早乙女太一、喜矢武豊らが大熱演!音楽活劇「SHIRANAMI」粋な5人が幕末に大暴れ!

2019 年 1 月 11 日(金)~29 日(火)より新国立劇場 中劇場にて音楽活劇「SHIRANAMI」が上演される。
この作品は歌舞伎の名作「青砥稿花紅彩画」(通称:「白浪五人男))の人物設定をモチーフに、尊 王攘夷運動に沸く幕末を舞台に、ミュージカルでも音楽劇でも、ストレートプレイでもない新たなエンタテインメント“音楽 活劇”として上演。
早乙女太一演じる“弁天小僧菊之助”は、女性にも化ける美男、元宝塚トップの龍 真咲演じる“赤星十三郎”は、見目 麗しい美少年を演じ、これまで女形、男役として活躍してきた二人が共に男女両方を演じることに。
そして、海外作品を多く演じてきた伊礼彼方は、初の和モノとなる本作で“南郷力丸”役を、2.5 次元作品以 外の舞台は初となるゴールデンボンバーの喜矢武豊は、神出鬼没な盗人“忠信利平”役を演じる。この4人 を束ねる“日本駄衛門”役には、G2 演出の舞台ではお馴染みの実力派俳優、松尾貴史。
幕末の歴史の中で起きる、重大な陰謀に立ち向かう 5人の活躍、新しいエンターテイメント「SHIRANAMI」、幕開きは波の音で始まる。それがだんだん大きくなり、楽曲もクレッッシェンドに。まずはオープニング、ここからテンションが上がる仕組み、この物語の主要キャラクターである白浪五人男が登場し、大立ち回り。そしてタイトルロール。

そこから時間が遡り、アップテンポで進んでいく。弁天小僧菊之助(早乙女太一)と和宮のお輿入れのエピソード、また忠信利平(喜矢武豊)と日本駄右衛門(松尾貴史)松尾貴史が出会う。幕末、誰もが時代に翻弄された時代、安政の大獄、桜田門外の変など、教科書でおなじみの事件や出来事も描かれている。瑞帆屋卯三郎(鈴木壮麻)、武蔵国埼玉群羽生村出身の実業家だ。国際感覚に優れており、英語の必要性に気づいていち早く習得、薩英戦争の時は英国側の通訳として和平に尽力、パリの万国博覧会では日本人商人として唯一の参加・出品を行った人物だ。

虚構と史実を融合した物語、楽曲も変化に富んでいるが、1幕の御用提灯のシーンはダンサンブルで軽快な音楽、映像と役者の動きのコラボレーション、エンターテイメントエンターテイメント性抜群だ。また早乙女太一が扮する花魁、この花魁道中が美しく、艶やか、ムーディーな音楽が妖艶さをぐっとアップさせる。また南郷(伊礼彼方)と小夜(龍真咲)のエピソード、安政の大獄で家名断絶、別れを告げることになる。

一方、様々なドラマでも描かれているが、徳川家茂(小澤廉)の元に嫁いだ和宮(入来茉里)、政略結婚であったが、相思相愛、その微笑ましい様子はミュージカル調で!しかし、菊霧<弁天小僧菊之助>は実は和宮に心を寄せていた、という切ない状況。こういったサイドストーリーも充実、ドラマチック。

そして2幕、幕開きは横浜のホテル、よく知られたジャズの「Sing Sing Sing」とともにステージが出現、往年のブロードウェイミュージカルのようで、ミュージカルで活躍する龍真咲、伊礼彼方、鈴木壮麻がショーストッパーなシーンを魅せるので、ここは必見!「え?時代は幕末じゃなかったの?」という野暮なツッコミは無しで!そしていよいよクライマックス、5人は意気投合し、一つの目的に向かって!ラスト近く、もちろん!あの口上!「問われて名乗るもおこがましいが・・・・・」「さて其の次は江ノ島の・・・・・」「続いて次に控えしは・・・・・」「又其の次に連なるは・・・・・・」「さてどんじりに控えしは・・・・・」、お約束感のある大捕物!

日本 駄右衛門「問われて名乗るも おこがましいが・・・・・」
弁天小僧 菊之助「さて其の次は江ノ島の・・・・・」
忠信 利平「続いて次に 控えしは・・・・・」
赤星 十三郎「又その次に 連なるは・・・・・・」
南郷 力丸「さてどんじりに 控えしは・・・・・・」

メインの5人はもちろん、脇も賑やか!芸達者な鈴木壮麻、加納幸和が脇を固める以上の『仕事』!小澤廉&入来茉里の初々しいカップルぶりは一服の清涼剤に。映像演出が綺麗かつ圧巻、見所も多数あり、時代劇のイメージを覆す『なんでもあり』な状態、“音楽活劇”と銘打ってのエンタメ大娯楽作品、スカッとしたい!笑いたい!心揺さぶられたい!すべてに対応できる「SHIRANAMI」、がっちり楽しめる!作品だ。

 

