民俗伝統をベースに多彩な表現に挑むわらび座(仙北市)は、秋田の竿燈をはじめ東北6大祭りを一度に体感できるステ-ジ「祭シアタ-HANA」。
「HANA」は2023年の秋田市初演からこれまでに1万人以上を動員。客席に300台の太鼓と、200個の提灯を設置、観客も太鼓を打ち鳴らし、提灯を振って参加することで会場が一体となる面白さと感動が大好評、いよいよ初の東京公演。
席種により、太鼓・提灯・うちわの3つの異なる体験が楽しめる本作。人気席は太鼓シ-ト。

文化庁の補助や協賛による、18歳以下の子ども観劇無料招待(保護者半額補助あり)も追加申し込み受付中。
子どもから大人まで、さまざまなボーダ-を超えて楽しめる祭り、東京公演に先駆けて制作発表会が行われた。

出席したのは秋田県知事 鈴木健太、東急株式会社社長室副室長 鈴木誉久、「HANA」脚本・構成の横内謙介、演出家、栗城 宏、振付のラッキィ池田。
主催・企画・制作のわらび座代表理事の今村晋介。

まずは今村晋介より挨拶。

「わらび座は来月で創立75周年を迎えます。この大きな節目に秋田で生まれた『HANA』、本作はコロナで苦境に立たされた私達が、今、自分たちに何ができるのか、必死に取り組んで生み出した作品でもあります。人類はどの時代も苦しいときこそ歌い踊り手を取り合うことで、困難を乗り越えてきた歴史があります。その生きるための祈りや願いの結晶が祭りであります。秋田県での上演では、既に1万人の方々が観劇してくださいました。

客席が、会場が、一つになる熱狂を目の当たりにし、観劇してくださった皆様から世界の人に見てほしい。ぜひ、東京で公演して欲しい、多くの声をいただきました。本作はセリフのないノンバーバルなドラマとして、言葉の壁を越え、誰もが楽しめるエンターテイメントです。私達は日本の祭りを世界に通じる究極の体感型祭りエンターテイメントへへ進化させました。

震災から15年という節目を迎えるこの3月、東急株式会社様のご協力をいただき、秋田県の助成事業として新宿から東北の魂を震わせます。300台の太鼓や200個の提灯、そして客席をも包み込む桜吹雪、この圧倒的な体感を通して、東北の魅力を発信して、1人でも多くの方々が秋田の地を訪れるきっかけとなるような事業になるように心から願っております」

横内謙介「最初にお話をいただいたときはまだコロナの完全収束という感じではなかった。コロナは厄介なもので、ライブ活動そのものを制限、そこからともに立ち上がってきたという感じで何かメッセージを、と思ってました…ショッピングだけではなく、観光だけでなく、我々が外国行ったときに必ず何かを見たりするわけです。わらび座がやる…経営再建の最中にそんなお金があるはずない、とても無謀なチャレンジだと思ったんですが、やっぱりわらび座には75年培ってきた財産がありました、埋蔵金と言ってもいいかもしれない。民謡や民舞、歌にしても、わらび座は秋田の風土のものだけではなく、全国日本全国の踊りを集めて研究して、それを伝承していくという作業を、実はもう最初からやっていて、それと同時に、現代的なオーケストラを組み合わせて。


我々がやったのは、『HANA』を作り、うまくいったのは、伝統芸能の”埋蔵金”と、ラッキィ池田さんと彩木さんの新しい感覚の踊り、栗城さんの力で上手く融合させて、そしてものすごく歴史を重みを持った説得力のあるものと出会う。今回はかなり大規模に東京でできる、このチャンスをぜひ使ってほしいなと切に思います」

ラッキィ池田「振付けは僕と彩木と、伝統芸能の方は、森下彰夫さんと鈴木潤子さんがしっかりと受け継いでやっております。ちょっと伝統の話の前に、持続可能な近未来型国家モデル選定会議がございまして。世界150カ国以上が参加したもので、最新AI『アトラス』が0.5秒で導き出した答え、『アトラス』は経済指標だけでなく、教育、医療、環境、文化、倫理、そして国民の幸福度まで、5000を超える項目を同時に解析する能力があり、AIが選んだのは『日本』。しかも『他国が日本を超えるのは不可能』、ダントツで日本、おかしい、経済が低迷していて、人口も減少して、お年寄りが多くなってますが、そこではない。AIが何を読み込んだかというと、水道の蛇口をひねれば飲める水が出てくる。電車は時刻通りに来る。治安がいい、夜10時以降歩いてても別に怖くはない。医療もみんなが受けられる。で、ほとんどの人が読み書きができる。学力も、上と下の差がそんなにない、近年、勤務労働時間が短縮されても品質は落ちない。なおかつ持続化のメンテナンスできるものが作られていると…こんな国はない。


あともう一つは、先ほど横内さんがおっしゃった伝統、これを引き継いでいく。伊勢神宮は20年ごとの修復作業を1300年続けて行っている。わらび座さんは75年の中で本当に代々、私達の時代はこうだったんですよ。もっときつかったですよとか言いながら引き継いでるもの、今、現在、これが『祭りシアター』として生きるわけです。日常の日本人の日本という国の日常の延長に祭りがあるんだということを知ってほしい。受け継がれてきた祭り、その祭りを見て、感じることによって、この日本、国家モデルそのものを各国が勉強してほしい。日本の中では若干治安が悪いと言われてる歌舞伎町のど真ん中でやる、いろんな人に、特に日本人にも見てほしい、自慢にしてほしい。日常を大事にしていこうという心の支えになってくれればいいなと思います」

