ーー新春です!!つかです!!熱海です!!平成最後の”熱海”、必見！ーー
1973年に文学座に書き下ろされ、発表された「熱海殺人事件」はつかこうへいの代表作であり、最年少で岸田戯曲 賞を受賞し、紀伊國屋ホールを拠点に、つかこうへい事務所の春の名物として、何度も再演を重ね、東京の春の風物詩とも呼ばれる程に。その「熱海殺人事件」が今年も生まれ変わる!!
今回で46年目!2019年の平成最後の年に、“LAST GENERATION 46”と銘打ち、 新たなメンバーで、「熱海殺人事 件」の46年目の上演に挑戦。
木村伝兵衛部長刑事は、2017年、史上最年少24歳でこの大役を演じ、今回で3年連続の主演を務める味方良介。 捨て身の潜入捜査を行う水野朋子婦人警官には、2018年に欅坂46を卒業後、今作が本格的な女優デビュー第一弾と なる今泉佑唯。ファースト写真集は10万部を超える大ヒット。 そして、犯人大山金太郎には2015年「第57回輝く!日本レコード大賞 新人賞」を受賞した新鋭ダンスボーカルユ ニット lol-エルオーエル-の佐藤友祐が俳優として新境地を開き、 富山から来た田舎の刑事熊田留吉には、2016年『新・幕末純情伝』で坂本龍馬役を演じ、昨年は『熱海殺人事件』 『火花』と文学作品に連続出演。お笑いコンビ「NON STYLE」の石田明を迎え、まったく新しい「熱海殺人事件」 を！演出は日本エンタテインメント演劇の巨匠つかこうへいの懐刀、岡村俊一！
この制作発表会が都内で行われた。登壇したのは木村伝兵衛部長刑事役の味方良介、婦人警官水野朋子役の今泉佑唯、犯人大山金太郎役の佐藤友祐(lol-エルオーエル-)、熊田留吉刑事役の石田 明(NON STYLE)、演出の岡村俊一。
まずは北区つかこうへい劇団出身の久保田創の軽快なMCで「熱海殺人事件」をイメージする登場シーンから！テンション上がる、上がる、多くのシャッター音が！ここでサプライズ、今泉佑唯の歌唱も披露された。あっという間であったが、公演の様子もここでちょっとだけ体感。
それから演出家、キャストが順番に挨拶。
まずは演出の岡村俊一から挨拶「今年で46年目ですが数えますと47回目が正しいですが、去年45周年やったので。平成が終わりますが、平成は我々にとってなんだったのか。これは昭和の話です、平成を生き延びるほどの作品で国産のもので50年近くやっている作品はほんの何本かです。なんとかこれを成功させて、これから50年、60年、100年生き延びられるように演出も僕自身も変わりながら、次の世代につないでいけたら。平成ラストの世代ということで『LAST GENERATION』と名付けています」と語る。
味方良介は「３度目の木村伝兵衛です。新たなキャストを迎えて。0スタート、全く新しい『熱海殺人事件』に」と挨拶。婦人警官水野朋子を演じる今泉佑唯は「初めての舞台です。皆さんと一緒に素敵な作品を」とコメントし、犯人大山金太郎役の佐藤友祐は「僕も演劇はほとんど初めて。本当に心から光栄に思います。初めてなので演出の岡村さんに身を捧げて・・・・・この役をどう演じられるかが勝負です。頑張っていきたい」と挨拶。石田明は「熊田留吉を2年連続で、さらにもう一度やらせていただいて上の！脱線コメディーは完全に僕の作になりますね。こちらもお楽しみに！」とコメントした。演出の岡村俊一は「作家や作品が生き残ることはやり続けることだと思います。それがやる続けられなくなったら、その人も作品もなくなってしまうので、やる続けること、やっていくことがあの人が喜ぶことではないかと・・・・・・どんな新展開があるんだろうと・・・・・石田くんのコーナーは石田くんの作になります（笑）今泉が歌えるのでミュージカルシーンもふんだんに盛り込んで！歌い踊る『熱海殺人事件』になっていると思います」と語る。
