蒼井翔太,青木エマetc.出演のサラ・ベルナールの『サロメ』、2月26日より3月1日までシアター・アルファ東京にて上演された。サラ・ベルナール役は蒼井翔太、青木エマのWキャスト。


「サロメはこうじゃない!」紙を激しく丸める、アルフォンス・ミュシャ(和合真一)。アール・ヌーヴォーを代表する画家、彼の出世作は1895年、舞台女優サラ・ベルナール(蒼井翔太,青木エマ Wキャスト)の芝居のために作成した『ジスモンダ』のポスター。だが、この作品はサラ・ベルナールにとっても、エポックメイキングなものであった。

史実とフィクションが交錯し、そこに劇中劇も内包し、サラ・ベルナールやアルフォンス・ミュシャ、登場人物を立体的に、リアリティを持って存在させる。また、ミュシャはここではストーリーテラー的な立ち位置も担う。「あれは1899年…」と語り、時間軸が遡る。
劇中劇の『ハムレット』は最後のクライマックスの部分。緊迫した戦い、その顛末は有名。そのあと、サラは誰もいない舞台でオフィーリアを演じる。蒼井翔太のサラ・ベルナールでゲネプロ観劇をしたが、性を超越してさまざまな役を演じたサラ・ベルナールとシンクロする。




また、劇場は恵比寿のシアター・アルファ東京、小振りの劇場で、客席通路も使う演出、また劇中劇では、観客席は、その劇中劇の客席にもなるので、劇中劇への没入感も感じられる。この作品のタイトルは”サラ・ベルナールの『サロメ』”、だが、生涯を通じてサロメを演じることはなかったとのこと。オスカー・ワイルド(白柏寿大)はサラに芝居を書かせて欲しいと言う。

それが『サロメ』、聖書から題材を取った作品で、サロメが預言者ヨカナーン(聖ヨハネ)の首を希望し、斬首させ、その首にキスをする、と言うくだりは有名で、劇中劇でもここが中心。その公演を変装して見たサラが、「サロメは自分にしか演じられない」と思い、高らかに宣言。一方、オスカー・ワイルドは同性愛の罪で投獄、セリフで語られる。


当時のイギリスでは罪に問われる、よってワイルドは投獄される。この物語では、サラが『サロメ』を演じようと決意して上演までの道のり、「IF」、もしもそうだったらのロマン。全身全霊をかけて挑む姿勢。あくなき追求、ラスト近く、白い衣装を身に纏ったサラ、その姿は凛とした佇まい。そんなサラを見つめるミュシャ。

彼女の姿に魅了され、彼が描くサラのポスターは細かいところにまで装飾が施されており、あくなき美の追求、エレガント。ラストはそんなミュシャの作品を彷彿とさせるシーン、サラ・ベルナールがいたからこそ、ミュシャがいた。彼がサラを描き続けたからサラ・ベルナールは”サラ・ベルナール”であり続けた。サラが踊るシーン、エレガントな振り付け。公演は終了したが、再演を期待。
<サラ・ベルナール:青木エマ>




<蒼井翔太×青木エマ インタビュー>
あらすじ
1895年、サラ・ベルナールのために急遽デザインした『ジスモンダ』のポスターで、アルフォンス・ミュシャはアール・ヌーヴォのスター・デザイナーとなり、サラはミュシャと6年間のデザイナーとしての専属契約を結んだ。ミュシャによって描かれたポスターの姿によってサラの演じたキャラクターは、その姿を永遠のものとしている。
物語は1899年、サラ・ベルナール劇場の来シーズンのオープニング演目のためのポスターをデザインするため、事前にインタビューをする約束をしていたミュシャが、サラが『ハムレット』でハムレット役を初めて演じた日の終演後、楽屋を訪ねるところから始まる。“もう少女役をやることはないでしょうから”と言うミュシャに対し、54歳のサラは観客のいなくなった舞台で少女役のオフィーリアを演じて見せる。年齢、性別を超えてあらゆる名作の主役を演じてきたサラに対して、ミュシャは女優の表現力に深く感銘を受ける。“もうやり残した役はないのではありませんか?”と尋ねるミュシャにサラは世界初演を阻まれた『サロメ』を挙げ、当時の思い出話を始める。
1890年10月、パリでサラのためにヴィクトリアン・サルドゥが書いた『クレオパトラ』の初演が行われた際、オスカー・ワイルドが観劇に訪れ、終演後にサラに自分に芝居を書かせてくれるようにと頼む。題材は聖書からオリジナルに発展させた『サロメ』だと。
1892年7月、サラ主演で上演する予定でロンドンにてリハーサルが進んでいた『サロメ』は、聖書の物語を舞台で演じること、そして聖人殺しが描かれることでロンドン当局から上演が禁止された。ワイルドが同性愛の罪で投獄された翌年の1886年に、『サロメ』はパリ、ルーヴル劇場にてリナ・ムンテのサロメ役で世界初演されたがその場にはワイルドはおらず、サラが演じることはなかった。
本作ではその公演を変装して見たサラが、「サロメは自分にしか演じられない」と新シーズンのオープニング演目とすることを決意し、密かに準備していたという設定で物語が進む。
概要
タイトル:サラ・ベルナールの『サロメ』
日程・会場:2026年2月26日 (木) 〜 2026年3月1日 (日)シアター・アルファ東京 ※公演終了。
※開場は開演の30分前予定
出演
サラ・ベルナール役:蒼井翔太/青木エマ
アルフォンス・ミュシャ役:和合真一
オスカー・ワイルド役:白柏寿大
ヴィクトリアン・サルドゥ役:横田龍儀
ヘロディアス役:原真善美
ヘロデ王役:鼓太郎
主任検閲官役:近藤貴郁/飛鳥翔世
マネジャー役:咲楽ゆうり
アンサンブル役:高橋朋大
作・演出:田尾下哲
振付:キミホ・ハルバート
美術:杉浦充
照明:稲葉直人
衣裳:幅上ちさと
音響:松木優佳
ファイトディレクター:新美智士
演出助手:白羽リナ
衣裳進行:春奈
舞台監督:中島透
宣伝美術・WEB制作:礼泉堂
撮影:立川賢一
ビジュアルヘアメイク:茂木美緒
本番ヘアメイク:太田順子/石津智美
制作:進藤龍/黒川明子
協力:株式会社インゴットエンタテイメント、株式会社ウイント、株式会社エイチエスプロモーション、株式会社二期会21、株式会社HIDEKO事務所(50音順)
プロデューサー:伊藤綾美
製作:ZERO project/TTTC

