初演時に「まさかの舞台化」と言われたこの作品、第2弾がパワーアップして再び、見参!
開演前は懐かしい70年代の歌謡曲が流れる。そして劇場での諸注意アナウンスは例の3人。実はゲネプロ前に珍しい、演出家からの言葉があった。「いろんな失敗もするかもしれない、スベッたぞ、とか、いろんな失敗を楽しんでください」と言いつつ、キャストの1人が怪我をしてしまったそうで「1人、車椅子で出て来ますが、怪我しちゃって……『よ、車椅子!』とか言っていいです、コール&レスポンスもあります。クックロビン音頭は突然出てきます」と言い、ここで練習。それから始まった。
まずは舞台に1人出てきたのは、ロビー少尉、月下美人を愛でて歌う。そして「宇宙に行きたい!」と言う。パタリロが統括するマリネラ宇宙局で働いているヒーリング能力を持つ青年技官で、宇宙飛行士になり月に行くのが夢。他人の怪我や病気を治す能力を持っているキャラ。そして「早くパタリロ殿下にお会いしたい」と言う。
そんなところに登場したのは、もちろんパタリロ殿下!ここから賑やかなオープニングとなり、歌って踊ってのシーン。観客はここでテンションアップ!なにやらタマネギ部隊同士で……「本当のことを言うんじゃない!」、そこへパタリロ、「僕の顔を見るとがっかりするってどういうことかな?」ここで観客は大笑い、早くも“つかみはOK”といったところだ。お約束のパペット、よく見ると誰かに似ている……原作者。これが、ちょっと可愛い!原作もそうだが、関係ないところでしばしば登場し、たまに重要な役どころだったりする。そこから何故か「はなとゆめ」のPRソングをパタリロ以下、全力で歌い踊る!ちゃんと出版社の名前も入れこんでおり、ここは大いに笑いながら。そこへ怪し過ぎる3人組が……タイミングよくバンコラン登場!事件が!そこへ!きれいな長い髪の、女と見まがう美貌の美少年が!一陣の風のように(風、起こる)現れる。彼は一体……何者なのか……。
前回同様、お約束シーンたっぷり。バンコランがタバコを吸おうと喫煙室に入ると、そこへどこから来たのか関取がやってきて喫煙室で押し合いへし合い、バンコランが押しつぶされる!とか、ビームもしっかり、マライヒは相変わらずの美少年ぶり、原作同様の破壊的ギャグの応酬だ。タマネギ部隊はパタリロのよいおちょくり相手であるが、逆にパタリロをおちょくることも。しかも常にテンション高く、自分達が失敗するとそれの後始末をパタリロにやらせたりする、という武官部隊。エリートであるはずだが……な行動は素直に笑える。
この作品はとにかく難しいことは考える必要がなく、目の前で繰り広げられるおバカなギャグ、台詞で笑って笑って、でOK。途中で、確かに唐突にクックロビン音頭も出てくるので、ここはしっかりと客席で!
加藤 諒のパタリロは、もう原作から出てきたかのようで、そのもの感が強い。バンコラン、マライヒも当たり役、期待通りのキャラだ。また、今回初登場の小林亮太演じるビョルン&アンドレセン、綺麗な髪をふわふわとさせて、マライヒに負けず劣らずの美少年ぶり。「パタリロ!」らしいキャラ構築度でファン納得。三津谷 亮のロビー少佐も生き生きとしており、どのキャラクターもしっかりと「パタリロ!」、なんとコレで映画化もするので、こちらも期待、大!