味方良介は「僕はこの作品は３度めです。平成生まれでつかさんにお会いすることはなかったんですが、僕自身はそこに対してすごくフラストレーション、悔しさもあるんですが、そういうあったこともない人間がこの作品をやる、つかこうへいの意志を紡いでいく、一つのケースであり、喜ばしいことであり、怖い部分もありますが、平成最後の作品としてできる、使命感、喜びが強くあります。それを来年、再来年、５年、10年と続けていけるように決めて『すごいものが続いているんだな』って」と語り、今回のキャストについては「石田さんが今年も参加しているので安心感も・・・・・石田さんと戦える！（今泉さんは）力のある女性なので！」とコメント。今泉佑唯は「一から学んで、岡村さんを頼りながらになってしまいますが、この期間で一回りも二回りも成長した姿を届けたい」とコメント。冒頭に見せたシーンについては「緊張しすぎて覚えていない」とはにかむ。佐藤友祐も「僕も初めてですが、僕に大役を！前回は僕の後輩が演じていたのでプレッシャーですが、でも一つ一つ乗り越えて」とコメントした。石田明は「最年長ですが、ファンの方も見に来てくれて、若い方がつかこうへいに興味を持ってくれるのはすごく嬉しいことです。期待に答えたいですね。うちには双子がいるんですが、昨年は２時間近くロビーのモニターのところで観劇し、２時間泣きっぱなし！もうつかこうへいが刺さっている！」と笑わせた。
演出の岡村俊一は「今年のキャストは結構若いです。若さ、青さが台本には書かれていて、22、23ぐらいで書いた、大学生が考えたことですが、昭和の若者かもしれない・・・・・若い人が考えること、感じ方、幸せ、若い人がやるのが一番いいんじゃないかと」と言ったところで石田明が「39ですよ」と茶々が（笑）続けて「さっきのは２時間しか稽古していないのに・・・・若さはすごいな、と」思い切りがいい！今泉佑唯については「へなへなしてる」と前置きし「でも少女の初々しさ、モノを知らない強さがある。危険な題材、パワハラ、セクハラな演劇もある。お芝居をやったことがないというところですが、受け止めるエネルギーはすごい」と熱く語る。それを聞いて今泉佑唯は「本当にへなへなしてると思うんですが、やるしかないので・・・・変わった姿を見せたいです」とコメント。同じく本格的な演劇が初めての佐藤友祐も「過去の映像見せていただいたり、周囲に聞いたりして『違うな』と。台本を読んでいると『わかるかも』・・・・・金太郎の感情を受け止めて」と語る。OFFの話題になり石田は「稽古が終わってご飯食べにいくとびっくりするくらいに芝居の話しかしない！」とコメント。またこの後に囲みも行われたが、ここで佐藤友祐が「平成最後ってすごい・・・・・歴史に残るモノですね」としみじみ。そして「自分が出せるモノを全部出して！」と意気込んだ。石田明も「恥ずかしいことは何もない、つかさんの芝居、うまくしようとかそういうプランは全くいらない、下手なりに全力で！」と言い、相方の観劇について「観にこないですね」と笑わせる。最後に味方良介は「平成最後とは関係なく、僕らがやれること以上のことを！演劇って熱くっていいよなと思ってもらえるように！熱さを体感しにきてください」と締めくくって制作発表会は終了した。なお、本日はバレンタインデーということで取材陣にチョコが振る舞われた。
また、東京公演は完売につき、追加公演のチケットも発売、大阪公演はまだ座席があるとのこと。熱い熱い！つかこうへいの「熱海殺人事件」、平成最後に見届けたい。
【公演概要】
つかこうへい復活祭 VOL.1 「熱海殺人事件 LAST GENERATION 46」
＜大阪公演＞
2019 年 3 月 28 日(木)~31 日(日) 大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TT ホール
＜東京公演＞
2019 年 4 月 5 日(金)~18 日(木) 紀伊国屋ホール
作:つかこうへい
演出:岡村俊一
＜出演＞
木村伝兵衛部長刑事：味方良介
婦人警官水野朋子：今泉佑唯
犯人大山金太郎：佐藤友祐(lol-エルオーエル-)
熊田留吉刑事：石田 明(NON STYLE)
[大阪公演]
協力:つかこうへい事務所
企画・制作:(株)よしもとクリエイティブエージェンシー(株)アール・ユー・ピー
主催:吉本興業
[東京公演]
提携:紀伊國屋書店
制作:つかこうへい事務所
企画・製作:アール・ユー・ピー
公式HP：http://www.rup.co.jp/
取材・文：Hiromi Koh
