劇団ホチキス「ワンマイク」新国立劇場小劇場上演中

劇団ホチキス51回本公演「ワンマイク」は、米山和仁が脚本・演出を手がける新作コメディ。新国立劇場小劇場にて9月28日まで上演。ある曲のレコーディング中に巻き起こる騒動を描いたワンシチュエーションコメディだ。
主演はホチキス初参加の小松準弥。ジリ貧のレコーディングスタジオを切り盛りするスタジオスタッフ「葛城兼光」を演じる。また、劇団ホチキス公演に幾度も出演している里中将道がプロデューサー「藤井寺涙」を演じ、小松との息の合った掛け合いを見せる。ほかに、佐藤たかみち、古賀成美、澁谷穂奈美は、ホチキス初参加ながらも振り切った芝居を披露し、作品を彩る存在感を示した。またホチキス 2 回目の参加となる大井川皐月は、前回のきっちりした役の印象から一転し、柔らかさを感じさせる役柄に挑戦。幅広い表現力を印象づけた。そこに、劇団員の小玉久仁子、山﨑雅志、齋藤陽介、内村理沙、山本洋輔が、ホチキスのコメディならではの空気感と迫力を与えている。
総合アートディレクターである小玉久仁子を中心に、劇団員も手がけた舞台美術は、作品への没入感を強め、米山の挑戦的な演出の魅力を引き立てている。笑って泣けて熱くなれる、ホチキス渾身の痛快コメディ。まさにエンターテイメントそのものであり、演劇への愛が凝縮された公演となっている。

あらすじ
日本版「We Are The World」を制作する企画が立ち上がった。
多くの有名アーティストを一堂に集めて収録を行うため、レコーディングスタッフと、プロデューサーらは、綿密な計画を立て収録に臨む。
しかし、揃わないスケジュール。アーティスト達のわがまま。
それに加え、次々と予期せぬトラブルが巻き起こり、レコーディングは一向に進まず、プランは大きく狂い始めるのだった…。