松岡充,堂珍嘉邦etc.出演 TRUMPシリーズ最新作ミュージカル 『キルバーン』開幕

劇作家 末満健一がライフワークに掲げ、2009年より展開するオリジナル作品<TRUMPシリーズ>の最新作、ミュージカル『キルバーン』が9月13日、サンシャイン劇場にて開幕。10月2日〜6日は、大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演。この作品は20年に上演を発表後、コロナ禍により上演中止となったものが、新たな出演陣での公演が実現することとなったシリーズファン待望の舞台となる。ストーリー仕立てのライブのような形式を取り観客没入型の作品の創作を目指している。

主演は、今年デビュー30周年を迎えるロックバンド「SOPHIA」のボーカリストで、音楽朗読劇『黑世界』にてその圧倒的な歌唱力と唯一無二の世界観を持つ松岡充。そして、圧倒的な歌唱力と存在感で音楽シーンを牽引し続ける、ボーカルデュオ「CHEMISTRY」の堂珍嘉邦が出演。

01年のデビュー以来、数々のヒット曲を生み出し、ソロとしても精力的に活動を展開。そのほか、若手実力派 小林亮太がシリーズ初出演、同シリーズの『LILIUM -リリウム 新約少女純潔歌劇-』(23年)にて、主演に選ばれた内田未来や、シリーズ過去作に多数出演し、安定した演技力と厚い信頼を誇る宮川浩も出演。さらに、フランク莉奈、山崎樹範、倉持聖菜、池田晴香が名を連ねた。

前説、これをシラン(演・倉持聖菜)と、彼女と双子の姉妹であるリンドウ(演・池田晴香)が担う。これがなかなかにインパクトあり。それから始まる。身体能力の高いダンサー陣のパフォーマンス、掴みはOK。そして、いきなりライブ、もう縦ノリ。ライトOK(配られる)、観客はただ、座っているだけではない、ライブシーンではクラップやライトで積極的に参加できるので、物語と同時に音楽、ライブも楽しめる、という趣向。最初に登場するキャラクターが”紹介”されるので、それぞれがどういうキャラなのか、ここで大体、把握できる。

不死卿ドナテルロ(演・松岡充)を殺したい、何度も殺される(?)も、殺されない。不老不死の吸血種は死なない、普通の人間には寿命というものがあるが、彼にはない。だから、時間はたっぷりある。不死卿に忠誠を尽くす美少年グスタフ(演・小林亮太)、その忠義ぶりが魅せる。

ポピー(演・宮川浩)、動作が可愛らしい!その部下オリーブ(演・フランク莉奈)とマルメロ(演・山崎樹範)、曲者感を漂わせつつ、アクセント的存在。用心棒であるダリ(演・堂珍嘉邦)、クールな佇まい、強そう。

ポピーが《とある要求》と引き換えに差し出したのは、不死卿と共に《永遠を生きる花嫁》として選ばれた少女ソフィ(演・内田未来)、ところが彼女、記憶喪失??っぽい。謎に満ちた花嫁、ここから驚きの展開が始まる。

ミュージカルには違いないのだが、ほぼロックコンサート的なノリで、ここはシンプルに楽しめる。歌唱力の高いキャスト陣が圧巻の歌を披露。会場にチラシがあるが、「ハメを外せ! 理性を壊せ!! 常識の世界など蹴り飛せ!!」と書かれている。

おとなしく静かに座っていると客席で浮いてしまうかもしれない(笑)、とにかく大音量で、ガンガン!拳を振り上げる(後ろの人の邪魔にならないように)も良し、声援を送るも良し、観客席は”盛り上げ係”。

スタンドマイクでシャウト、ほぼほぼコンサート、ライブ。1幕後半で「え!」となり、2幕で「そう来たか」な展開。今までのシリーズのイメージを守りつつ、新たな形式で、<TRUMPシリーズ>の新しい扉を開く。POPで熱い、衣装もかっこいい、東京は28日まで。大阪は10月2日より開幕。

ゲネプロ前に簡単な会見が行われた。登壇したのは松岡充、堂珍嘉邦、末満健一。

まずは挨拶から。
松岡充「コロナのときに最初上演する予定だったんですけどもそれができなくなって、もうできない、一生できないかなとちょっと思ってたんですけどこのたび上演する運びになりました。本当に念願の満を持しての上演ですね。気合入っておりますよろしくお願いします」

堂珍嘉邦「このミュージカル松岡さんがやられるということで、お話をいただきましてぜひやらせていただきたいと。このミュージカルがたくさんの人にいろんなエネルギーを持ち帰ってもらえるようにしっかり全うしていきたいなと思っております」

