
ドラマ「石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー」(22年)や舞台『正しいロックバンドの作り方 夏』(20年)、ミュージカル『SUNNY』(23 年)などの多くの作品の脚本や演出を手掛ける西田征史がオリジナルストーリー、演出で描く舞台。主人公・ 良介は髙地優吾。良介の友人で自称ミュージシャンの直樹役には森永悠希、直樹を支える恋人たまよ役に大野いと、人気マジシャンの信男役、オラキオ。夢を諦め、掃除婦として働く小百合役には佐藤仁美、ひょんなことから良介と関わりをもつ八木役を片桐仁が演じる。 そのほか、根本正勝、宮下貴浩、兒玉宣勝、岡部ひろき、松浦京佳、阿久澤菜々、那須一南、浦田大地、イーグル紅・饗庭梨衣花(子役・ Wキャスト)などが出演。
うなだれて主人公・良介(髙地優吾)、かなりがっかりしている。自転車が、なんとサドルが盗まれて、カゴにはゴミ、さらにがっかり。面接に落ちた上に自転車がそんなことになって…もはや運に見放された形、スーパーの面接に行ったら、万引き犯と間違われる始末。友人の直樹(森永悠希)ミュージシャンだが、”自称”。そんな彼を支える恋人たまよ(大野いと)は銀行勤めでしっかり者。人気マジシャンの信男(オラキオ)、キラキラ衣装。デザイナーになりたかったが、なれず、掃除婦の仕事をしている小百合(佐藤仁美)、冒頭でテンポよく登場人物を紹介し、それからオープニング。
物語は主人公の良介を中心に展開していくが、それ以外のサイドストーリーもガッチリ。皆、それぞれ、”プチ不幸”。そんな人々が暮らす街にショッピングセンターができた。街はテンションアゲアゲな空気に包まれる。そんな折に、良介はあることを聞いてしまう。一世一代のチャンス!!!このチャンスをモノにすれば、変われるかもしれない、そんな期待を抱き、友人の直樹も巻き込んで大騒動、というのが大体の流れ。
とにかく皆、走る、走る、大騒ぎ、それを客席で高みの見物、客席通路も使うので!どのくらい、大騒ぎするのかは劇場で!日々を懸命に生きる、でも頭の片隅に夢はある。その夢は忘れていない、だから、ちょっとのチャンスに反応する。馬鹿馬鹿しく感じる行動、だが、その奥底にある気持ちには共感できる。”あとほんのちょっとだったのに”という経験は誰しも持っているはず。
宝くじ、テストの点数、さらにちょっとの差でバスに乗り遅れるetc.最後のオチはそうきたか、というところ。それでも人生は続いていく。アップテンポに場面展開、トホホぶりが可笑しみを誘い、応援したくなる主人公・良介、髙地優吾が目一杯走り回って!森永悠希演じる、友人・直樹、気のいい奴、良介とのコンビネーションが絶妙。
初日に先駆けて会見が行われた。登壇したのは、作・演出の西田征史、髙地優吾(SixTONES)、森永悠希、大野いと、オラキオ、佐藤仁美、片桐仁。
コメントは以下の通り。
作・演出 西田征史
舞台にいるメンバーと楽屋裏にいるメンバー、全てのスタッフ出演者で1秒1秒大事にしながら作っている作品なので多くの方に楽しんでいただきたいです。40ステージを走り切ります!
稽古初日に髙地君がすべて台詞を覚えていて台本を持っていなかったので、他の方もどんどん台本を置き出して、裏では必死に覚えようとしていたり、ちょっと面白かったです(笑)
髙地優吾(SixTONES)
主人公・良介は“ツイてない男”として登場しますが、最近ツイてないなと思ったのは、音楽番組を欠席してしまったこと。今まで仕事を飛ばしたことはなかったのに、前日に体調が悪くなるなんて…良介を演じていたらどんどん運が悪くなっていった気がしています(笑)。
グローブ座に立たせていただくのは初めてですが、稽古場より臨場感と立体感があって、さらにお客様が入ったら違って見えるんだろうなと思います。そして想像以上に人と人との距離が近く、交通整理が必要なので、裏でもカンパニー一同団結して頑張っております。座長らしいことは全然できていませんが、皆で食事会には行きました。皆さん優しい方でとても仲が良いです。稽古場では冷凍庫にアイスを入れてくださったのが嬉しかったです。身体も喉も冷えていいこと尽くしで、皆でいただきました。
SixTONESのメンバーは下半期全員舞台があって、劇団みたい。僕の台本の分厚さを見て皆引いてました(笑)。上半期は皆で頑張った分、下半期は個々で頑張る期間なのかなと思います。
舞台が開幕したらあっという間の2時間です。この舞台は文字通りステージ上を走り回るので、怪我無く走り抜けたいと思います。1人1人気を引き締めて頑張っていくので、応援していただけると嬉しいです。
森永悠希
誰も欠けることなく初日を迎えることができて嬉しいです。体力勝負になると思うので、精一杯頑張ります。
実は先ほどのゲネプロで、着替えのために袖から楽屋に降りようと思った時、階段から落ちかけました。その瞬間「あ、ツイてない…」と思いましたが、実際には落ちなかったので逆にツイていたのかもしれませんね(笑)。
稽古場では平面だった場所も、劇場に入ってみると階段が多く、そこの移動も含めると結構体力が奪われることに気づきました。この移動がまだ続くのかと思うとちょっと辛いのですが(笑)、怪我をしないよう努めます!