初日に先駆けてゲネプロと囲み会見が執り行われた。登壇したのは弁天小僧菊之助役の早乙女太一、赤星十三郎/小夜役の龍 真咲、南郷力丸役の伊礼彼方、忠信利平役の喜矢武豊(ゴールデンボンバー)、日本駄右衛門役の松尾貴史、そして脚本・演出のG2。

まずはG2から「今までこういうのはなかった」と語る。とにかくなんでもあり、とりわけ楽曲がラテン、ジャズ等今までの時代劇のイメージ、常識を打ち破る試みが多数。「面白いシーンになっていると思います、花魁のシーンとか」と語る。喜矢武豊は「また音楽かよ!と(笑)」と発言。しかし「面白い試みだと思います」と語る。龍真咲は「難しかったです」とコメントし共演者については「個性的」とコメント。動きやフォーメーションが計算され尽くした動きで、こういった段取りを覚えるのは大変だったのではないか?と思うほど。早乙女太一は「5人揃うシーン」と印象的な場面をコメント、実は稽古期間中はなかなか5人が一斉に集まる機会が少なかった模様。

実は喜矢武豊は早乙女太一の楽屋にいることが多かった様子で着物の所作や殺陣を教えてもらっていたそう。劇中で早乙女太一が花魁姿を披露するのだが、これが喜矢武豊曰く「エロい!色気に参っちゃっています」と語るが、ここは確かに!妖艶さが半端ない!さらに龍真咲も「かっこいい」とコメント。龍真咲は宝塚時代が長かったので「本物の男の人がいる中で男役をやるって・・・・・」と言ってる側から松尾貴史が「舞台の途中まで男の歩き方してる」と暴露、これには本人も大笑い。伊礼彼方はルックスからして和物のイメージが薄いが、今回初挑戦、これがなかなかに似合っているが本人も「初の和物です。各プロが集まってそれぞれのリズム感がありますね」とコメントしたが、本当にいろんなジャンルから集まった感のあるカンパニー、多士済済だ。松尾貴史は「音楽作品に出るのが夢だったんですよ。これくらい真面目に取り組んだ舞台は初めてです」とコメントしたが、大立ち回りもなかなか、稽古の成果が垣間見える。またゴールデンボンバーのメンバーが観劇にくるそうで「粗探してライブのネタにしようとしている。舞台に出ることはSNSで知ってるんじゃないかな?」とコメント。

最後に早乙女太一が「いろんな魅力が詰まっています、いろんな方が集まっています!ぜひ!」と言い、さらに駄目押しでキャスト全員が「音楽活劇『SHIRANAMI』見にきてねーーーーーーーーーー!!!」と唱和し、会見は終了した。

<あらすじ>
幕末。
諸外国との通商条約に反対する武士たちが、尊皇だ攘夷だと喧しい世の中。そんな世にも「浜の真砂は尽きるとも」とばかり、泥棒たちが跳梁し世間を騒がせていた。バラバラに活動していた五人の泥棒たちは、運命の糸に操られるように、ひとつの事実に吸い寄せられてゆく。
「混乱を利用し、とんでもない悪辣な方法で儲けようとしている連中がいる」
実際、武器の密輸、金の交換比率を利用した大儲け、英国の軍事力を利用した搾取などがまかり通っていた時代。当初、泥棒たちは「そいつらからこそ金を奪うべき」と盗みに入ろうとするが、相手は幕府と癒着し、諸外国との裏取引にも長けた策士。なかなかうまくゆかない。泥棒たちは「白波五人男」として大々的に人相書きを手配され、窮地に追いやられる。

そんな中、五人はある重大な陰謀に目をふさいではいられなくなる。
「この国を盗もうとしている連中がいる」
普段は裏街道を歩く自分たちだが、そんなことは絶対させない、とばかりに、バラバラで仲の悪かった五人はひとつになり力を合わせ始める。彼らは、陰謀を阻止すべく、最新のアームストロング砲を備えた英軍艦七隻と、それを迎え撃つ薩摩藩砲台のあいだに飛び込んでゆくことになり………。

一つ間違えばこうなったかもしれない、もう一つの幕末の歴史のなかで、世間から後ろ指を指された五人の盗っ人たちがやり遂げた快挙とは?

【公演概要】
音楽活劇『SHIRANAMI』
日程・場所:2019年1月11日~1月29日 新国立劇場 中劇場
脚本・演出:G2
ショー演出:市川訓由
<出演>
弁天小僧菊之助:早乙女太一
赤星十三郎/小夜:龍 真咲
南郷力丸:伊礼彼方
忠信利平:喜矢武豊(ゴールデンボンバー)
日本駄右衛門:松尾貴史

鈴木壮麻
加納幸和
小澤廉
入来茉里

小林大介
谷山知宏
谷水力
安田桃太郎
幸田尚子
越塚学
熊倉功
伊藤教人
南誉士広
加藤学
高橋玲

公式HP:http://www.shiranami.net

取材・文:Hiromi Koh