダンスを公演。12年には⽇本⼈として初めて第40回レオニード・マシーン賞を受賞。近年ではアーティスティックコラボレーターとして勅使川原と共に創作を⼿掛けている。
18年から振付家としての活動を開始。この度、佐東利穂⼦の決定的な転機となったカラス アパラタスにおけるアップデイトダンスシリーズにて新たな作品を発表する。勅使川原と価値観や精神を共有しながらも、そこに独⾃の美意識が働く世界を展開する。
紫⽇記
紫はもののあわれ 雲に隠れた夜半の⽉
過ぎ去った君の⾯影 ⽬を閉じて思う間に
私ではないものになり 君ではないものになり
魂を失いすべては消えゆく 雲は千切れ⽉が残る
佐東利穂⼦
勅使川原三郎コメント
今、佐東が踊る、佐東にしか踊ることができない、湧き上がる感情のダンス。
⽂学ではない⼼の⾔葉、佐東利穂⼦のダンス「もののあわれ」。
佐東利穂子について
―『ダンサー50 のヒロイン』佐東利穂⼦について 執筆:ロジータ・ボアソー(ダンス評論家)
翻訳:岡⾒さえ
“⼆⼈の絆がどれほど緊密で、振付家のメソッドが協⼒で彼⼥に「⾃⾝の⾝体と思考の調和、⾃⾝から遠く離れたかに思えていた内的な感情を⾒つけること」を可能にしたのであっても、佐東利穂⼦はその荘厳で妥協のないダンスの唯⼀の作り⼿である。彼⼥はひとり舞台上をさまよう精霊たちを巧みに擦り抜けて進む。
彼⼥だけが、彼⼥の動きのなかに宿り、この上ない抑制と慎み深さで、彼⼥⾃⾝の存在を最⼤限に伝えるのだ。”
―2025年3⽉「Waltz」ロンドン公演 Seeing Dance 執筆:マギー・フォイヤー
“佐東は⾃由な精神であり、思うままを体現できる唯⼀の存在だ。リズムに⽣き、流れるようなトルソーはすべての筋⾁で表現されている。彼⼥の腕はダンスの軌道をなぞり、⾜は舞台をかすめる程度。スピードと優雅さを兼ね備えている、まさに彼⼥はエネルギーの化⾝”
概要
アップデイトダンス No.114「紫⽇記」 purple diary
原案/振付/出演:佐東利穂⼦
演出:勅使川原三郎
会期会場:2025年9⽉6⽇(⼟)―9⽉18⽇(⽊) カラス アパラタス B2ホール
主催 有限会社カラス 企画制作:KARAS 写真:Yumiko Inoue(ALEXANDRE)
助成 ⽂化庁⽂化芸術振興費補助⾦(舞台芸術等総合⽀援事業(公演創造活動))|独⽴⾏政法⼈⽇本芸術⽂化振興会