30-DELUX の新作が開幕した。今回は若手中心、宇宙Sixとのコラボで、ちょっと奇想天外な物語を紡いでいく。
舞台上は何もなく、まずは楽しい前説、あらすじ等を説明する。そしてコール&レスポンスの練習で客席が温まったところで始まる。まず、最初に登場したのは刑事の余怒峰怒(松本幸大)が登場し、「その昔、妖怪がいた」とモノローグ。続いてブラド(村瀬文宣)が登場し、「それは西洋も同じ」と言う。キャラクターのちょっとしたやり取りの後、オープニング!これがとにかく威勢がいい!殺陣、ダンス、アクション、テーマソングがかかる、小振りの劇場なので、迫力満点だ。キャラクターの紹介、映像に映るキャラクターの絵がマンガ、これは面白い趣向。
余怒峰怒は警視庁Q課にスカウトされる。ちょっと不思議な名称の部署だ。ここで扱われる案件は妖怪とかモンスターによる事件、よくわからないまま「スクワッド」に配属される。このチームはなんと人間と妖怪・モンスターで結成されているのだ。余怒峰怒の相棒は……人間じゃなかった……。
ちょっとした台詞も面白おかしく、客席からは笑いが起こる。いきなり歌ったりもするが、不思議と唐突には感じない。ブラドはヴァンパイア、「人間と違って賢いんだよ」とやや上から目線。この部署のコンビは人間&妖怪またはモンスター。凸凹なコンビばかり、「それで上手くいくのか?」といった野暮なツッコミは無し。各キャラ、個性的で見た目もかなり派手。敵はビッグな妖怪、日本に災いを起こすと言われているぬらりひょん。この復活を阻止せねばならない。さて、どう戦っていくのか……がだいたいのストーリー。
劇団の若手5人に宇宙Six、身体能力も高く、アクションがほぼアクロバット!空中でポーズを決めたりして、これだけでも見応えあり。しかし、【オジサマ】達も負けてはいられない!清水順二の円熟した殺陣、アクションの動きは流石、キャラメルボックスの岡田達也も張り切ってアクション、殺陣、そして芝居で場を引き締める。ぬらりひょん、これが手強い、これがまさかの……でどんでん返しもあって、ここは注目ポイント。ストーリーの面白さだけでなく、キャラクター同士の関係性や、泣かせる場面もあって、肩肘張らずに観られる。ラストは……おお〜な展開、でもちゃんといい感じでの幕引きになるのでご安心を。
本編終了後は、ミニショー、まずは着物で登場し、ビジュアル的には落ち着いた雰囲気、ジャパンな感じ、映像で桜吹雪、ちょうど初日も外は桜が満開!そこから一転して皆、白いスーツでバシッと決めて再登場、短時間で着替えが大変そうだが、そこはエンターテイメントに徹してかっこよく決める。本編とは全く異なるテイストで、紙吹雪も舞い、観客の満足度も高いショーであった。
ゲネプロ終了後に座長の清水順二が挨拶、「まだまだ、進化し続けると思います」とコメント。劇団の若手を代表し、村瀬文宣が挨拶「前からワークショップやってきて、やっと今日が来たなと。皆と長いこと、やってきてこんなにたくさんの方が観に来てくれて……全員で怪我なく最後まで!」と元気よく。それから宇宙Sixのメンバーの挨拶、原嘉孝は「殺陣が一番キツいのがウルフ役です!」と自分PR。目黒蓮は「30-DELUXから殺陣を教えて頂きまして……この教えて頂いた殺陣を続けていけたら」と挨拶。江田剛は「絶対に成功したい!」と元気よく。ちなみにショーの振付は彼が手掛けたそうで、なかなかに多才!山本亮太は「頑張っていきます!」とシンプル。松本幸大は「30-DELUXさんの作品は2度拝見しましたが、殺陣が凄いな〜と。このお話を頂いて感謝です。チーム一丸となって!チーム力は絶対に負けないです!」と締めくくった。
なお、ゲネプロ前にはフォトセッションと会見もあった。登壇したのは宇宙Sixのメンバー、松本幸大、山本亮太、江田剛、目黒蓮、原嘉孝 、座長の清水順二、岡田達也、村瀬文宣、竹之内景樹。
