「KEREN」は、日本独自の芸能やアニメ、忍者、サムライ、フジヤマ、妖怪、日本の四季、巨大マグロなどの NIPPON文化をテーマに、スーパーボウルのハーフタイムショーやオリンピック等、数々のイベントを手掛けてきたビデオコン テンツクリエイター「Moment Factory」(カナダ・モントリオール)の世界最先端のマルチメディアを融合し、大阪から世 界に発信するオリジナルレビューて。舞台は京都・大阪・神戸・奈良といった、近畿地方各地を行き来し、時代は昭 和元禄や平成を入り乱れながら、古今のNIPPONの情景を絵巻物のように表現。殺陣、歌舞伎、日本舞踊、屋台 崩し、ダンス、タップ、ミュージカル、ラップなどのパフォーマンスと、「Moment Factory」のデジタルアートが混然一体とな り、豪華絢爛に装飾されたステージで、鍛え抜かれたケレン味溢れるショーが一気に展開。
脚本・演出に、日本のカルチャー史に残る数々の雑誌やテレビ番組を手がけた髙平哲郎(たかひらてつお)、振付には、 伝説的ミュージカル「コーラスライン」のオリジナルキャストにして、2017年トニー賞受賞のバーヨーク・リー(Baayork Lee)、さらに映画「座頭市」でのタップ振付や国内外で活躍するタップダンスの第一人者、HIDEBOHによるタップ振付、 世界的なサムライ・アーティストとして、映画「KILL BILL」への出演・殺陣指導や数々に海外公演を成功させた、島口 哲朗(しまぐちてつろう)などの錚々たるクリエイター陣が集結。
製作発表は、平成ノブシコブシの吉村崇とロバータをMCに、さらにニューヨーク在住の演劇ジャーナリスト・影山雄成 氏が解説の形で進行を務め、本作のクリエイターたちが登壇。振付のバーヨーク・リー女史のみビデオコメントの形で、そ れぞれご挨拶と本作品にかける思いを語りました。さらに、ゲストとして本作「KEREN」の全アジア公式アンバサダーに就 任している”ペリー・キー”が登場。6000年に一人のアジアスターに相応しい大物ぶりで、「KERENは最高だ。アジア NO.1の私が言うのだから文句はないだろう?」と、本作品のすごさを歌でも伝えた。
この日は、完全版ではないもののキャストたちが「Moment Factory」制作の映像を背景に、作品の冒頭4分間の パフォーマンスを披露。古の日本をイメージした映像と舞踊から、衣裳のはや替え、そして現代のコンテンポラリーダンスへ と一気に駆け上がり、また、タップダンスと殺陣のコラボレーションなど圧巻のパフォーマンスを披露した。
●コメント
高平哲郎(演出):
オープニングの最初のダンスは、日本舞踊的で、歌舞伎の元禄花見踊りをそのまま使ったら面白いと思いました。そこ から、これも歌舞伎の手法だけど、ひきぬきで衣装が変わり、コンテンポラリーダンスになる。これから先、どうなっていくんだ ろうという期待と不安の入り混じった構成にしています。
基本的なコンセプトはクールジャパンです。宙乗りもできそうだとか、古い歌舞伎のものとモーメントファクトリーさんの新 しい映像、アナログとデジタルがうまくいくんじゃないかという気がしたんです。そこから「KEREN」というタイトルが付きました。 この言葉の中には邪道やはったりという意味もある。それも含めてクールジャパンという思いがあります。美しい日本やおも てなしの日本など食傷気味の言葉ではなく、外国人や日本人が好きな日本があるはずという思いを込めました。大阪は 歌舞伎にしても落語にしてもすべての芸能の発祥地。なので、冒頭のダンスのシーンで敬意を表しました。全部で 11 場、 上演時間は休憩なしで 70 分~75 分を予定しています。出演者は、主役の伊藤愛、室田晃、シルク・ドゥ・ソレイユに 参加したことがあるシェリーと、HIDEBOH さんのところから 2 人ぐらい、島口さんのところから 4 人きてもらいました。それ 以外はすべてオーディションで決めました。100 人以上オーディションした中でアンダースタディも含め 36 人が選ばれまし た。
バーヨーク・リー(振付):ビデオメッセージ
「KEREN」という言葉自体がクリエイティブ。高平さんは、私に自由に作ることを提案してくれました。私は音楽やストーリ ーありきで振付することに慣れていましたが、今回は独特で何でも自由に作ることができました。「KEREN」という素晴ら しいショーを楽しんでほしいです。ダンサーたちも素晴らしいですよ。楽しんでください。
