
シリーズ累計500万部を突破、2011年の本屋大賞を受賞した東川篤哉による大ヒット小説「謎解きはディナーのあとで」。毒舌執事とお嬢様刑事が繰り広げる軽快なやり取りと本格的な謎解きが話題となり、2011年にドラマ化、14年の時を経て今年4月から全国フジテレビ系”ノイタミナ”にてTVアニメが放送されるなど、国民的人気を誇るミステリー。
今回は脚本に須貝英、演出に河原雅彦のもと、舞台オリジナルストーリーを音楽劇として舞台化、9日、日本青年館ホールにて開幕。
初日を無事に迎え、簡単な会見が行われた。登壇したのは、河原雅彦(演出)、上田竜也(影山役)、玉井詩織((ももいろクローバーZ)宝生麗子役)、橋本良亮(風祭京一郎役)、凪七瑠海(マリアンヌ・フォン・シュヴァルツクスト役)、大澄賢也(ヘルマン執事役)。
<舞台写真>
▼コメント
河原雅彦(演出)
ポピュラーな原作で、メインの3人のキャラクターは固まっているので、「何を推理するのか」を作るのかが一番苦労しました。台本もだいぶ時間がかかって、推理作家さんってすごいなと思いました。とにかく面白い舞台を作ろうと思って、楽しくやれました。
上田くんがきちっとしていなさそうに見えて実はきちっとしている人だというのは浸透していると思いますが(笑)、影山という役を自分が演じることの意味を考えて、プロデュース感覚をしっかり持って挑んでくれました。上田くんに限らず玉井さんも橋本くんもそうで、手のかからない役者たちでした。橋本くんはかっこいいけど面白い、あんまりいないタイプ。ご一緒するのは2作目ですが、前回も同じような役だったので、また違った役も見てみたいですね。
上田竜也(影山役)
稽古が始まってから1カ月、長いようで短い期間でした。先ほど初日を迎え、実際にお客様の反応を受けて、新しい発見がありました。始まってしまったら終わるまですぐだなと、既に寂しい気持ちもあります。
大ヒットした小説が原作ですし、影山役は(櫻井)翔くんが演じていたということで、最初にお話をいただいた時は嬉しくもあり、プレッシャーでもありました。翔くんに影山として大切にしていたことを伺ったら、「キャラクターを作ること」と「毒舌ではあるけれど、嫌悪感を抱かれないように気を付けること」と教えていただいたので、稽古でもそれを意識していました。特に執事としての仕草や立ち居振る舞いには苦労しましたが、本職のバトラーに指導をしていただいたおかげで更生したと思います(笑)。河原さんにもお褒めいただいて気分が良いです!
謎解きのあるミステリーではありますが、このオリジナル舞台はエンターテイメントに仕上がっています。ぜひ観に来て笑ってストレス発散していただけると嬉しいです。劇場でお待ちしております!
玉井詩織((ももいろクローバーZ)宝生麗子役)
本日皆様の前で幕を開けることができてとても嬉しいです。稽古が始まった当初は期間が短かったので不安もありましたが、先ほどお客様の反応をいただいて、頑張ってきてよかったなと思いました。千秋楽まで一日一日頑張りたいと思います。
原作があるものなのでキャラクターを作るのが難しかったのですが、上田さんが影山に被るところがたくさんあってやりやすかったです。だんだん本当に私のことを馬鹿だなぁと思っているんだなと感じて(笑)、でも裏だと私の方がしっかりしていることもあって、良いコンビネーションで作れました。
(ももいろクローバーZの)メンバーも観に行きたいと言ってくれました。グループから飛び出して、新たなチームでモノ作りをするのは新たな刺激になります。今回の経験で得たものをグループ活動にも還元できればいいなと思います。今回のカンパニーは“第二のももクロ”だと思っています(笑)。
橋本良亮(風祭京一郎役)
短い稽古期間の中、一人一人が全力でやってきました。そして初日が開けたばかりではありますが、一人一人の力で大成功になった舞台だと思います。お客様の笑い声と拍手で完成しました。ここからたくさんの拍手をいただけるよう頑張っていきたいです。
上田くんとがっつりお仕事させていただくのは初めてですが、稽古場の席が隣で、何かを喋るわけではないけれどなぜか落ち着いて。隣を見たら大体煎餅かアーモンドを食べてました(笑)。玉井さんとのかけあいもすごく良くて、新しい影山と麗子になっていると思います。僕の演じる風祭は、原作だともっとかっこいいのですが、舞台では自分なりの風祭を研究し、河原さんの演出を受けてぶっ飛んだ役になっています。今作はオリジナルの舞台なので、風祭も舞台ならではのオリジナル風祭として立っていきたいです。
オラオラしていない上田くんとはっちゃけている橋本を観られるのはこの舞台だけです。見ものですよ!