フォトセッションの後に質疑応答となった。まず役についてだが、松本幸大は「熱血刑事です。心に熱い気持ちを持っています」とコメント。舞台では妖怪と戦う刑事、でもバディはヴァンパイア、デコボコしながらもタッグを組んで立ち向かっていくに従って最高のコンビになっていく。山本亮太は「一反木綿です。戦いの時はファイターです」と語るが、アクションシーンでは見せ場を作る。江田剛は「人間ではないです(笑)、人間と関わって成長しいく役です。」と語る。人造人間なので、妖怪達と違って見た目は人間。戦いと他の仲間達との交流によってちょっとづつ変化していくところは注目。目黒蓮は「から傘お化けですが、人間界にきて夢を見つけるのですが、そういうのが表現出来たら」と意気込む。しかし、人間じゃない、しかも傘!最初は「やべーわかんない」だったそうで「ケンケンしてみた」と笑いを誘う。原嘉孝は「普段の僕と変わらないキャラ!かっこいい、いい役!」と周囲を笑わせる。「みんなと違う殺陣があります」とコメントしたが、その動きに注目。
座長の清水順二は「新しいエンターテイメントが出来上がっています」とコメント。宇宙Sixとのコラボに関しては「ウチの劇団員も刺激を受けました」と語る。舞台上でのよい科学反応は必見。村瀬文宣は「ヴァンパイアです。ふてぶてしい役です。楽しんでやれたらいいな」とコメント。竹之内景樹は「冷徹な役です」と語るが、メガネキャラでクールな役どころだが、余怒峰怒やその他、妖怪達と出会い、交流することによって少しずつ心境が変化していく。岡田達也は「年上です、50代で頑張ってます」とやや自虐的な発言。しかし、身体が「よく動いて、20代のキャストに混じってのアクション、殺陣は“まだまだ、20代には負けないぞ“な雰囲気、ガッツと気合のアクションは必見、歳なんて吹き飛ばす!
最後にPRタイム、松本幸大は「初の全員の外部出演で感謝しています。全力で駆け抜けていきます!ジャニーズらしさも!」と元気よくコメント。最後に登壇したメンバー全員で「スクアッド!」と全力で唱和して会見は終了した。
<新作上演決定!30-DELUX スペシャルアクトステージ 「GAMEパニック【METORO】」>
2018年5月30日(水)~6月17日(日)、東京・名古屋・大阪の3都市(東京全5日間、名古屋全2日間、大阪全5日間)で30-DELUX15周年企画であるスペシャルアクトステージ第二弾舞台『GAMEパニック【METORO】』が上演決定!
このスペシャルアクトステージは、昨年11月上演した『THE REALITY~not realistic~』に続く第二弾で、30-DELUXが次の15年において演劇界を担う次世代の若手俳優の底上げを狙った企画として、演技と殺陣だけではなく、踊り、歌も含めて、トータルパフォーマンスを存分に経験させるコンセプトとなる。
演出には、「おそ松さんon STAGE SEXMEN’S SHOW TIME」の演出・脚本、地球ゴージャス「The Love Bugs」出演・演出助手・振付など、多岐に渡ってその才能を発揮している小野真一氏、出演にはアミューズ若手俳優によって構成される劇団プレステージのメンバーであり、5次元アイドル応援プロジェクト『ドリフェス!R』のKUROFUNEで活動をしている株元英彰、アップアップガールズ(仮)の元メンバーで、現在は女優として活躍の幅を広げる仙石みなみ、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー‼』を始めとした様々な演劇シーンで活躍をする坂本康太をゲストに迎える。その他にも豪華ゲスト、続々発表予定!となる。
【公園概要】
「30-DELUX NEW GENERATION THEATER featuring宇宙Six『スクアッド』」
〈東京公演〉
期間:2018年3月28日(水)~4月1日(日)
会場:新国立劇場 小劇場
〈大阪公演〉
期間:2018年4月5日(木)~8日(日)
会場:近鉄アート館
脚本・演出:米山和仁
出演:松本幸大、山本亮太、江田剛、目黒蓮、原嘉孝 /林翔太 (声の出演)/村瀬文宣、竹之内景樹、大山将司、大成翔輝、中村悠希、我善導、武藤晃子、清水順二、 /岡田達也 ほか
公式サイト:http://30-delux.net/squad
取材・文:Hiromi Koh