末満健一「松岡さんもおっしゃられましたが、本来ならばコロナ禍のときに上演予定でしたが、コロナの影響で公演がなくなりまして。本当にリベンジマッチ、松岡さんに声がけしてご承諾いただいて、公演の運びとなりました。本当に、5年ぐらいのこのエネルギーを爆発するような作品になっておりますので、それを皆さんに早くお届けしたいなと」

松岡充と堂珍嘉邦の共演は堂珍嘉邦主演映画「醒めながら見る夢」以来、およそ11年ぶり。10年以上のブランクを感じさせない息のあったステージング。「「その時はテレビの『CHEMISTRY』っていうイメージしかなかった。」と松岡充。当時共演してみた印象は「この作品でご一緒して、『殺陣で不都合ないですか?』…すごく気をつかってくれる」といい、一方の堂珍嘉邦は「40代も中盤をすぎて、50代が目の前…先輩の後ろ姿、生き方みたいなのを見られるのはありがたいです」とコメント。トップボーカリストの競演、圧巻の歌唱力を見せつけてくれるステージ、なんといっても「SOPHIA」の松岡充と「CHEMISTRY」の堂珍嘉邦の歌が聴けるだけでも、ファンならずとも、これは最高。また、日本の演劇鑑賞といえば、黙って静かに客席で微動だにしないスタイル、だが、今回は違う。「それをちょっと取っ払って、熱量を持って見れるミュージカルに」と松岡充。競演、劇中のバトルシーンで、不死卿ドナテルロ(松岡充)と人狩人ダリ(堂珍嘉邦)が「不協和音」を歌唱(聴きどころ。HPで公開中)。松岡充が「ソフィストリーとして音楽番組に出たい」と言い、堂珍嘉邦は「もしくはケフィア」とコメント、息のあったやり取り。そして「音楽も含めてですけど、やってきた中でこんな作品は見たことがない」と松岡充。不老不死、吸血種、ダークファンタジーだが、愛を感じる舞台、見終わったあとの心地よさ。まずは劇場で体感してほしい。

あらすじ
不老不死の吸血種《TRUMP》である不死卿ドナテルロ(演・松岡充)が棲む館。そこでは夜毎、《繭期の吸血種》たちが不死卿の命を奪おうと彷徨い、ありとあらゆる殺戮を繰り広げている。
館に執事として仕えるのは、不死卿に絶対的な忠誠を尽くす美少年グスタフ(演・小林亮太)。召使いでありながら、不死卿への復讐に燃えるシラン(演・倉持聖菜)と、彼女と双子の姉妹であるリンドウ(演・池田晴香)。
ある日、血盟議会の議員でありながら裏社会でも暗躍するポピー(演・宮川浩)、その部下オリーブ(演・フランク莉奈)とマルメロ(演・山崎樹範)、そして用心棒であるダリ(演・堂珍嘉邦)らが館を訪れる。ポピーは繭期を誘発させる《COCOON》の密売人であり、ドナテルロは裏社会でも有数の密造人であった。だが、今回ポピーが館を訪れたのは《COCOON》の取り引きだけではなかった。ポピーが《とある要求》と引き換えに差し出したのは、不死卿と共に《永遠を生きる花嫁》として選ばれた少女ソフィ(演・内田未来)であった。果たしてソフィは、本当に不死卿と同じく不老不死なのだろう
か? グスタフの忠誠心の裏側にある真実とは? そしてポピーの用心棒であるダリの本当の目的とは?
館に満ちる幻覚と快楽、そして止まることのない《死のなき死》の連鎖。今宵も狂乱の宴が始まろうとしている。

概要
ミュージカル『キルバーン』
会期会場:
2025年9月13日(土)〜28日(日) サンシャイン劇場
2025年10月2日(木)〜6日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
作・作詞・演出:末満健一
音楽:和田俊輔
出演:
松岡充/小林亮太 内田未来 フランク莉奈 山崎樹範 倉持聖菜 池田晴香 宮川浩/堂珍嘉邦
入江二千翔 小熊あれい kizuku corin 佐野空波 SHION 中込萌 渡邉南 【スウィング】徳岡あんな、畑中竜也
スタッフ:
美術:平山正太郎、照明:関口裕二、音響:百合山真人、振付:港ゆりか、歌唱指導:西野誠、衣裳:早川和美、
ヘアメイク:武井優子/笹川知香(松岡充)、殺陣:末満健一、小道具製作:羽鳥健一、演出助手:高橋将貴/山本沙羅、舞台監督:佐光望、宣伝美術:岡垣吏紗、宣伝写真:中村理生
主催・企画・製作:ワタナベエンターテインメント

WEB: http://kill-burn.westage.jp/