斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世” 『蒼』THE PRIDE  絆と守りたいものと、そして譲れないものがある

2018年12月7日(金)に“斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世”『紅』未来への誇りがオルタナティブシアターにて開幕、好評のうちに幕を下ろしたが、本作は人気ゲームシリーズの舞台化第15作目・完全最新作。「『紅』未来への誇り」と「『蒼』THE PRIDE」という『戦国BASARA』シリーズでは初の“蒼紅”二作連続上演という試みがなされている。12月21日からは斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世” 『蒼』THE PRIDEが開幕。

ここでは伊達政宗(眞嶋秀斗)が主役となっている。織田信長から豊臣秀吉(佐々木 崇)の天下となった。ストーリーはここから始まる。「さあ、民よ静まれ!そして集え!」と叫ぶ。伊達政宗はつぶやく「そんなままごとに付き合う義理はない」と。それからキャラクターが順番に登場し、いつもながらの華やかなオープニング。

通路をふんだんに使う演出、映像も効果的で圧倒的。各武将の思惑、関係性、実際の歴史とは異なり、『戦国BASARA』ならではの世界観、伊達政宗の思い、映像でわかりやすく見せる、真田幸村(松村龍之介)とのやりとり、豊臣秀吉は見た目もさることながら、その力は絶大だ。伊達政宗は「五大老に入るつもりはない」ときっぱり。

描かれているタイミングは先に上演した“斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世”『紅』未来への誇りとほぼ同じ。よって両方に出演している武将もいれば、片方は映像出演、という武将もいるので、両方観劇すれば、より立体的に見えてくる、という仕組み。だが、それぞれ完結しているので、両方見ないと・・・・・というわけではないのでご安心を。

セリフも面白おかしいものもあれば、突き刺さるものもあり、この緩急のつけ方が進化、楽しくもあり、そして重厚でもある。2幕では料理をテーマにした『お笑い』があるので、ここは肩の力を抜いて!そして・・・・・・なんと本当に口がもぐもぐ!

そんな小休止を挟んで、ストーリーは一気にラストへと突入する。絆や友情、そして、とりわけ伊達政宗のプライドと誇り、秀吉という権力に屈せずに己の信じる道を進む。竹中半兵衛(末野卓磨)、秀吉に寄り添うが・・・・・石田三成の熱い心、登場する武将は8名と少ない感じもするが、それだけ一人一人一人の描写が細かく、その誰もに感情移入できたり、共感したりできる。ラストはいつものことながら『胸アツ』な展開が待っている。

 

ゲネプロ前に出演者と演出のヨリコ・ジュン、そしてカプコンの小林裕幸 。

まずは伊達政宗役の眞嶋秀斗が「4度目の出演です。現代にも通じるような話になっていると特に感じます。激動の時代の中で何を楽しみにして、何に目指して、誰とどのように生きていくのかを考えながら初日を迎えました」と意気込む。石田三成役の沖野晃司は前回は怪我のためにアクションはできなかったが、それでも演じきったのが印象的であった。「前回はけがをしてしまい、舞台には上がりましたが、自分の力を全て発揮することができませんでした」と語り、「豊臣と、あっと驚くラストを!今回は地に足をつけて頑張りたいと思います!」と語ったが、ラスト近くは大熱演。前田慶次役の伊阪達也は「久しぶりに呼んでいただいて嬉しかったです。祭りだ、祭りだ!という感じで!」と元気よく。山中鹿之介役の橘 龍丸は「紅に負けないように!」と語るが、山中鹿之介は両方に出演、台本を覚えるのも大変だったと思うが、元気いっぱいに。後藤又兵衛役の汐崎アイルは「カンパニーみんなで戦って!」と語るが、曲者の後藤又兵衛、登場した途端に『濃い!』感じで!最上義光役の寺山武志は「前回は北条として出演、今回は最上です、胃が重くなったところに私が!」とコメントしたが、軽妙洒脱な雰囲気でアクセントに。竹中半兵衛役の末野卓磨は「この前は風魔小太郎でした。顔が今回もうちょっと出るように(笑)。熱い豊臣の絆を見ていただけるように」とコメントしたが、最後の感涙場面は必見。豊臣秀吉役の佐々木 崇は「初めて参加しました。稽古場では緊張していましたが、温かいカンパニーで、各キャラクターが際立っていて、どのシーンもすべからく楽しく、熱い場面に。2018年、観劇納めになる方もいらっしゃると思います」季節柄、この作品が2018年最後になる観客、きっと良い締めくくりになるはず。

そして演出のヨリコ・ジュンからは「個性的な俳優陣が集まって、両方演出して嬉しい」と苦労どころか、テンションも上がっている様子。この新しい試み、よくある『マルチエンディング』ではなく、両方観ると物語が多重的に立体的にみえて、より「戦国BASARA」の世界観を楽しめる、という仕掛けとなっている。カプコンの小林小林裕幸は「“斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世”『紅』未来への誇りも無事に終わりまして、面白い感じでした。今回のはいつもの『BASARA』で、ちょっとお笑いもあります」と語るが、2幕最初のところで繰り広げられるのでここなお楽しみ。そして「2回だけですが『笑劇』やります」とコメント。これは楽しみ!

いつもの公演と異なり、いろいろな仕掛けが満載のこの舞台、タイトル自体はもはや『老舗』感もあるが、クリエイター陣やスタッフの努力でどんどん進化、今後も目が離せない!

【公演概要】

<公演タイトル>
斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世” 『蒼』THE PRIDE  (読み:ざんげきせんごくばさら そうくらんせ あお ざ ぷらいど)
キャスト:
眞嶋秀斗/沖野晃司、伊阪達也、橘 龍丸/汐崎アイル/寺山武志、末野卓磨/佐々木 崇 ほか
映像出演:松村龍之介、中尾拳也 ほか
日程・会場;
日程:2018年12月21日(金)~30日(日)  会場:オルタナティブシアター(有楽町)
<共通概要>
チケット料金:全席指定7,900円 (税込)
チケット発売:一般発売中
主催:エイベックス・エンタテインメント、エースクルー・エンタテインメント、サンライズプロモーション東京
問い合わせ先:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00~18:00)
<スタッフ>
原作:CAPCOM(「戦国BASARA」シリーズ)
構成・演出・映像:ヨリコジュン
著作権表記:(c)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

公式HP:http://www.basara-st.com/