加藤拓也、2年ぶりの劇団書き下ろし、た組新作『景色のよい観光地』が1月上演。
密やかな“毒”が、静かな観光地を揺るがす。全キャスト5名からのコメントが公開された。
第67回岸田國士戯曲賞、読売演劇大賞優秀演出家賞など、近年の演劇賞を席巻し続ける劇作家・演出家 加藤拓也。
その最新作が、2年ぶりとなる“劇団のための書き下ろし”として誕生、緻密な会話劇が存分に発揮される作品となっている。
国内外の演劇関係者から常に新作を期待される加藤が、今回は「観光地」という一見のどかな場を舞台に、人間の奥に沈んでいる欲望や違和感をじわじわと炙り出していく。

作品の中心となるのは、山間にひっそりと佇む現代的な小さなお茶屋。
澄んだ空気と美しい景色に包まれた空間で、店主とそのパートナー、そこに集う客たち——
“穏やかに見える日常”の裏側に潜む、秘密の趣味と衝動が、来訪者の出現によって静かに輪郭を帯びていきます。
観光地のポストカードのような風景が、ふとしたきっかけで色を変え、気づけばその場の空気全体が揺らぎ始める——
公演は来年1月。ツアー公演あり。
コメント
作・演出 加藤拓也より
舌の上に機械を乗せると電気信号で味が再現できるようですが、食べちゃいけない物の味も成分を分析すれば、味が再現できて、食べちゃいけないものが体験できるようになるのではないかと思いました。食べられない物の中にも美味しいと感じる成分はあるはず。お話は鍼灸師がお茶屋になって食べちゃいけないものを食べる話で、沢山の人に観てもらいたいと思っています。
隆治役 平原テツ
今回の作品はマジで会話、会話、会話ですね。
まぁ、加藤くんの作品は毎回こうなんですが…ずーと皆んな喋ってます。
だからこそ丁寧にやらないと、スルスル〜と進んでお客さんを置いてけぼりにしちゃうの
で、受け取って貰えるようしっかりと創り上げていく所存です。
相変わらず加藤くんのキレっぷりが出てる作品なので、楽しみにして下さい。
健介役 ⽥村健太郎
僕は旅が好きです。知らない⼟地を歩いて、普段感じれないことを感じたり気づいたりし
ながら観光する。劇場もそういう場所だと思います。
⾒に来てくれた⽅を知らない場所にお連れできるよう、稽古したいと思います。
果たしてどんな景⾊が広がるのか。脚本を読みますと、ほのぼのとした観光ツアーにはな
らなそうな雰囲気です。ミステリツアーかクレジージャーニーか…乞うご期待!
前野役 安達祐実
加藤さんとまた舞台を作れることが、嬉しいです。
台本の2ページ⽬くらいで既に「これは⼤変なことになりそうだ」と思いました。でも⼤丈
夫! テツさんもタムケンさんもいるんだから! と⾔い聞かせています。
それにしても⼈間ってなんでしょう。⾒たくないものには蓋をして、平気な顔で⽣きてい
たりする。
みなさんの⽴っているその場所からはどんな景⾊が⾒えますか?しっかり⽴っていると思
っていたその場所が、観劇後にはグラグラと揺らいでいるかもしれません。
何はともあれ、楽しみながら⼀⽣懸命演じたいと思います。
宮⼝役 宮崎秋⼈
この度、た組に初参加します宮﨑秋⼈と申します。
「⼼臓が濡れる」で初めてた組作品を観劇してから、⼀ファンとして追っかけていたので念願叶っての出演です。初めて⼿にするた組の台本を⼼踊らせながら読んで、「うわーこの役を⾃分がやるのか」と、デビューの頃に近い感覚になりました。
脚本からざわざわするような⾳が鳴ってる感覚があっ新しい出会いを既に感じております。稽古が楽しみです。よろしくお願いいたします。
楊役 吳静依
即將要前往異地進⾏約三個⽉的排練及演出,既興奮⼜緊張。
⼈與⼈的接觸已經有很多的可能,更何況要⾯對的是不同⽂化之間的碰撞。
對我⽽⾔,⽇本不算陌⽣,在⽂化及⽣活⽅式上卻跟台灣有很多的不同。
我會帶著台灣的靈魂,與各位優秀的夥伴共事,在劇組中努⼒探索。
像是實驗、冒險⼀樣,想想就覺得很刺激!
これから3ヶ月ほど異国の地で稽古と公演に取り組みます。ワクワクすると同時に、少し緊張もしています。異なる文化との
出会いはもちろん、人と人との交流にはすでにたくさんの可能性があると感じています。
日本は私にとってまったく馴染みのない国ではありませんが、文化や生活様式には台湾とは大きく違う部分もあります。私は台湾の魂を胸に、素晴らしいチームの皆さまと協力しながら、さまざまなことを探求していけたらと思っています。それはまるで実験であり、冒険のようでもあり、考えるだけでワクワクしてきます!
あらすじ
⼭中の観光地にある現代的なお茶屋。健介と隆治は⼀緒に⽣活をしながら共同で店を経営している。健介は主にお茶やお菓⼦を担当し、隆治は経営や運営の全般を管理していた。隆治は「毒のある物を調理する」という健介の趣味に惚れ込んでいる。
お茶屋が開店して丁度⼀年が経ったある⽇の閉店後、近くの旅館で働く前野とオーガニックレストランを経営する宮⼝が店を訪れ、隆治が惚れ込む健介の趣味の存在を知る。三⼈はこの密やかな趣味をたくさんの⼈に共有するよう説得を始める。
概要
た組『景⾊のよい観光地』
作・演出:加藤拓也
出演:平原テツ ⽥村健太郎 / 安達祐実 / 宮﨑秋⼈ 吳静依(Jing Wu)
日程・会場:
東京:2026年1⽉17⽇(⼟)〜2⽉1⽇(⽇) 東京芸術劇場 シアターイースト
ツアー公演
札幌:2⽉14⽇(⼟)-2⽉15⽇(⽇) 北⼋劇場
⼤阪:2⽉21 ⽇(⼟)〜2⽉22⽇(⽇) ABCホール
舞台監督:⽵井祐樹 美術:⼭本貴愛 照明:佐藤啓 ⾳響:佐藤こうじ(Sugar Sound) ⾐裳:神⽥百実
演出助⼿:葛⻄祥太 国際コーディネート・翻訳:新⽥幸⽣(妥当解釈)
宣伝美術:増⽥圭吾 宣伝写真:関⼝尚志 宣伝写真編集:奥⼭⼤
宣伝写真ヘアメイク:伏屋陽⼦(ESPER)、⾚松絵⾥(ESPER) 宣伝写真フードコーディネート:やまさききよえ
キャスティング協⼒:ヤマウチトモカズ(Kosei)、ニシムラカズユキ(Kosei)
票券:川上詠⼦(ローソンチケット)、岩村優花(ローソンチケット)
制作部:湯川⻨⼦(quinada)、及川晴⽇(娑婆駄⾺)
協⼒:フォスター 空 イミリミ ワタナベエンターテインメント
提携:東京芸術劇場(公益財団法⼈東京都歴史⽂化財団)
助成:⽂化芸術振興費補助⾦(舞台芸術等総合⽀援事業(公演創造活動)|独⽴⾏政法⼈⽇本芸術⽂化振興会
主催:合同会社わをん企画 共催:有限会社quinada
公式サイト:https://takumitheater.jp