栗城 宏「私はこの作品、三つの魅力があると思っています。一つは、踊りが圧倒的に躍動的であり力強く、そして優しさがあり、豊かな踊りを踊っていることです。わらび座の役者自体が、踊りが本当に好きなんですね。『HANA』に出ることを誇りに思い、日常訓練も欠かさずに、踊ることに本当に邁進している、目前にしてみんな沸き立っている、そういうわくわくした踊りを見ていただける。これは東北6大祭りの伝統芸能もそうですし、ラッキーさんや彩木さんが作ってくださった踊り、ノンバーバルでもわかるストーリー性が持っているダンスを作っていただいているので、そういう意味で踊りがとっても魅力的に映ると思います。


それから二つ目はですね、鬼とこけしの2人のドラマ、これもまたノンバーバルですが、最初はあの震災で何もなくなってしまった高田の一本松を思わせる、その松のところで、破れてしまった太鼓が蘇っていくところから2人が出会って祭りも蘇っていく。人々が手放してしまった祭りがどんどん復活していく。コロナで一度、2度目の祭りが消えてしまう。そして3回目は、もしかしたらこれから起こるかも知れない危険な戦争ですね。


これまでも体験してきましたけれども、未来を考えたときにある危機感を感じる、今回は秋田でやっていたときとは違った視点で、その戦争を捉えていきたいなと…横内さんからも宿題をいただきまして、今、苦闘しているところですが、東京で新たな視点で、ミラノ座で打ち出していきたいなと思っているところです。


そして最後は観客参加型。単純にエキストラ特典として太鼓が座席にある、というのではなく、かつて祭りはその地域の人たちが主体的に祭りを担っていて、例えば身近な人が亡くなったらその人のことを思って祈り踊ってきて、そこで太鼓を叩くこと、提灯を振ること…お客様自身が祭りに主体的に参加する。参加できる。観光資源だけではなく、その人から湧き出るエネルギーが太鼓に込められて舞台上の役者と一つになれる、そういう体験ができる。祭りに身も心も体験できる。そこがこの作品の大きな魅力だと思っています」

鈴木健太「秋田人にとっては馴染みのわらび座。東北や秋田にはお祭りがいっぱい残ってるんです。お祭りという営みの持つ価値は、私は思ってたよりも大変大きいものとを改めて感じました。それが日本の持続可能性であり、その魅力の一角を成していることを思い知りました。

ますますこの『HANA』の魅力を見てみたいなと…これは見ないといけないものだなということを痛感をいたしました。わらび座さんは75年間秋田でずっと演劇活動を続けてきて、紆余曲折を経ながら、このように素晴らしい作品に挑戦をされている。実現に当たっては企業版ふるさと納税でご協力いただいた企業の皆様そして、秋田県と包括連携協定を結んでいただいている東急さん、ご協力をいただいております」

鈴木誉久「秋田県と2023年に包括的な連携協定を締結させていただいており、そのご縁がありまして、これまでにも秋田の豊かな文化、あるいは観光の魅力を首都圏にお住まいの皆様にお伝えをするお手伝いをさせていただいております。今回の祭シアターにおきましても、東北6大祭りの熱量を広くお届けするべく、渋谷スクランブルスクエアでの大型ビジョン放映、あるいは当社線東急線全線での社内の広告でプロモーションのご協力をさせていただいております。

THIEATER MILANO-Zaは東急歌舞伎町タワー内、歌舞伎町で栄えてきた大衆娯楽文化の歴史やDNAを現在に受け継ぐライブエンターテインメント、新宿歌舞伎町の様々な文化が交差する場所で、『HANA』の公演、新しい文化の発信の形、大きな挑戦であり、また誇りでもあります。この公演が新宿を訪れる国内外の多くのお客様を魅了し、秋田と東京そして世界を繋ぐ大きな架け橋となることを確信しております」


それから質疑応答。
インバウンドについての質問。
「最初からインバウンドのお客様を狙って英語の字幕を出すとかそういうことは意図的に、狙ってやってきています」と栗城 宏。また留学生の無料招待も実施し、手応えを感じたという。また、今回の東京公演に向けてブラッシュアップ中とのこと。「現代における戦争への危機感」また東日本大震災をイメージして祭りが震災によって消えてしまった、そこから演奏があり人々が戻ってくる場面についても手を入れる、とのこと。


また、改めて作品の魅力について横内謙介は「今回はとても素晴らしい映像作家が秋田にいたし、作曲家も秋田の人。また、ラッキィ池田さんが振付、劇団員たちは現代っ子なんでみんなロックンロールもできちゃう。リズムの面白さだとか、今の今どきのリズムと何が違うのか、もしくはどこが繋がってんのかみたいな発見があります。とにかく情報が今、全てスマホの中にあって、でもここに来て太鼓の音もやっぱり(生で)聞くことで全然違う、実際に叩くと自分の音が響く。ボタンを押すだけでないもの、そういうもの体で体験することが生まれたらいいなと思います」
ラッキィ池田は20代の頃に「ディスコでジョン・トラボルタに憧れて」ダンスを始たそう。そして「体を動かすことでコミュニケーションを取る」とのこと。
公演は3月14日より。

祭シアタ-「HANA」東京公演概要
日程・会場:3月14日(土)~3月22日(日) 新宿 東急歌舞伎町タワ-6F THIEATER MILANO-Za
主催・企画・制作/一般社団法人わらび座
助成/秋田県(企業版ふるさと納税活用)
協力/東急株式会社
後援/一般社団法人東北観光推進機構、
一般社団法人秋田県観光連盟、青森市、秋田市、盛岡市、山形市、仙台市、福島市
子ども招待応援協賛/株式会社パ-ムヒル
令和7年度文化庁 劇場・音楽堂等における子供舞台芸術鑑賞体験支援事業
特設サイト URL:http://matsuri-theater.jp
舞台撮影:コンドウダイスケ