なお、ゲネプロ前に囲み会見があった。登壇したのは加藤 諒、青木玄徳、佐奈宏紀、魔夜峰央、池田テツヒロ、小林顕作。
まず、加藤が挨拶「遂に初日、ドキドキしています。人気エピソードが入っています」とコメント、続いて青木が「プレッシャー」という言葉を口にした。なんと言っても前回のインパクト!「力を合わせて面白いものを創っていきます」と挨拶。佐奈は「美を目指し続けてきました。ストーリーがばーーーっと動きます。バンコランのためだけに生きようと」と語る。脚本の池田テツヒロは「前作より面白くなっています」と胸を張る。演出の小林はサングラス、結膜炎とかで「池田クンを道連れに(池田もサングラス)。演出、頑張りました!仲間も増えてパワーアップしました」と語る。原作の魔夜峰央は「前回を上回ること、間違い無し」と太鼓判。またパタリロ役を演じるにあたって加藤は「実はずっとしゃべってる役っていうのはあんまりない」と語る。台詞の量の多さはなかなかのもの。青木は「キャラクター自体がいいキャラクター、このチャンスをくれたこと自体がありがたい」とキャラとの出会いに感謝。佐奈は「愛を!人としても俳優としても愛を!そして愛は薔薇です!」とマライヒらしく。小林は「みんな仲がいい」と語る。「最後にばーーーと、みんな、そこに向かって頑張ってシーンをつくっています」と語る。魔夜峰央はこの作品の舞台化にあたって「生きている人間がやるとは思わなかった」と語り「びっくりした!加藤さんを見て『あ、いた!』と。パンコランはかっこいい、この3人は本当にはまり役です」とまたまた太鼓判。さらに「この3人がいれば何でも出来る」とコメントした。池田は「かつて笑ったギャグをそのまま使いました……エンターテインメントに徹して!」とコメント、それを受けて小林は「歳が近いんで~小さい頃にハマった、あの時に感じたものを~」とコメント。また原作者からのアドバイスについて加藤は「パタリロという役を自分に寄せてやればいい」と言われたそう。
そんなこんなで、ここで重大発表が……天井にはくす玉が……タマネギ部隊も登場し、賑やかになったところで、小林の仕切りでくす玉を!紐を引っぱるとそこには“祝”の文字と“「パタリロ!」映画化”の文字が!まさかの映画化!ということだ。「キャストもそのまま、みんなほぼ一緒!2018年秋、お楽しみに」とコメント。撮影は既に終了しているとのこと。魔夜峰央は「内容はわかりません。舞台そのままやる、とは聞いてましたが、見当もつきません」とコメント。小林は「びっくりするような映画に仕上げたいです」と語る。加藤は「2.5次元を映画にしたって感じ。映画ならではの表現もあります。CGもたくさん使っているシーンもあります」とちょっとだけ映画の内容をコメント。小林は「既存の映画を覆したい」と語って会見は終了した。
【公演データ】
<東京>
2018年3月15日(木)~3月25日(日)
天王洲 銀河劇場
<大阪>
2018年3月30日(金)~4月1日(日)
森ノ宮ピロティホール
原作:「パタリロ!」魔夜峰央
脚本:池田テツヒロ
演出:小林顕作
出演:
パタリロ:加藤 諒
マライヒ:佐奈宏紀
ビョルン&アンドレセン:小林亮太
タマネギ部隊:
細貝 圭 金井成大 石田 隼 吉本恒生 蒼木 陣
魔夜メンズ:
佐藤銀平 吉川純広 富岡晃一郎 三上陽永 柴 一平 香取直登
掛川僚太 大澤信児
ロビー少尉:三津谷 亮
バンコラン:青木玄徳
※魔夜メンズとは?
魔夜峰央の世界観全てを表現することが出来るスペシャリストに与えられた称号。
別名、スペシャルエキストラ。
声の出演:
大塚明夫
三田村賢二
大堀こういち
池田鉄洋
【新情報!】
※「パタリロ!」映画化決定!2018年秋ロードショー
出演:加藤 諒、青木玄徳、佐奈宏紀 ほか
※第二弾新作公演DVD化決定!
2018年7月27日
6800円(税込み)
※4月2日正午より
dアニメストアにてレンタル販売決定!
https://anime.dmkt-sp.jp/animestore/CP/CP00000824
※ディレイ・ビューイング決定!
2018年4月2日 19:00~
http://liveviewing.jp/patalliro/
※カラオケの鉄人とのコラボ企画、実施中!
2018年3月15日~4月30日
http://www.karatetsu.com/musical/patalliro
主催:ネルケプランニング/キューブ
https://www.nelke.co.jp/stage/patalliro2018/
(C)魔夜峰央/白泉社
文:Hiromi Koh