栗田芳宏,岩永徹也etc.出演 田尾下哲 作 演出 体験型演劇「ガリレオの目-それでも地球は-」開幕 自分の目で見たこと、真実はそこにある

体験型演劇「ガリレオの目-それでも地球は-」が8月13日、シアター・アルファ東京にて開幕。
主演のガリレオ・ガリレイ役は長年シェイクスピア演劇への出演・演出を手掛けてきた栗田芳宏、ガリレオと同じ時代に地動説の研究に取り組んだガリレオの友人ヨハネス・ケプラー役を岩永徹也が演じる。また、”異端者の鉄槌”と言われ、科学者のブルーノを火刑に処し、異端裁判でガリレオを異端の罪に問うベラルミーノ役は神野崇。
衝撃的な出だし、1人の男が処刑されようとしている。彼の名前はブルーノ、科学者。地動説を唱えたばかりに異端とされ、火炙りの刑に処せられるところだ。怒号が飛び交う、そこに1人の男がブルーノに近づく、彼の名はガリレオ。教科書によく耳にする名前。だが、フードを被った男に引き離される。ガリレオを制した男はケプラー。ケプラーの法則、一度は聞いたことがある観客は多いと思う。それから時間は遡り、1591年。

ガリレオとブルーノ。

ガリレオとブルーノの出会い。ガリレオはケプラーの本を読む。同時進行でケプラーのグラーツ大学における授業が描かれる。ガリレオはここでケプラーが唱える学説を知り、衝撃を受ける。「太陽の周りを、惑星が回っている…」現代でこそ当たり前、だが、当時は画期的な学説、しかも声高に言えば、異端と言われる時代。ガリレオは敬虔なカトリック教徒、だからこその驚き、真実を知りたいという気持ちが強くなる。ブルーノの処刑のタイミングでガリレオとケプラーがそこに居合わせたという証拠はないが、いなかったという証拠もない、だからこその「IF」であり、そこが「ロマン」。そして宗教と科学、天動説と地動説、単純な対立ではない。

ケプラー。

そこには様々な人物の思惑や都合、政治的なことや人間関係が複雑に絡み合い、そういった、この時代の”事情”も描かれている。だが、ガリレオもケプラーも、そして早々に処刑されてしまったブルーノ、科学の発展、真実を突き止めたいという思い、願いが彼らを突き動かす。

有名なケプラーの法則を発見した瞬間のケプラー、狂喜乱舞する姿はシンプルに共感できる。またガリレオが望遠鏡を持ち出して、先に家族に星を見せようとするところはガリレオの家族愛を感じる。

ガリレオをよく思わない人々、どうにかしてガリレオを亡き者にしたい、その気持ちの根源、嫉妬心。そういった人間の心理はいつの時代も変わらない。

後半、途中で小休止的な時間も。ここは気楽に。最後のガリレオの言葉は迫力、圧巻。

タイトルの「ガリレオの目」その「目」の意味、自分の目で確かめること、常識と言われることは真実なのか?史実ではガリレオは晩年失明する。

それでも彼は”見続けて”いる、未来を、科学を。ガリレオの生き様、彼を取り巻く人々、物語の舞台は17世紀のヨーロッパ、16世紀に宗教改革が起こり、ローマ、ヴァティカンは自分たちの教義に反することはなんでも『異端』としていた時代。だが、翻って現代はどうなのか、常識と言われるルールや事柄に囚われていないだろうか。ガリレオの有名な言葉『それでも地球はまわっている』。誰になんと言われようとも、『それでも…』、この4文字に彼の思いが凝縮されている。
ガリレオ役は栗田芳宏、独白が多い役、この膨大なセリフを澱みなく語るが、その一言、一言に魂が込められている。ケプラー役は岩永徹也、まっすぐに研究を重ねる姿は清々しくもある。公演は17日まで。上演時間は2時間40分、体験型なので、回によって違うところもあるので、そこはお楽しみに。

あらすじ
現在では太陽の周りを地球が周っており、広大な銀河の中一つの惑星というのが常識となっていますが、この時代のキリスト教社会の中の常識は違いました。地球が宇宙の中心で、その周りを太陽が周っているという”天動説”が当たり前となっていたのです。
ガリレオ・ガリレイが生まれる前から”地動説”はポーランドのコペルニクスなどにより唱えられていましたが、それからおよそ100年間様々な科学者により”地動説”は追及されそれが形となります。
物語の始まりは1600年、イタリアのローマです。ローマはキリスト教カトリックの総本山であり、教皇庁という全世界のキリスト教の統治機関があります。そこでは”地動説”を唱えた科学者が、今にも火刑に処されようとしています。そこに居合わせたガリレオ、ケプラーは先人の科学者の意思を継ぎ、それぞれが地動説の研究に情熱を注ぐことを決意します。

<ミュージカル「シデレウス」レポ記事>

ミュージカル「シデレウス」開幕!生きて真実を伝えること、世界は変わる。

概要
公演タイトル:体験型演劇「ガリレオの目-それでも地球は-」
日程・会場:2025年8月13日(水)~8月17日(日) シアター・アルファ東京
キャスト(※敬称略)
栗田芳宏
岩永徹也
輝山立
藤田浩太朗
益永拓弥
宮内伊織
吉田共朗
田中梨瑚
栗山かほり
青木エマ
伊東瑠奈
黒崎統司
水戸將弘
池田直広
近藤貴郁
高草木淳一
藤浦功一
神野崇

スタッフ
作・演出:田尾下哲
舞台監督:原義則(舞台猫乃手)
舞台美術:杉浦充
照明:稲葉直人
音響:松木優佳
音楽プロデュース:安藤未緒
作曲・編曲:安藤未緒、榎本陽平
演出助手:高荷洸星
衣裳プランナー:幅上ちさと
衣裳進行:江口華絵
映像:渕上駿介
宣伝美術:吉永拓
当日運営:新井真理子、有賀美幸
広報:黒川明日香
プロデューサー補:長井美結
企画・プロデュース:高草木淳一
マネジメント協力:アービング、Inception、株式会社アール・クルー、株式会社HIDEKO事務所、キャストコーポレーション、GFA、ソニー・ミュージックエンタテインメント、BE BOP株式会社、BE ONE ENTERTAINMENT、ファザーズコーポレーション、プランニング・クレア、文学座、株式会社ユーキース・エンタテインメント、有限会社ノックス(五十音順)
キャスティング協力:安藤未緒、久保田達之助
衣裳協力:ritsu.
特別協力/提携ホテル:アーバインホテルズ
主催:合同会社 EVIDENT PROMOTION

公式サイト:https://www.evidentpromotion.com/galileo