鴻上尚史 作演出で_ 小関裕太 臼田あさ美 太田基裕 安西慎太郎『サヨナラソング -帰ってきた鶴-』31日より紀伊國屋で_

鴻上尚史のプロデュースユニット「KOKAMI@network」第21回公演『サヨナラソング ー帰ってきた鶴ー』の初日を前にして取材会が行われた。
本作は、「生きのびること」テーマとして、日本の民話「鶴女房」のその後の世界と、ある家族を中心とした現実の世界が交錯しながら展開されていくオリジナル新作。
2 つの世界が複雑に絡み合いながら、「生きる」ことの本質に迫る。物語はある売れない作家が残した遺書のような小説「帰ってきた鶴」から始まり、残された者と「生きのびること」を描く。
作・演出は鴻上尚史。近年では、ミュージカル『スクールオブロック』翻訳・演出、『ウィングレス-翼を持たぬ天使-』『アカシアの雨が降る時、『朝日のような夕日をつれて 2024』作演出、『反乱のボヤージュ』(脚本・演出)を手掛ける他ほか、近著に『鴻上尚史のほがらか人生相談』、『君はどう生きるか』他多数など、演劇のほかにも、小説家、ラジオパーソナリティ、映画監督など、多岐にわたる分野で活躍。

現代では宮瀬陽一、物語世界で与吉を演じるのは小関裕太。現代では篠川小都、物語世界でおつうを演じるのは臼田あさ美。現代では相馬和彦、物語世界で馬彦を演じるのは太田基裕。現代では結城慎吾、物語世界で吾作を演じるのは安西慎太郎。
8月31日の初日に先駆けて、29日にフォトコールと会見が行われた。

登壇したのは鴻上尚史(演出)、小関裕太、臼田あさ美、太田基裕、安西慎太郎。

コメント

小関裕太
「この作品は鴻上尚史さんの新作。結構前にこの原案を思いついたとおっしゃっていました。鴻上さんにとって思い入れのある原案から始まり、時を隔て、今回新作として皆様にお届けできることなり、その一員として携われること本当に幸せに思います。僕はこの紀伊國屋ホールの舞台に初めて出演となります。今までに色々な作品で足を運んだことがありましたけれども、今回、初めて出演するということで、この劇場の客席を歩いた時、すごくわくわくしました。歴史ある空間。そして、客席の奥まで地声でお届けできるこの空間ならではの、エネルギッシュな作品になっていると思うので、この二役に魂を込めて演じたいと思います。」

臼田あさ美
「私にとって8年ぶりの舞台ですが、もう何もかもが本当に初めてで、全部が新しい状況の中という感じで、ゼロから全てを学びながらやらせていただいてる感じです。役者さんと鴻上さんと多くのスタッフの方に支えられて、いよいよ始まるんだなという実感が湧いてきたところです。今までの稽古で積み重ねてきたことを思いっきり丁寧に発揮するのはもちろんですけれども、きっと、ここからまたどんどん何か大きくなっていくので感じがします。気を引き締めて初日を迎えて、最後まで気を引き締めてやっていきたいと思います。」

太田基裕
「この作品は二つの世界線が交差しあいながら話が展開されていきます。個人的には、この二つの役に苦労してまして、あさって本番を迎えるのですが、まだまだ苦労しながら、この役を自分で積み上げていかねばならんなと思い、緊張感もあります。でも、不安や怖さという生々しいものが、自分の演じるセンシティブでナーバスな役に共鳴した時に生まれる揺らぎや、歪みみたいなものが、この紀伊國屋ホールの中で蠢いたらいいな祈りながら稽古をしております。お客様にその緊張感や、コメディー要素もたっぷりありで、そういう部分を共有しながら、素敵な空間になればいいなと思っております。」

安西慎太郎
「まもなくゲネプロと本番です。緊張とわくわく感が半分ずつぐらいです。稽古してきたことがすべてだと思うので、みんなで作り上げてきたものを信じて、本番を楽しみたいなって思っております。個人的には、社会なのか国なのか分からないけど、生きづらさみたいなものを感じています。この作品が、何か暖かく包み込んでくれるような作品になっていると思います。」

鴻上尚史(作 演出)
「今回はキャストの皆さん全員が、本当に役に真剣に演劇が好きとわかる感じで取り組んでもらえて、実に幸福に稽古を進めることができました。設定としては二つの世界なので、早替わりの時間が1分30秒しかなくて大変で、舞台の奥で、着替えるのがひとり10回ぐらいあるので、スタッフたちは僕に文句を言いながら大騒ぎになっております。早替わりの見事さと、二つの世界が展開していくところを楽しんでいただければいいなと思っております。」
ーーこの舞台の構想について聞かれーー
「精神科医で「あの素晴らしい愛をもう一度」を作詞した北山修さんと対談した時に、北山さんから「鶴の恩返し」で、残された男はかわいそうだよねっていう話から、鶴がもし去らなかったらどうなるんだろうねという流れになったその瞬間に、もうこの舞台のストーリーの前半がババっと浮かべました。1回は鶴は去るけど、戻ってきて、その男と2人で暮らし始めたら廻りの村人は、どんな反応をするんだろう? 僕ら日本人のDNAの中にある潔くっていうことより、無様にダラダラと生き延びる道を選ぶ物語ができたらというのが始まりで、この舞台にたどり着いたのでした。」

STORY
去っていくものは美しい。けれど、残されたものは哀しい。売れない作家である宮瀬陽一が残した遺書のような物語は、日本人なら誰もが知っている「鶴女房」のその後を描いた小説だった。鶴であることが夫にばれ、遠くの空に旅立った鶴が、もし戻ってきたとしたら。
村の中で、二人は、どんな人生を始めるのか。だが、その物語は、小説誌の掲載を断られて、未完で終わっていた。宮瀬の担当編集者だった相馬和彦は、宮瀬の妻であり、夫と違って売れっ子作家の篠川小都に、この続きを書いて下さいと迫る。小都は、悩んだ末、夫のことを知りたくて、夫の作品に没入していく。物語は、小都の小学三年生の息子、由自と、小都の大学の後輩であり、担任の結城慎吾との関係から生まれる現実の世界と、「鶴女房」のその後の世界の二つを、交互に往復しながら展開される。テーマは「生きのびること」。どんなことがあっても「生きのびること」。

フォトコールより

概要
公演名:KOKAMI@network vol.21『サヨナラソング ー帰ってきた鶴ー』
会期会場:
東京:2025年8月31日(日)〜9月21日(日)紀伊國屋ホール
大阪:2025年9月27 日(土)〜9月28日(日)サンケイホールブリーゼ
作・演出:鴻上尚史
出演:小関裕太 臼田あさ美/太田基裕 安西慎太郎 三田一颯・中込佑玖(W キャスト)/渡辺芳博 溝畑 藍 掛 裕登 都築亮介
制作協力:ニューフェイズ
企画・製作・主催:サードステージ

公式HP:https://www.thirdstage.com/knet/sayonarasong/