詩森ろば 新作『海の凹凸 』上演

詩森ろばの新作『海の凹凸』が26年2月27日より下北沢のスズナリにて上演。水俣病を題材にした作品となる。出演は川田希、西原誠吾、荻野友里、杉木隆幸、かんのひとみ、山下直哉、串田十二夜、花岡すみれ、竹下景子。

企画意図
2024 年熊本市において環境省と水俣病患者との慰霊式後の懇談の場で、時間になったからとマイクを切られ強制終了された。水俣病が発生してから約 70 年。政府にも自治体にも加害企業にも、当時の人たちは当然ながら存在せず、ニュースを受け取る人たちにも水俣病がなにかを正確に説明できる人はほとんどいないなか、当事者である患者だけが一生続く長い病と戦い続けている。その声が闇のなかに葬り去られる前に、演劇のかたちで彼らの痕跡をとどめたいと考え企画。

物語
1980年代、東京。東亜大学で公害に関わる市民講座が開催されていた。大学近くで印刷屋を営む安元は、その講座の記録をまとめてほしいと依頼を受けたことを機として水俣に深く関わるようになる。
それから10年あまり、水俣病はじめとする公害問題の解決を見ないまま、講座は少しづつ衰退し、最後の時間を迎えようとしていた。
そこに横浜で水俣病の勉強会をしたいという希望を持った加山が訪ねてくる。
そして。

詩森ろばより

わたしの作家としての方向性を決定づけたのは中学生の時に読んだ石牟礼道子さんの『苦海浄土』です。水俣を描いたフィクションとノンフィクションを横断するこの文学に出会ったことで、わたしの人生は大きく決定づけられたと言っても過言ではありません。それから数十年、ジャーナリズムでなく、演劇のかたちで社会と向き合うことや、そのための在り方を、今も灯台のように照らし続けてくれています。
厳しい水質や大気の管理によってかたちとしての公害病は発生していませんが、今も変わらない経済重視の在り方で、世界的にも環境が破壊されており、それを生み出す社会構造はむしろ悪い方向へと向かっているように見えます。また国と企業のあいだで患者たちの人生が守られなかった痛みは、弱者を切り捨てていく現代へと繋がっている気がしてなりません。
水俣病は 70 年前の昔話ではなく、今を生きる私たちが学び、省み、そして生かしていかなければならない問題なのだということを、支援者たちの綺麗ごとばかりではない心の軌跡を辿る旅を通じて、伝えられたらと思っています。

概要
日程・会場:2026 年 2 月 27 日(金)〜3月8日(日)下北沢ザ・スズナリ
作・演出:詩森ろば
出演
川田希
西原誠吾
荻野友里
杉木隆幸
かんのひとみ
山下直哉
串田十二夜
花岡すみれ
竹下景子

美術 松岡泉
照明 榊󠄀美香
音響 青木タクヘイ
舞台監督 田中翼
演出助手 杜菜摘
制作 serial number
票券管理・デスク イビケイコ
宣伝 吉田プロモーション
企画製作 一般社団法人風琴工房

公式 HP https://serialnumber.jp/
公演情報 https://serialnumber.jp/next.html