小沢道成 作・演出・美術 EPOCH MAN『我ら宇宙の塵』プレビュー公演開幕&26年新作ロングラン上演

第31回 読売演劇大賞で3冠を受賞したEPOCH MAN『我ら宇宙の塵』満を持して10月19日、新宿のシアタートップスで再演。プレビュー公演が始まった。東京公演は10月22日に開幕、その後は大阪、北九州、金沢にてツアー公演を行う。また、各地で鑑賞サポート付公演を実施。バリアフリー字幕・英語字幕のタブレットを貸し出すほか、東京・大阪公演には舞台手話通訳として田中結夏(となりのきのこ)が出演。

小沢道成が脚本・演出・美術をつとめる『我ら宇宙の塵』は2023年に初演、 第31回読売演劇大賞「優秀作品賞」「優秀演出家賞」「最優秀女優賞」を受賞し大きな話題に。本年6月にロンドン版として英語に翻訳し現地キャストで上演すると、 「長く記憶に残る、新鮮で心温まる作品」(The ReviewHub/★★★★★)、「感動的。観客は涙を流さずにはいられなかった」(West End BestFriend/★★★★★) など英国演劇メディアから高い評価を獲得。

一面のLEDディスプレイとパペットを用いた演出、 そして、 大切な人を失ったとき悲しみとどう向き合えばいいのかを問う、幻想的で繊細かつ見る者の心を大きく揺さぶる作品にオリジナルキャストで再び挑む。
いなくなった父親を探しに街に出る少年・星太郎を小沢道成 (プレビュー公演は谷恭輔)、その少年を追う母親・宇佐美を池谷のぶえ、また2人が街で出会っていく人々、火葬場の職員・鷲見を渡邊りょう、看護師の早乙女を異儀田夏葉、プラネタリウムを経営する平家をぎたろーが演じる。
舞台上には開演時間前から少年のパペットが椅子にうつ伏せに。それから時間になり、舞台の中央からキャラクターが登場する。舞台上に星、LEDディスプレイで表現するのだが、没入感もあり、観客は物語の世界に入り込める。
メインキャラクターは少年・星太郎、彼は父親を探しに出る。蒸発、あるいは家出ではないことが母親の台詞でわかる。言い表せない喪失感を抱えた少年、俳優がパペットを操るのだが、一体感があり、俳優は少年・星太郎でありつつ、パペットを動かす人形使いでもある。俳優の演技とパペットの動きがシンクロするとき、そこに命が生まれる。プラネタリウム、小学生の時に行ったことがある、という観客も多いことだろう。星座の話、古くは古代エジプトの遺跡で、星の並びを人などに見立てた図が発見されている。星は神秘的であり、ロマンであり、また、何かを想像させる、人類は星と共にいたとも言えるし、星占いは古今東西人気だ。その星に想いを馳せる人々の想いは今も古代も変わらない。死をめぐる少年の旅、そこに大人たちが絡む。
星が流れ、瞬く。少年は走ったり、時には立ち止まったり。喪失、それと向き合う方法は大人も子供もわからない、だからこそ迷い、走り、立ち止まり、膝を抱えたりする。その姿、瞬く星はその心に寄り添う。タイトルの『我ら宇宙の塵』、宇宙の中では我々は本当に塵のごとく小さい、小さい存在であるが、想いは無限に広がる。一面のLEDディスプレイを用いた幻想的な演出は、その想いを見せてくれる。悲しみと向き合う、それは誰しもが直面すること。それを哲学的に提示するという手法ではなく、笑いや日常的なやり取りの中で深淵なテーマを観客に見せ、舞台いっぱいに広がる『宇宙』で観客を世界観に誘う。上演時間は1時間40分ほどだが、その時間は無限、シアタートップスも無限。東京は11月3日まで。

なお、EPOCH MAN 新作公演『The Closet Revue』の上演が決定。2026年4月5日(日)~5月4日(月祝)ザ・スズナリでのロングラン上演。

あらすじ
少年は、父の行方を探しに家を出た。
その少年を探しに、母も家を出た。
長い長い旅の途中、出会った街の人に聞いてみた。
どこに行けばいいのか、と。
ーーー遺された者達が辿る、宇宙と、この地球の物語。

日本ツアー概要
作・演出・美術:小沢道成
出演:池谷のぶえ 渡邊りょう 異儀田夏葉 ぎたろー 小沢道成 / 谷 恭輔(スウィングキャスト)
会期会場:
東京:2025年10月19日(日)~11月3日(月祝) 新宿シアタートップス
大阪:2025年11月6日(木)~11月10日(月) 扇町ミュージアムキューブ CUBE01
北九州:2025年11月14日(金)~16日(日) J:COM北九州芸術劇場 小劇場
金沢:シアター21 2025年11月21日(金)~24日(月祝) 金沢21世紀美術館

『The Closet Revue』公演情報
脚本・演出・美術:小沢道成
日程・会場:2026年4月5日(日)~5月4日(月祝)ザ・スズナリ
アンサンブルキャストオーディション情報
エントリー期間:11月1日(土)~11月24日(月祝)
申込 URL:https://forms.gle/baAN6KPVQmrVsCBq8

公式WEBサイト:https://epochman.com/
舞台撮影:一色健人