早霧せいな主演 浪漫活劇『るろうに剣心』明治の世、逆刃刀を持って剣心が走る!魅せる!

大人気コミック「るろうに剣心」、舞台化は宝塚歌劇団で2016年に雪組で上演、早霧せいなの剣心が話題になったが、2018年10月、再び、早霧せいな主演の浪漫活劇「るろうに剣心」が見参!
舞台上に映像でタイトルロールとあの頬の傷が浮かび上がり、いよいよ!なオープニング。江戸末期の動乱、維新の志士たち、そして新撰組、そこへ緋村抜刀斎(早霧せいな)、派手な殺陣の後、歌う緋村抜刀斎。

そして場面は京の島原、頭巾で顔を隠した加納惣三郎(松岡 充)、彼はそこの花魁に入れあげていた。緋村抜刀斎と加納惣三郎の出会いである。そして、幕末の志士と新撰組の戦い、ここまでがスピーディに進行、瞬く間に明治の世になる。

文明開化、散切り頭、新聞、時代は大きく変わる。斎藤 一(廣瀬 友祐)は警部補となっており、人も価値観もガラリと変わる。人斬り抜刀斎が出没しているという噂、事件の予感、そして神谷 薫(上白石萌歌)や明神弥彦(GPは大河原爽介)との出会い、人気の牛鍋の店、相楽左之助(植原 卓也)との会う場面(歌舞伎調で登場)、こういったところはユーモアと温かみのある場面だ。


人斬り抜刀斎として恐れられてきた剣心がなぜ、逆刃刀を持つようになったのか、頬の傷の由来、もう人は切らないことを決意するようになった彼の心、薫の淡い恋愛感情、強くなりたいと願う弥彦、こういった気持ちを丁寧に描き、歌、アクション、殺陣、娯楽性も高く、作品ファンはもちろん、そうでない観客も楽しく観られる。謎の女・恵(愛原 実花)、名前を変えて明治の世に影で暗躍する加納惣三郎、アヘンで身を滅ぼす人々、そんな折にガルニエ宮殿を模した華やかな店に招待された剣心たち、そこには、あの加納惣三郎が最先端のファッションに身を包み、政治家たち、そうそうたるゲストに挨拶していた。
「生きていたのか!」と剣心、薫に近づく加納、隠れようとする恵、事件の幕が切って落とされようとしていた。


宝塚時代に評判をとり当たり役となった早霧せいなの剣心、再びチャレンジ!であるが、全く違うキャストに違う劇場、それでもピタリとはまる。また男性陣とのアクション、殺陣もカッコよくスタイリッシュ。幕末と明治に入ってからの変化もわかりやすく、観劇したファンは、また観たくなること、請け合い。上白石萌歌のおきゃんな神谷 薫、豪快で腕っ節の強い植原 卓也演じる相楽左之助など、こういったキャラクターは原作そのもの。物語の芯になる事件、そして舞台だけのオリジナルなキャラクター、舞台発で逆にコミカライズしても面白いかもしれないくらい。松岡 充の加納惣三郎、オリジナルとはいえ、原作の持つ世界観に溶け込み、それでいて存在感を放つ。宝塚版よりも引き締まった印象で、見所も多く、楽しく観られる2幕ものだ。

なお、ゲネプロ前に囲み会見が行われた。登壇したのは早霧せいな(緋村剣心)、上白石萌歌(神谷 薫)、松岡 充(加納惣三郎)、脚本・演出の小池修一郎。
最初にフォトセッション。それから会見。主演の早霧せいなは「稽古期間が、過酷で、長かったので、緊張感と高揚感が・・・・・」とゲネプロ前でやや緊張した面持ち。松岡 充も「同じです!今の今まで調整しています。早く完成形を作りたい」と言い、上白石萌歌は「ドキドキしています」とコメント。アクションシーンは宝塚版よりも多い印象で盆、セリ。花道を使用、特に冒頭から早霧せいなが花道から登場するので、ここはエキサイティング。小池修一郎は「素晴らしいチームです!」と絶賛。早霧せいなは「殺陣、アクションの迫力は十二分に!スピード感とパワー感が圧倒的にに違います!元男役の誇りにかけて!」ときっぱり。身軽な分、身のかわし方や次々と斬りつけるところは、とにかく早い!それに対して松岡 充が「早霧さんは宙に浮いている?(笑)」と返した。さらに松岡 充は「小池先生はお芝居も殺陣も一切の妥協がない」といい「心の動きを殺陣、アクションにつけてくる」とコメント、殺陣、アクションが、ただ『わーーーー』という感じではなく、エモーショナルで感情がにじみ出る感触、ここは必見!そして「究極の2.5次元!」と自信をのぞかせる。早霧せいなは「目がいくつあっても足りない!」と笑いを誘いながらアピール。剣心に心を寄せる神谷 薫役の上白石は「男性陣もすてきですが、早霧さんだけ見ていきたいです!」といえば松岡 充は「男性陣も見てよ」と楽しく掛け合い。
そして上白石萌歌は「1秒たりとも見逃せない!」とPR。「とても、どきどきしています」と松岡 充、しかし舞台では堂々たるダークぶり!最後に早霧せいなが「出会いを大切に、全身全霊で千秋楽まで!」と締めて会見は終わった。

 

<キャスト>
緋村剣心…早霧せいな
神谷 薫…上白石萌歌

斎藤 一…廣瀬 友祐
四乃森蒼紫 …三浦 涼介
武田観柳… 上山 竜治
相楽左之助…植原 卓也
高荷 恵…愛原 実花
緋村抜刀斎(剣心の影)…松岡 広大

加納惣三郎…松岡 充

明神弥彦(交互出演)…加藤憲史郎 大河原爽介 川口 調
朱音太夫…彩花まり
関原 妙…五條まりな
三条 燕…田村 芽実
山県友子…月影 瞳
セバスチャン… 遠山 裕介
井上 馨… 松井 工
山県有朋… 宮川 浩

【概要】
浪漫活劇『るろうに剣心』
<東京公演>
日程:2018年10月11日〜11月7日
場所:新橋演舞場
<大阪公演>
日程:2018年11月15日〜11月24日
場所:大阪松竹座
原作:和月伸宏「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」(集英社ジャンプ コミックス刊)
脚本・演出:小池修一郎
主催・製作:松竹 梅田芸術劇場
企画:梅田芸術劇場
協力:宝塚歌劇団
公式サイト:https://ruroken-stage.com/

©和月伸宏/集英社

文:Hiromi Koh