流山児★事務所 新版 『夢の肉弾三勇士』3月12日開幕 コメントも_

流山児★事務所の新版 『夢の肉弾三勇士』が3月12日に開幕。ウクライナ侵略、ガザの虐殺と悲惨な戦争が世界を覆う現在、戦争の歴史を描くコラージュ作品を連続上演してきたが、2023年『瓦礫のオペラ〜戦場のピクニック』アラバール『戦場のピクニック』『ゲルニカ』というスペイン内乱の物語と、宮澤賢治『飢餓陣営』をコラージュした反戦劇を創り上げた。
24年『叛乱のオペラ〜喜劇阿部定1936』は佐藤信の『喜劇阿部定』と岸田國士『風俗時評』を錯綜させ2・26事件と阿部定事件を題材に太平洋戦争前夜の庶民のありようを描き12ステージ超満員の大ヒット作。
本作『新版 夢の肉弾三勇士』は、関東大震災の朝鮮人虐殺と日中戦争の泥沼に突入するきっかけとなった上海事変の爆弾三勇士伝説を軸に戦争へと向かうポピュリズムの熱狂に着眼点をおき、55年前に流山児祥が執筆した本作を、鹿目由紀(劇団あおきりみかん)が大胆に脚色し、その後の「55年」も投影し「現代とも地続き」であることを新たに意味づけていく。
流山児祥が55年の時を超えて、独自の、ダイナミックで自由な肉体性=批評性を持った様々な世代の役者たちとコラボレーションし群像音楽劇に創り上げていく。

コメント
脚本家 鹿目由紀より
『夢の肉弾三勇士』との出会いは、名古屋の老舗小劇場・七ツ寺共同スタジオ50周年記念公演として戯曲の脚色を頼まれた時でした。1972年に同劇場の柿落としで上演されたこの作品には、タイトルロールである、肉弾三勇士の「美談」を軸にして、その時代のありとあらゆる空気がごった煮のように詰め込まれていて、全然わけがわからないのに(笑)心動かされる作品だなと感じました。20代でこれを書いた流山児さんは凄いなあと思いつつ、記念公演では原作を生かして脚色をさせて貰いました。

今回、1971年初演から55年後、流山児★事務所さんで「新版」としての上演ということで、流山児さんといろいろ話をして、もう一度原作に立ち返ってから大幅に書き直しました。もちろん初演の「魂」は残しつつも、まったく新たに生み出したという感覚です。だいぶ前ですが、流山児さんから大逆事件のミュージカルを書いて欲しいんだと突然電話がかかってきたとき、あまりの勢いに「分かりました」と即答した記憶があります。その無茶振りは、思いもよらない力を自分にくれました。今回も「いま」だからこそ舞台でやるべきものになったと思います。主に3つの時代を軸にした「奪われ続ける」人間たちの物語を、体感していただけたら幸いです。
 

演出家 流山児祥より
2026年、世界は激動の時代に突入したようです。弱肉強食の帝国主義=植民地主義の復活を思わせる戦争の時代。
知らず知らずのうちにバラまかれたフェイクは憎悪の粒となり、ネットの闇を吸い分断を生み、どす黒い集団狂気へとエスカレートする。
『新版 夢の肉弾三勇士』は、関東大震災の流言飛語による朝鮮人虐殺、第二次大戦中のナチスドイツによるユダヤ人虐殺(水晶の夜)、上海事変のデッチあげの軍神=爆弾三勇士伝説の三つの「フェイクが生んだ物語」を描きます。
70年代アングラ小劇場が生んだ異色の「反戦音楽劇」を、鹿目由紀が2026年のイマのドラマに再生した新作それが『新版 夢の肉弾三勇士』です。
わたしたちは戦争体験を持たない世代にこの「非戦」と「自由への意思」のドラマを継承します。
22歳の過激なるロマンチスト=流山児祥に戻って、元気な役者たちと一緒にガンガンイキマス!
ぜひ、早稲田で観てください。

あらすじ
「いま」という名の暗闇の真っ只中。戦争は、しれっと開始している。
そんな中、とある「少女歌劇団」が、プロパガンダ歌劇の稽古に励んでいた。
ところが歌をうたっている最中、突然、100年前の「ナチス・ドイツ」にタイムスリップしてしまう。
一方、関東大震災で兄を殺された朝鮮人の妹・アンジェリータは時空を超えて、上海事変の「肉弾三勇士」に遭遇する。
兄を求めてアンジェリータは旅をする、戦後の焼け跡、震災、戦争、「おまえが毒を入れた」と言われた井戸の中…。

そこに流れる《歴史の海》は広く時空を越え、次第に繋がりを見せ始める。
そこで少女歌劇団が見たものは?アンジェリータが見たものは?

あちこち飛び交う流言飛語(りゅうげんひご)の翼は撃ち落とされるのか。
流山児祥が1971年、20代で記した戯曲の足跡、その爪先だけを残して「新しく」生まれ変わった物語。
およそ三世代を股にかけてお送りする、奪われ続けた「100年」の物語。
2026年の『新版 夢の肉弾三勇士』、とくと、ご覧あれ。

概要
流山児★事務所 2026年春公演
新版 夢の肉弾三勇士
日程・会場:2026年3月12日(木)〜23日(月)Space早稲田
原作・演出 流山児祥
脚本 鹿目由紀
音楽 珠水

公演サイト:https://www.ryuzanji.com/20/26niku.html