THE CONVOY SHOW vol.36「ONE!」サンタはきっと、いる!ひとりひとりの想い、だから、ONE!

コンボイも気がつけば結成して33年の月日が流れている。この長きにわたっても全くぶれずに継続しているのは奇跡としか言いようがなく、しかも近年は若手を入れて総勢11人、パワーアップ、まさに「走り出したらとまらない」がぴったりだ。今回の36回目のショーのタイトルは「ONE!」。

開演前のアナウンスで「カーテンコールは撮影はOK」のアナウンスがあるので、スタッフの合図を確認したらシャッター!ちゃんとスマホやカメラの用意を、シャッターチャンスは逃さないで!

キャストは客席通路から登場する。そしていつもの群舞が始まる。黒いスーツ姿で踊る、コンボイの定番だ。舞台上には特に何もなく、ただ、彼らがそこにいるだけ、というシンプルなシーンであるが、それだけで十分。

ある少女からの一通の手紙(メールではない、念のため)がテレビ制作会社に届く。手紙に添えられたクリスマスカードには1本のツリーに集まる11人の笑顔のサンタクロースの絵が描かれていた。これが物語の発端、登場人物は全てテレビマン。スマホが生活の中心の若い世代とテレビの黄金期に少年時代を送っていたオヤジ世代。テレビ業界でなくても時折耳にする業界の『ある、ある』話や世代のギャップなどをちょっとおかしく、時にはシニカルに、他愛もない会話に盛り込んでいく。ラフで動きやすい格好(若干1名、懐かしの純一巻き!)、仕事をしながら冗談もいい合う。大事なことはメモを取らずにスマホで済ませる若者。オヤジたちは・・・・・というとかなり古いいわゆる『オヤジギャグ』をウケ狙いで・・・・。「時代はスマホ」とか「SNSの時代」というセリフも飛び出す。季節柄、クリスマスにちなんだ展開、この少女の願いをなんとか叶えたい!世代は違えど気持ちはひとつ。そんな心情を芝居と歌とダンスで綴っていく。

ダンスも定番のタップはもちろん、様々なダンススタイルを取り入れてショーアップ。そう遠くない昔はテレビを見ながら家族が夕飯を取るが、今は『個食の時代』と言われて久しい。テレビのヒーロー物にワクワクした少年時代、馬鹿馬鹿しくって大笑いしたバラエティ番組、テレビに関する観客の記憶を呼び覚ます場面やセリフも多く、思わず『うん、うん』と頷いてしまう。

いつもハートフルなコンボイ、もちろん今回もそこは定番。「サンタはきっと、いる」、大人でもそう信じたくなる。煌めき、ときめき、人によってはちょっと照れくさい言葉かもしれないが、そんな言葉の数々も『コンボイ・マジック』の手にかかれば、すんなり心に染み入る。たったひとつの願い、ひとりひとりの想いと思い出、唯一無二のもの、すべては「ONE!」。なかなかニクいタイトル。小ネタ(コンボイのネタが、今村ねずみネタが特に!面白い)が数え切れないくらいに散りばめられてクスクスと笑いながら、いつの間にかちょっとジーンとくる。物語が一通り終わったら、これまた定番のショータイム、舞台に大きなツリーも登場し、気分は完璧なクリスマス!見終わった後は、会場外のイルミネーションも楽しんで!最後にコンボイのメンバーとともに!「メリークリスマス!」

【公演概要】

THE CONVOY SHOW vol.36「ONE!」
公演日程・場所:2019年12月14日〜12月17日 赤坂ACTシアター
作・構成・演出:今村ねずみ
出演:出演:瀬下尚人、石坂勇、舘形比呂一、黒須洋壬、トクナガクニハル / 後藤健流、佐久間雄生、本田礼生、伊藤壮太郎、加藤良輔 / 今村ねずみ
公式HP:http://theconvoyshow.com

取材:Hiromi Koh