安部公房の名作『砂の女』の舞台化が森田剛主演で3月19日、紀伊國屋ホールにて開幕する。1962年に発表され、翌年には読売文学賞を受賞。20以上の言語に翻訳され、世界中で読み継がれる『砂の女』が、脚本・演出の山西竜矢により、現代の舞台表現で再構築される。
なお、勅使河原宏により、岡田英次と岸田今日子の出演で1964年の同原作の映画は、日本映画史に残る名作として今日も評価が高い。
物語
教師の男・仁木順平(森田剛)は夏に休暇を取り、昆虫採集のために海際の砂丘に赴いた。
そこには、一風変わった村があった。家々がまるで蟻地獄の巣のように、砂丘に深く掘られた穴の中に建っており、どれもこれも今にも砂に埋もれてしまいそうなのだ。変わった村もあるものだと思いながら、男は村の老人に勧められ、そのうちの一軒に泊まることに決めた。家の中では、断続的に降り注ぐ砂に家が埋まってしまわないよう、家主の女(藤間爽子)がひとりせっせと砂掻きに精を出していた。翌日男が目を覚まし、地上に出ようとすると、外に出るためにかけられていた縄梯子が無い。不思議に思う彼だったが、なんとそれは村の人々の仕業だった。ひっきりなしに穴から砂を運び出さなければこの村は埋まってしまうため、村人たちは砂掻きの人手を求めており、男を騙して村に引き留めようとしていたのだ。男は困惑するが、砂を掻かずに逆らうと水が配給されなくなってしまうため、女と砂を掻き出しながら奇妙な同居生活をせざるを得なくなる。なんとか砂の穴から脱出しようと、思いつく限りのあらゆる方法を試みる男だが…..。
初日に先駆けて、取材会が行われた。登壇したのは森田剛、藤間爽子、脚本・演出の山西竜矢。
会見ではまず、「男役をやります森田剛です。部落の砂の穴に監禁されてそこから逃げようとする男やります。
「女役の藤間爽子です。剛さん演じる男を監禁する女の役です。砂の穴の中で1人で暮らしている女性です。」と挨拶。

そして、森田からは「演出の 山西さんとは以前から面識があり、「砂の女」にやりたいと聞いた時、僕自身も映画の「砂の女」が好きで知っていた。若い年齢の映画を撮り舞台の演出もする方が、「砂の女」をやるのはすごく興味が湧き、ぜひという形で参加しました。稽古では、山口さんがイメージしてる演出をみんなが汲み取って、動いてみたり、大胆な発想もあり、丁寧な、一つ一つみんなで積み上げてきました。 」
藤間は「私は山西さんとも、(森田)剛さんとも、今回が初めてですが、お話をいただいて実際に台本と小説と映画を読んで観て、これは私にとって挑戦になると思って引き受けましたが、やはり実際にお稽古を重ねると、本当に大変な役だと思い、今苦労しながら、明日初日を迎えるところです。そして、皆さん優しくて穏やかな方ばかりだったので、穏やかな稽古の毎日でした。砂の世界観を限られた空間の中で作り上げていくことは、山西さんもきっとたくさん苦労されて、積み上げていき、輪郭がしっかりしてきたなって思っています。」
演出の山西からは「台本の執筆は僕自体が安部公房のファン、そして大好きな作品であり、今回この作品を演劇としての上演にあたり、忠実にやりたい思いで、大きなアレンジは加えない思いでやりました。ただ、演出的な部分でやはり舞台空間に立ち上げると、当然小説の世界や映画の世界での事は出来ない訳で、実際の砂はないので、演劇空間でどのように出来るかと意識しながら、台本を書いきました。
稽古では、「砂の女」の話自体がやっぱ反復というか、砂の穴の中にいる2人の話なので、同じことを何度も繰り返してると、どのシーンにいるのかわからなくなりました。その小説を読んでいる時の、あの迷路の中に迷い込んだような感覚に、演者も演出してる僕も入り込んで、今どこをやっているんだみたいな、ぐるぐる回転する、それは今回不思議な自分が書いたものでない原作をやるのは初めてでしたので、発見でもありました。」 と語った。

概要
公演名称 : 『砂の女』
日程・会場:
東京:2026年3月19日〜4月5日 紀伊國屋ホール
仙台:2026年4月8日 電力ホール
青森:2026年4月11日 SG GROUPホールはちのへ (八戸市公会堂
大阪:2026年4月18日〜4月20日 森ノ宮ピロティホール
脚本・演出: 山西竜矢
原作 : 『砂の女』安部公房
キャスト : 森田剛 藤間爽子 大石将弘 東野良平 永島敬三 福田転球
企画・制作: レプロエンタテインメント
製作: 「砂の女」製作委員会
協力: Abe Kobo Official through Japan UNI Agency, INC.
公式 HP: https://stageoffical.com/sunanoonna/
©1962 安部公房

