新国立劇場オペラ公演『ナターシャ』無料映像配信が決まった。OperaVisionにて世界中に新国立劇場のオペラを発信。
2025年8月に新国立劇場に初登場した『ナターシャ』。現代音楽をリードする作曲家として、世界各国の主要なオーケストラ、音楽祭、劇場からの委嘱作品が次々と上演されている細川俊夫による本作の上演は、国内外のメディアでも大きな話題となり、International Opera Awards 2025のWorld Premiere部門(新作部門)でファイナリストとして選出され、その公演映像を、2025年12月13日(土)午前3時から6か月間、OperaVisionおよび新国デジタルシアターにて無料公開することになった。

<公演レポ記事>
OperaVisionは、EUの文化支援プログラムCreative Europeの支援の下、Opera Europaが監修するヨーロッパ最大級のオペラ映像配信プラットフォーム。新国立劇場は2022年2月よりOperaVisionのプロジェクトパートナーとなっている。
大野和士芸術監督による日本人作曲家委嘱作品シリーズ第3弾として上演された、細川俊夫による新作オペラ。
現代音楽をリードする作曲家として、世界各国の主要なオーケストラ、音楽祭、劇場からの委嘱作品が次々と上演されている細川俊夫は、新国立劇場へは2018年に『松風』を上演して以来の登場、大野和士とのタッグで世界初演を行うオペラはエクサン・プロヴァンス音楽祭委嘱作品『班女』(2004年)以来。
人と自然の関わりを見つめ直し、祈りと鎮魂としての音楽を書いてきた細川俊夫は、特に2011年の東日本大震災以後は自然の恐ろしさ、そして自然への畏怖を忘れた人間の傲慢さを念頭に、破壊の歴史を繰り返す人間の姿を問い続けている。


新作の台本を手掛けたのは、ドイツを拠点に世界を見つめ、日本語とドイツ語で国境や言語をテーマにした小説を発表し世界的に評価される作家、多和田葉子。故郷を追われ彷徨う移民ナターシャと青年アラトの邂逅、そして人間の様々な地獄絵図を見せ二人を導いてゆくメフィスト的存在を核に、日本語、ドイツ語、ウクライナ語の多言語によって、現代文明と人間の始原の姿が対比。危機に瀕した地球のうめきが根底に響き、多文化を鍵に破滅と希望が描かれるオペラ。


概要
配信期間
新国立劇場オペラ公演『ナターシャ』(2025年8月17日上演)
2025年12月13日(土)午前3時~2026年6月12日(金)午後7時
(ヨーロッパ標準時間2025年12月12日(金)午後7時 ~ 2026年6月12日(金)午後12時)
配信メディア
・Opera Vision 公式サイト
(https://operavision.eu/)
・新国立劇場ウェブサイト内 新国デジタルシアター(https://www.nntt.jac.go.jp/stream/)
配信内容
新国立劇場2024/2025シーズンオペラ<新制作 創作委嘱作品・世界初演>
細川俊夫作曲『ナターシャ』
日本語、ドイツ語、ウクライナ語ほかによる多言語上演/日本語及び英語字幕付
収録日:2025年8月17日(日)
※インタビュー映像も特典映像として配信。
公式サイト:https://www.nntt.jac.go.jp
撮影:堀田力丸


