歴史を彩ったレジェンド、榛名由梨、初風諄、汀夏子、安奈淳から平成まで!『ベルサイユのばら 45』~45 年の軌跡、そして未来へ~ 名曲、名場面、魅せる!魅せる!スペシャルなステージ!

ーー宝塚歌劇“ベルサイユのばら”45 年の軌跡を辿るスペシャルステージ!ーー

宝塚歌劇団により、1974 年に初演を迎えた「ベルサイユのばら」は、瞬く間に空前の大ヒットを記録。 宝塚歌劇を代表する演目として、45 年を経た今もなお燦然と輝き続けている。本公演では、「ベルサイユ のばら」上演 45 年を記念し、時代を越え、観客の心を捉えてきた愛と革命のドラマを、歴史を彩ってきたレ ジェンドたちが歌やトーク、劇中の名場面、フィナーレナンバーなどで鮮やかに華やかに振り返る。また 同公演では、全公演共通のシーンのほか、上演年代や役柄により公演毎に異なるキャストによる歌や名場面の 上演、トークなどが行われる。

観劇したことのあるファンならもちろん!知ってる曲「ごらんなさい、ごらんなさい」で幕開き。最初は初演スターの歌から始まる。ゲネプロでは初風諄(「青きドナウの岸辺」)、安奈淳(「愛の巡礼」)、汀夏子(「ばらベルサイユ」)、榛名由梨(「心のひとオスカル」)といった当時のブームを起こしたレジェンドなOGの歌、往年の姿も目に浮かぶような歌唱力、また、秘蔵映像も流れたが、今、観てもそのキャラクター再現力の高さ!初演の演出は長谷川一夫であるが、美しいラブシーンなどの型は長谷川一夫の手腕によるところが大きい(注:カッコ内は歌唱した曲)。

それからトーク、演出家の植田紳爾も登場し、当時の話を披露。植田紳爾は「45年愛してくださったお客様一人一人に感謝したい」とコメント。その初演の思い出として「責任感と危機感とで大変だった。長谷川先生の演出、頑張らないといけない」と言い、ドキドキの初日は「いつもの熱気とは違っていた」と語る。「拍手が滝のように落ちてきて・・・・ゴーーーッと」と榛名由梨。この瞬間から「ベルばら」伝説が始まったと言っても過言ではない。汀夏子は「榛名さんや安奈さんの次だったからすごいプレッシャーだった」と自身のことを振り返る。植田紳爾は「初演の気持ちが繋がっていく」としみじみ。だからこそ、の「ベルばら」なのであろうか。ただ、これだけの年月が過ぎ、鬼籍に入ってしまったスターも・・・・上原まり、順みつきの名前が上がり、ちょっとしんみり。この初演を観て憧れて受験生が増え、そこから合格し、なんと再演で演じたトップスター、ここで涼風真世の名前も上がった。ここで再演時の秘蔵映像も流れた。

それからこの“平成”再演時(1989年)、舞台にたった元トップスターたちの歌唱、麻路さき(「白ばらのひと」)、一路真輝(「愛の巡礼」)、杜けあき(「心の白薔薇」)、紫苑ゆう(「結ばれぬ愛」)、日向薫(「ばらのスーベニエール」)。皆、久しぶりに名曲を歌唱するとあってここぞとばかりに最高のパフォーマンスを魅せてくれる。

そしていよいよダイジェストシーン、まずは「我が祖国フランス」、オスカルは稔幸、アンドレは水夏希。現役時代にはまずない組み合わせ、ここが今回のステージの重要ポイント。この場面はオスカルが衛兵隊のところに初めてやってくるシーンだ。女性だからと言って小馬鹿にする衛兵隊たち、アランは露骨にオスカルに反発する、そんな場面だが、この名シーン、組も学年も超えているのに息もピッタリ!さすが!

それからクライマックス、バスティーユの有名すぎるシーン、ここはオスカルは朝海ひかる、アンドレは湖月わたる。「結婚しよう」とアンドレに言うオスカル、ほんの一瞬であるが、二人の瞳が輝く瞬間、そして・・・・・それはつかの間の幸せ、銃声が!「アンドレ!」、そして民衆のために立ち上がるオスカル、しかし・・・・・またもや銃声が!・・・・・「フランス万歳」、ここはすべてが見所。

それから休憩を挟んでACT2、ダイジェストシーン、まずは「駆けろペガサスの如く」、フェルゼンが愛するマリー・アントワネットのところに行くとする場面、フェルゼンは和央ようか、貫禄で演じきり、続いては牢獄〜断頭台の名場面、髪の毛が真っ白になってしまったマリー、それでも気品に満ちた表情、人形を手渡されて一瞬、子供のような表情になる。白羽ゆりが気高く演じる。そして程なくしてフェルゼンがやってくる、もちろん助けに。しかし、マリーは断る、最期の最期までフランスの女王として生きる、号泣必至!

そして宝塚ならではのフィナーレナンバー、ダンス、ダンス、ダンス!ファンにとっては美味しすぎるシーンが!また、なんと!汀夏子がキレの良いダンスを披露、娘役を従えてカッコよく!ここはただただ楽しくみたいところ。ラスト近くは初風諄の圧倒的な歌、聴かせる!そして出演者全員が勢ぞろい、学年も組も超えての共演、ファンにとってはレアな舞台、そして宝塚ファンでない観客は「ベルサイユのばら」をちゃんと観なくては!と思わせてくれる舞台。この作品に関わったキャスト、スタッフが「ベルサイユのばら」をこよなく愛しているのがよくわかる。この先もきっと続いていくことであろう。

【公演概要】
日程・場所:
2019年1月27日(日)~2月9日(土)東京都 東京国際フォーラム ホールC
2019年2月16日(土)~24日(日)大阪府 梅田芸術劇場 メインホール
監修:植田紳爾
構成・演出:谷正純
音楽監督:吉田優子
出演:
初風諄、榛名由梨、汀夏子、安奈淳、麻実れい、日向薫、紫苑ゆう、杜けあき、涼風真世、一路真輝、麻路さき、稔幸、和央ようか、湖月わたる、星奈優里、彩輝なお、朝海ひかる、貴城けい、水夏希、壮一帆、白羽ゆり、凰稀かなめ ほか / 毬乃ゆい、舞城のどか、真波そら、緒月遠麻、鶴美舞夕、羽咲まな、麻尋えりか、扇けい、愛純もえり、美翔かずき、蓮城まこと、稀鳥まりや、咲希あかね、妃白ゆあ、花陽みら、隼海惺

公式HP:http://www.umegei.com/versailles45/

取材・文:Hiromi Koh