HIDEBOH(タップ振付):
「KEREN」は型破りなという意味も含まれています。高平さんはエンターテインメントの生き字引と言っても過言ではない と思いますが、舞台は和洋折衷とは違い、とてもオリジナルで斬新に作られています。私も 2003 年に「座頭市」という映 画で下駄のタップダンスをしましたが、今回はそれとも違い、まったく新しい世界のタップダンスを作らせてもらっています。剣 舞、映像、音楽などが溶け合っている。大阪がブロードウェイと言われるようになるほど、芸術性の高いエンターテインメン トになると思います。
島口哲郎(殺陣・立ち回り指導):
殺陣、立ち回りを担当しています。自分たちは主に海外でパフォーマンスをしているので、大阪に戻って来るとなって、不 思議な感覚がしました。この作品は各シーンで色味が全然違って、刺激的で不思議なステージです。それを立ち回りで どうか変えるか、変わっていくか。モーメントファクトリーさんとの映像とのコラボもあれば、HIDEBOH さんとのコラボもありで す。サムライだけではなく忍者が出てくるなど、高平先生が思うクールジャパンを、立ち回りで表現しています。多くの人に 見ていただきたいです。
マリアノ・レオッタ(映像制作・「モーメントファクトリー」マルチメディアディレクター)
吉本クリエイティブエージェンシーさんとお仕事するのは二度目で、前回は「サクヤルミナ」でも携わらせていただきました。 高平さんから「カラオケや歌舞伎のような何か面白いものを一緒に作らないか」とお声がけいただきました。まず、 「KEREN」というものを分からないといけないので、リサーチを始めました。映像には歌舞伎から現代のモダンの舞台まで を反映しています。現在も制作は進行中で、マルチメディアを使って、マジックを起こしたいですね。
影山雄成(演劇ジャーナリスト):
ブロードウェイには 41 の劇場がありますが、「KEREN」はその中で一番ヒットしているミュージカル「ハミルトン」と共通する と言えます。「ハミルトン」はアメリカの建国の父を描き、アメリカの文化や歴史を尊重する作品。「KEREN」もそう。 「KEREN」の踊りのタイトルに「What a wonderful cool Japan」(何て素敵なクールジャパン)とありますが、春夏 秋冬を通して日本を愛でて表現する。それが「KEREN」ではないでしょうか。
ステージでは縦 8 メートル、横 18 メートルのスクリーンを使います。今日ご覧いただいた「元禄花見踊り~平成かぶき踊 り」では、東海道五十三次を経て、京都に舞台を移し、古き良き時代の日本の踊りから平成の時代に移る。ここの場 面で初めて、役者とスクリーンが交わります。
また、今日の剣舞とタップのコラボが素晴らしくて、この作品の一つの目玉がダンスシーンですが、それだけでなくブロード ウェイの巨匠ボブ・フォッシー風や、スーザン・ストローマン風のチャーミングな振り付けもあります。ブロードウェイでは「ウエス ト・サイド・ストーリー」という有名な作品がありますが、「KEREN」にも「ウエスト・サイド・ストーリー」の関西版のようなシー ンがある。ダンスでドンドン押していく。ダンスの見どころがたっぷりある作品です。
【公演概要】
COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール オ-プニング公演「KEREN」
日程:2019年2月25日(月)~ロングラン公演
会場:COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
(大阪市中央区大阪城3番6号)
料金:S席 大人7,500円 / 子供3,000円
A席 大人5,000円 / 子供2,000円
※2・3月公演限定!大人府民割引 S席 大人5,000円 / 子供2,000円 A席 大人4,000円
発売:チケットよしもと、ローソンチケット、チケットぴあにて一般発売中
脚本・演出:髙平哲郎
振付:バーヨーク・リー
タップ振付:HIDEBOH
殺陣:島口哲朗
ステージ・日舞:室町あかね
音楽:仙波清彦・久米大作
ビデオコンテンツクリエイター:Moment Factory
宣伝美術:横尾忠則
主催:吉本興業株式会社
企画・制作:株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー
公式HP:https://keren.jp