凪七瑠海(マリアンヌ・フォン・シュヴァルツクスト役)
宝塚を卒業してから二作品目となりますが、とても新鮮な空気の中でお稽古することができました。カンパニーの雰囲気は和やかで、温和で優しい方々ばかりでしたし、笑いの絶えない作品なので笑いを耐えるというのがの試練でした。どうしても堪えられなくてごめんなさいと言ったら、河原さんがいいよと言ってくださる優しい環境で、とてもありがたかったです。実はゲネプロまで一度も笑わずにできたことがなかったのですが、今日の初日はギリギリ耐える事ができました!
千秋楽までマリアンヌとして精一杯生きていきたいです。
大澄賢也(ヘルマン執事役)
今回、私は老執事・ヘルマンとしてだけではなく、冒頭にナレーターとしても出演しています。本日、初日の雰囲気が本当に温かく、皆様の笑いや拍手をいただき、「いける!」 と感じる瞬間がありました。
振付も担当させていただいていて、(上田)竜也くんはわからない所を真摯に尋ねてくれて、その素直さに感動しました。影山がリードしていくイメージを伝えると、探求心をもって研究してくれました。玉井さんと凪七さんもダンスに慣れていらっしゃいますし、センスが抜群でした。玉井さんはリフトされるのが初めてだったのに、一発で成功させる体幹の良さが素晴らしかったです。
ストーリー
国立署の刑事・宝生麗子は世界的に有名な「宝生グループ」の財閥令嬢。お嬢様であることをひた隠しにしながら、「風祭モータース」の御曹司である風祭警部の部下として日々事件に奮闘している。
お世辞にも優れているとは言いがたい麗子の推理力を補うのは超有能執事の影山。難解な事件に遭遇するたびに助けを求める麗子に、「お嬢様の目は節穴でございますか?」などと毒舌を吐きながら、影山はいつも鮮やかに謎を解き明かしてしまう。
そんなある日、とある殺人事件現場で華麗に推理を披露する麗子だったが、事件が解決した矢先に執事の影山が現れ、ヨーロッパへ急行すべく麗子を連れ出してしまう。さもないと親同士が決めた結婚が成立してしまうというのだ。
二人が向かったヨーロッパの小国・シュヴァルツクスト公国では元首が急死。早急に後継者を立てなければならない。麗子は王位継承者争いに巻き込まれていた。公国には EV カーを売り込みに来た風祭警部もやって来てしまい、大混乱。
シュヴァルツクスト公国で、舞台オリジナルの登場人物たちと繰り広げられる、謎解きあり!ロマンスあり?なストーリー展開。
概要
音楽劇『謎解きはディナーのあとで』
日程・会場:
東京:2025年9月9日(火)~9月23日(火・祝) 日本青年館ホール
大阪:2025年9月27日(土)~10月1日(水) SkyシアターMBS
原作:東川篤哉「謎解きはディナーのあとで」(小学館刊)
脚本:須貝英
演出:河原雅彦
音楽:三國茉莉
出演:上田竜也、玉井詩織(ももいろクローバーZ)、橋本良亮、 凪七瑠海、植原卓也、川久保拓司、シューレスジョー、野口かおる、大澄賢也
明樂哲典、縄田晋、天野翔太、渡部又吁、吉岡麻由子、熊澤沙穂、宮川実生、片岡芽衣、大窪藍子(スウィング)
企画・製作:フジテレビジョン
主催:フジテレビジョン/サンライズプロモーション東京/キューブ
公式サイト:http://www.nazod-stage.jp/
撮影:阿部章仁
Ⓒ東川篤哉/小学館