横内謙介作・演出『ドリル魂2025』上演

『ドリル魂2025』、すみだパークシアター倉にて10月4日より開幕。
この作品は、劇団初のミュージカル作品で、若い建築職人集団である轟組の物語。初演は2007年「ドリル魂」。

初演以降、出演メンバーは轟組として、演劇公演だけでなく、作品の中で創ったパフォーマンスで様々なイベントにも参加し好評を得ている。作・作詞・演出を担う横内謙介は、主宰を務める劇団扉座の付属俳優養成所のほか、あつぎ舞台アカデミー(主催(公財)厚木市文化振興財団、2011年~2019年 コロナ禍により休止)、マグカル・パフォーミングアーツ・アカデミー(主催 神奈川県、2014年~2022年)、坊っちゃん劇場公演やAKB舞台ほかプロデュース公演などで若手の俳優育成に深く関わり、その中で、次代を担うべき可能性を秘めている多くの若い俳優と出会ったが、2020年、新型コロナウィルス感染拡大により、彼らの活動やレッスンの場が失われ、この事態を憂慮した横内が、夢を追う仲間たちと励まし合い、競争し、協力できる場を提供、自らが演出を務めて、俳優としての魅力や可能性を引きだし、今後の活動の礎となる公演を上演。

<2024年公演より>

前回の2024年公演では、演じるだけではなく、建築職人集団を演じるため、公演を成立させるための様々な作業、公演を盛り上げるための業務も、育成対象者はじめキャスト全員が務め、結果、俳優、演劇人成長のための育成事業として確かな手ごたえを感じ、また各方面からの評価も非常に好評で、この事業を続けてほしいとの声が多く寄せられ、その声に応え、また、劇団の枠を越えて若手の育成を今後も継続してしっかりやってゆきたいという横内の意志・意向もあり、引き続き同作で、横内はじめ、現場の第一線で活躍するスタッフ、ベテラン俳優のアプローチにより、若手俳優を育成する場を作ることに。
2025年版では、劇団を越えて次代を担う俳優と出会うため、次回の育成対象者の多くをオーディションで選抜。また、育成対象者以外も若い俳優を広く公募し、2024年版の経験を生かして、ベテラン俳優・スタッフとともに、参加者全員を育成する公演とするために、歌、踊り、芝居の専門指導員によるレッスンを定期的に開催し、メンバーの技術向上を図る。脚本は、テーマや大きな流れはそのままに、参加メンバーの個性を生かすエピソードを盛り込む予定。また、彼らの向上心を増進させるため、手本となるミュージカル俳優を招聘。衣装寅壱を着用。作業服界のアルマーニと呼ばれ、瀬戸大橋工事の時に、この作業着を着ていた者は1人も事故に遭わなかったという伝説をもつ寅壱作業服を着用。

なお、本公演は自由席。前方のお座席にヘルメットが配布。上演中、観客がヘルメットを着用する演出がある。強制ではなく、任意、いわゆる観客参加型のシーンが用意されている。また、来場時にヘルメットを持参した観客にはマイメット特典が。さらに特殊視覚効果のあるドリル眼鏡を販売。

<ドリル魂について>
ストーリーは、工事現場で起きるいくつかのエピソードが折り重なったものです。

現場で起きる、揉め事、事件、出会いと別れ。
若き現場チーム、轟組が現場で直面する出来事は、決して特殊な世界の話ではなく、すべてが今我々の生きている世の中の写し絵になるものです。
そこで彼らは、孤独を乗り越えて、連帯すること。
カラダを売らずに、カラダを使うこと。
自らの仕事に責任と誇りを持つこと。
などを体験の中から、その身に刻みつけてゆきます。
基本的には轟組という若者たちが、仕事の中で成長して行く、青春ドラマです。

ただし工事現場からの眺めという、アウトサイダー的な視点を大切にし、爽やかな青春ドラマの中に、今我が国が抱える社会的な問題(戦後の歴史認識、構造偽装問題など)や、マイノリティの苦悩、行き場を持たぬ若者の焦燥なども描きます。
我々はミュージカルという、ダイナミックな表現だからこそ出来る、メッセージ性を大切にしたいと思っています。

工事現場で生まれる作業音を音楽として、工事作業をダンスやアクロバットに、ドリルやツルハシを使い、建築作業そのものから生まれた「愛とガッツ」のミュージカル。
肉体でつむぐ現場ミュージカル。

概要
日程・会場:2025年10月4日(土)~12日(日) 11ステージ すみだパークシアター倉
作・作詞・演出:横内謙介
出演:
彌永拓志 大川亜耶 小川 蓮<育成対象者>
翁長志樹 木村 遊<育成対象者>
栗田惇平<育成対象者>
紺崎真紀 佐々木このみ 執行巧真 平 葉月<育成対象者>
【イッツフォーリーズ】 高木裕和 滝田愛香<育成対象者>
【演劇集団キャラメルボックス】 知念紗耶
【World Code】 土岐倫太郎 中村麗奈<育成対象者>
【クリオネ】 挽田悠誠<育成対象者>
三浦修平 守 敦也 師田実澪【&bition】/
松原凜子【ケイセブン中村屋】 井上珠美
スタッフ
音楽:長谷川雅大
振付協力:ラッキィ池田 彩木映利
歌唱指導:井上珠美
エアリアル振付:若井田久美子(AADP)
身体表現指導:林田尚親
作業技術アドバイザー:犬飼淳治
歌唱指導助手:翁長志樹
演出補佐:犬飼淳治 鈴木里沙

舞台監督:大山慎一・鹿島涼
照明プラン:ASG
音響プラン:青木タクヘイ

プロデューサー:赤星明光(扉座)

主催・制作:公益社団法人日本劇団協議会

助成:
文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(芸術家等人材育成))|独立行政法人日本芸術文化振興会

公式サイト:https://tobiraza.co.jp/drill-kouen2025