2018年にNHKの「紅白歌合戦」出場も果たし、『2.5次元舞台』を牽引する作品、好評につきミュージカル『刀剣乱舞』 ~三百年の子守唄~の再演が1月20日、銀河劇場で開幕した。
その前にゲネプロが披露された。ストーリーなどは概ねそのままであるが、演出面で随所がパワーアップ。メインテーマ曲はテンションが上がる場面だが、映像、殺陣・アクション、フォーメーション、振付が難易度がアップ、見ごたえのあるシーンになっている。徳川家康の一生に寄り添う刀剣男士、ここのドラマは丁寧に描かれており、幼い竹千代や信康が登場するシーンは微笑ましく、子役の愛らしさもあってほっこりとしたシーンになっている。
歴史の流れを取り戻すのが彼ら刀剣男士の使命、しかし、そこには葛藤も生まれる。家康の嫡男である松平信康、彼がどうなったかは歴史書を紐解けばわかるが、信康と刀剣男士たちの関係・心の交流は見逃せない。そして後半は涙を誘う展開に。ラスト近く、家康は歴史通りに幕府を安泰なものにし、晩年を迎え、刀剣男士のおかげで歴史は守られる。徳川幕府は300年続くことになるのは歴史の授業で先刻承知である。
大倶利伽羅役の牧島輝以外は前回公演からの続投、役もこなれて安定感もあるが、初役の牧島輝も『続投』かと思うほど役に馴染んでおり、いいカンパニーぶりであった。
ミュージカル仕立てにしたことによって場面が凝縮されているのだが、そこからさらにドラマチックさが色濃くなり、芝居としても充実したものに。そしてエンターテイメントとしても見ごたえのあるものに。すべてのキャラクターに見せ場があり、ミュージカル部分は上演時間はおよそ2時間10分程度であるが、程よい上演時間。20分の休憩を挟んで2部はライブ、上演時間は約35分となっている。ミュージカルパートは応援グッズはNGだが、ライブパートはOK、ロビーでもオリジナルペンライトが販売されているので、ここは是非!
なおゲネプロ前に囲み会見があった。登壇したのは石切丸役:崎山つばさ、にっかり青江役:荒木宏文、千子村正役:太田基裕、蜻蛉切役:spi、物吉貞宗役:横田龍儀、大倶利伽羅役:牧島輝、演出の茅野イサム。
崎山つばさは「いよいよ初日が開きます。年末はNHK紅白歌合戦への出陣もあり、激動の稽古期間だったのですが、注目度が高まる中、こうして幕を開けられることをうれしく思います。 キャスト・スタッフ一丸となって、最高の作品を!」と挨拶した。海外での公演、「紅白歌合戦」の出場、年末の稽古は大変だったことがうかがえる。荒木宏文は「年末年始にかけてたくさんのメディアの方に取材していただき、とても大きなプレッシャーですが、でも自信を持ってお届けします。より多くのファンの方に!」とコメントしたが、この銀河劇場から始まり、大阪、京都、そして再び東京に戻ってくるが、千秋楽は3月24日には全国の映画館でライブビューイングが決まっており、LIVE配信も決定、そしてDVDやBlu-rayの発売も決定、リアルに劇場に足が運べないファンも楽しめることになっている。太田基裕は「初演から2年、その間もこの千子村正と向き合う時間が頻繁にあったのですが、その中でいろいろ自分の中で膨れ 上がったものをあえてなるべく削ぎ落として、いい緊張感の中、この役とまた向き合いたいと思っております。 素敵な初日になることを祈りながら、頑張りたいと思います」spiは「再演ということですが、いろんな経験をしましたが、初めて出会った緊張感を大事にしながら、お客様ひとりひとりの背中を押せるような素敵な作 品にできたらと」と気を引き締めた。横田龍儀は「初演のときは、このミュージカル『刀剣乱舞』が初めての2.5次元ミュージカル作品でした・・・・・・成長できたか見てもらえると嬉しいです。初日、頑張ります」と元気良く。牧島輝は「たくさんの人の期待をとても感じていて、それに応えられるように頑張りたい・・・・・再演ですが、僕は初めての出陣・・・・・」と挨拶したが、そこで隣にいたspiに「緊張してる?」と緊張しているところをさらに突っ込まれ、やや大きめに頷く一幕も。
演出の茅野イサムは「これは2年前に3作目で上演されましたが、『刀剣乱舞』のレベルを押し上げた作品です。作品としても俳優としても経験の深さ、ハードルをあげてくれた作品です。これを超えていかなければいけない。念願の紅白出場も果たして、今年、2019年は『第2章』の始まり、この開幕を飾る作品、彼らはぐっとハードルをあげてくれると思います。演出はすごく変わっています、深まっています」と挨拶したが、細かいところまでレベルアップ、芝居シーンも充実感があり、クリエイター側の意気込みを感じる。また「紅白歌合戦」出場の感想ということで荒木宏文は「白、紅と関係なく出ることができたし、『2.5』というカルチャーを知ってもらってすごく嬉しかったです。リハーサルと稽古が重なっていましたが、よりいいものを作らねばということでプラスにはたらいた」とコメント。また横田龍儀は「僕の村では、防災無線で紅白に出ることを流してくれたらしい」と語ったが、やはり!流石な紅白!ダブルでの稽古はかなりハードだったようだが、それをバネにして初日を迎えることになったキャストの面々、しかも公演期間も長丁場、大勢のファンが待っている劇場にいざ出陣!
【公演概要】
タイトル: ミュージカル『刀剣乱舞』 ~三百年の子守唄~
<公演期間・会場>
東京公演: 2019年1月20日(日)~2月3日(日) 天王洲 銀河劇場
大阪公演: 2019年2月8日(金)~2月11日(月・祝) サンケイホールブリーゼ
京都公演: 2019年2月17日(日)~3月3日(日) 京都劇場
東京凱旋公演: 2019年3月15日(金)~24日(日) TOKYO DOME CITY HALL
原案 :「刀剣乱舞-ONLINE-」より(DMM GAMES/Nitroplus)
演出: 茅野イサム
脚本: 御笠ノ忠次
振付・ステージング: 本山新之助
<出演>
石切丸役:崎山つばさ
にっかり青江役:荒木宏文
千子村正役:太田基裕
蜻蛉切役:spi
物吉貞宗役:横田龍儀
大倶利伽羅役:牧島輝
他
主催 ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会
(ネルケプランニング ニトロプラス DMM GAMES ユークリッド・エージェンシー)
公演に関するお問い合わせ ネルケプランニング 03-3715-5624 (平日11:00~18:00)
ミュージカル『刀剣乱舞』公式サイト: https://musical-toukenranbu.jp/
ミュージカル『刀剣乱舞』公式Twitter: @musical_touken
Cミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会