大野いと
ゲネプロを終え、少し気が抜けたようなところもありますが、まだ緊張しています(笑)。
最近ツイていなかったことは、私はパン屋巡りが好きなのですが、遠くまで買いに行ったら臨時休業だったことがあって…SNSで最新情報をチェックしないと、と改めて思いました。
劇場に入って場当たりをして、そこで初めて映像を見たのですが、よりくっきりと物語が刻まれていくイメージが湧きましたし、気合が入りました!体力が必要な舞台ですが、作品としてはとても暖かいお話なので、それを伝えられるよう最後まで頑張りたいと思います。
オラキオ
40公演もある、長丁場の舞台は初めてなので、はっちゃけすぎずに頑張っていこうと思います。
実は今日ちょっと遅刻をしてしまいまして…毎朝やっている犬の散歩のコースをいつもより短くしたのに、近所の仲良しの犬に出会ってしまって、犬同士がずっとじゃれ合って全然帰ってくれなくて(笑)。その後、区役所に行かなきゃいけなかったんですが今日に限って混んでいて、それで遅れました!すみません!
稽古場から本番を想定してはいましたが、実際に入ってみるとやっぱり違いました。昨日初めて劇場での通し稽古をしたのですが、まんまとワンシーン間違えました…ゲネプロでは間違えなかったので、これからも気を引き締めていきます!
佐藤仁美
私の衣裳は一着だけですが、他の皆は裏でもずっと走り回っている舞台です。とにかく邪魔にならないように(笑)、皆さんと一緒に40公演走り抜けられるよう頑張ります。
舞台に出演する度に八嶋智人さんから初日祝いでお酒をいただくのですが、今回は(片桐)仁さんにだけ届いて。私の分忘れてるのかな?と思っていたら、今日シャンパンが届きました!これはツイてない話ではなく、ツイてる話でしたね(笑)。
本当に着替えが多く、上手と下手のどちらの袖で誰が着替えているのかわからないので、出番のない時はなるべく楽屋に帰るようにしています。公演を重ねていくとタイミングがわかってくると思うので、それをちゃんと把握して、本当に本当に邪魔にならないように!(笑)、頑張ります!
片桐仁
僕は元妻との娘と、会いたくてもどう接していいか分からない父親役です。
グローブ座は10年以上前から10回以上立たせていただいていますが、今回劇場に入ってみて、
以前より劇場内の階段が増えたような感覚があって東京タワーに上ってるのかなと思いました。(笑)
僕は1役ですが、13役を兼任して20着に着替える方もいて、それぞれいろんな役を演じている群像劇となります。
最近ツイていなかったことは、さっきお弁当を食べようと思ったらコバエが先に食べていたことです。
気づいたら僕が座組で最年長で、とうとうそういう位置にきたかと思ってます。
年上として支えるということではなく、同じワンチームとして頑張っていけたらいいなと思ってます。
あらすじ
運もない。お金もない。夢も希望もほとんどない―そんな車谷良介が暮らす街に、巨大ショッピングモールがオープンする。 浮足立った住民たちの高揚した空気が街に満ちる中、彼の耳に飛び込んできたのは、“一攫千金の情報”だった。藁にもすがる思いで、親友の土居を巻き込み、人生の一発逆転をかけて動き出すのだが……。
果たして、良介は千載一遇のチャンスを掴み、冴えない日常から抜け出すことができるのか?ショッピングモールを舞台に、懸命に生きる人々が織りなす群像喜劇の幕が上がる。
概要
舞台『ある日、ある時、ない男。』
公演日程:2025年8月25日(月)~9月16日(火)
会場:東京グローブ座
他、大阪、福岡公演あり
作・演出:西田征史
出演:髙地優吾(SixTONES)、森永悠希、大野いと、オラキオ、佐藤仁美、片桐仁、根本正勝、宮下貴浩、兒玉宣勝、岡部ひろき、松浦京佳、阿久澤菜々、那須一南、浦田大地 、イーグル紅・饗庭梨衣花(子役・Wキャスト)
主催・企画製作:東京グローブ座
公式 HP:https://naiotoko.com